未成年の子供に贈与はできる?できない?|子供への贈与は何歳から

相続税の負担を減らすには早めの贈与を

相続財産を減らすには、生前に贈与をすれば良いですが、贈与税は相続税よりも圧倒的に高い税率が課されているため一度に贈与をすると、相続税の負担軽減以上に贈与税が掛かることも。

一方で、贈与税については、毎年110万円までの非課税枠があります。

そのため、少額の生前贈与を長期間に渡って行うことで、相続税の負担を軽減することも可能です。

それであれば、できるだけ早い時期に贈与を始めたほうが有利でありますが、では、子供が何歳からなら贈与ができるのでしょうか?

今回は、未成年者への贈与についてまとめてみます。

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贈与は上げただけでは成立しない

贈与という法律行為は、贈与する側が「はい、あげますよ」という意思だけでは成立がしません。

贈与を受ける側の「はい、受け取ります」という双方の意思が必要なのです。

そのため、親が子供に「内緒で」子供名義で預金していたものが相続時に発覚した「名義預金」については、親から子供への贈与がされていたかの証明が厳しく求められ、それがないと贈与はなかったものとされるため贈与税の時効の対象とはならず、亡くなった人の相続財産にされてしまうのです。

贈与を受ける側が乳幼児であれば、その意思が曖昧です。

しかし、民法では特に年齢については定めておらず、0歳に対する贈与であっても、贈与は成立すると考えられています。

税務上の取り扱いを見ても「親権者から未成年の子に対する贈与」は

・親権者が受諾すれば契約は成立する

・未成年の子が贈与の事実は知っていたかどうかは問わない

とされた裁決例もあります。

つまり、親から未成年者の子供への贈与は、親が認めていれば、子供が知らなくても贈与したものとして認められるということです。

〔裁決要旨〕

1 贈与契約は諾成契約であるため、贈与者と受贈者において贈与する意思と受贈する意思の合致が必要となる(民法549条)が、親権者から未成年の子に対して贈与する場合には、利益相反行為に該当しないことから親権者が受諾すれば契約は成立し、未成年の子が贈与の事実を知っていたかどうかにかかわらず、贈与契約は成立すると解される 。

2 贈与税の申告事実と課税要件事実との関係については、「納税義務を負担するとして納税申告をしたならば、実体上の課税要件の充足を必要的前提条件とすることなく、その申告行為に租税債権関係に関する形成的効力が与えられ、税額の確定された具体的納税義務が成立するものと解せられる」(高松高裁昭和58年3月9日判決)と示されていることからすると、贈与税の申告は、贈与税額を具体的に確定させる効力は有するものの、それをもって必ずしも申告の前提となる課税要件の充足(贈与事実の存否)までも明らかにするものではないと解するのが相当である。そうすると、贈与事実の存否の判断に当たって、贈与税の申告及び納税の事実は贈与事実を認定する上での一つの証拠とは認められるものの、贈与事実の存否は、飽くまでも具体的な事実関係を総合勘案して判断すべきと解するのが相当である。

3 本件被相続人は、①贈与者の立場である一方、受贈者の立場でもあったことから、請求人のために株主として権利行使ができるよう取締役会の承認を得るべく働きかけるのが通常であるところ、そのような行動をとった事実は認められないこと、②本件被相続人は■■の代表取締役として■■との間で保証委託契約を締結したと認められるところ、同契約の担保として本件株券を発行したと認められ、本件株券がどのような形で発行されるか知り得る立場にあったにもかかわらず、本件株券の記名者及びその株式数について異議を申し立てた事実は認められないこと、③平成11年分及び12年分の「財産及び債務の明細書」には本件株式の贈与がなかったものとした場合の本件会社の株式数を記載していること、④■■■から返還された本件株券の管理を行っていたことから、本件株式を自己の所有財産として認識した上で行動していたことがうかがわれる。

4 また、認定事実によれば、請求人においても、本件株式が本件被相続人の財産に属するとの認識の下に、本件被相続人の生前及び相続開始後も遺産分割協議書の作成に至るまでの間、行動していたと認められる。そうすると、本件被相続人及び請求人のこれらの行動を併せ考えると、本件株式の贈与があったと認めることはできない。

5 請求人は、あえて贈与契約書を作成しないという贈与の実態は、親子の関係では、社会通念上、むしろ一般的ではないかとも考えられる旨主張するが、本件は、親権者と未成年の子との間の契約で、親権者自身が贈与者と受贈者の立場を兼ねていることから、対外的には贈与契約の成立が非常に分かりづらいものとなることは容易に認識できることであり、かえって、このような場合には、将来、贈与契約の成立について疑義が生じないよう契約書を作成するのがむしろ自然ではないかと考えられるほか、平成11年及 び12年の本件会社の株式の贈与について贈与契約書を作成していることと整合しない点を併せ考えると、請求人の主張は直ちに採用することはできない。

裁決年月日 H19-06-26  コード番号 F0-3-218

税務上は贈与があったことの証明が重要

ですが、税務上、その贈与があったことの証明については、相続税の税務調査で厳しく求められます。

事実、上記の裁決例でも「一般的に未成年者への贈与は親が承諾しているなら認める」としておきながら、贈与税の申告があると言ってもそれは証拠の一つではあるけど、揉めそうなんだからむしろちゃんと贈与契約書を作るはずで、贈与契約書がないのはおかしいとこの件での贈与の事実を認めていないのです。

とはいえ、乳幼児相手に、贈与契約書にサインをさせたところで、その意思が本人によりされたか曖昧です。

ですから、贈与を受ける側(受贈者)の欄に、未成年者の子供だけでなく、その法定代理人として親権者の署名押印をした贈与契約書を贈与のたびに作成するということが重要になるのです。

その契約書も「後から作ったのでは?」という疑念を払拭するためにも、その時点で確実に存在していたものであることを証明できるようにしておくと良いでしょう。

具体的には、公証人役場で確定日付をもらうのがベストですが、お手軽に済ませたいのであれば、契約書の表面の端に62円(はがきの料金)の切手を貼って郵便局に消印をしてもらいます。

契約書の日付をバックデートしてないと証明するお手軽な裏ワザ

既に日本郵政は民間会社であり、以前のような公的な確定日付ではないですが、その契約書がその時点で存在していたことを示す強力な証拠となるはずです。

相続税の調査でものすごく面倒くさい思いをしたくなければ、生前の贈与の時点で面倒なことでもきちんとしておくようにしましょう。

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