相続税の税務調査で一番問題になる「名義預金」はどう確認されるのか?

相続税の税務調査で揉めるのは「評価」よりも「漏れ」

相続税の税務調査というのは、実は、なんと税務調査に入った場合の81.8%(平成27年度国税庁発表)で申告漏れが発見されます。

そのうち、金額でダントツに多いのが現金預金で、土地や有価証券の2倍以上も多いのです。

それはなぜかというと、「名義は家族のものだが実は被相続人のもの」といういわゆる「名義預金」が発見されることが多いからです。

そこで、今回は、税務調査で名義預金がどのように認定されるのか、その仕組みをまとめてみようと思います。

スポンサードリンク

税務署は家族名義の預金は把握済み

税務署は、被相続人だけでなく家族名義の預金についても、種々の情報からある程度その存在は把握しています。

ですから、その家族名義の預金が、本当に家族のものなのかを把握することはそう難しいことではありません。

家族の収入に比べて高額な家族名義の預金がある場合、「それは名義預金ではないか」と当たりをつけてから税務調査に臨まれていると思ってください。

家族のためにお金は残したいが、お金がたくさん残っていることを本人に知らせると教育上よくないと、本人に内緒で家族名義の預金を残すことはよくある話です。

ですが、通帳の印鑑は被相続人名義の通帳と同じで、その保管も被相続人が行っていたとなれば、まず間違いなく名義預金とされてしまいます。

そのため、税務調査では、預金通帳の保管状況だけでなく、自宅にある全ての印鑑を「空押し」するなどしてその利用状況の確認もされるのです。

被相続人側の預金の動き

(1)直前の預金引き出し

治療費の支払いのためや、預金凍結された場合でも葬儀費用等の支払いができるようにと、死亡直前に預金の引き出しがされることが多いでしょう。

それ自体が咎められるようなことではありませんが、その際には、引き出したお金がどのように使われたものであるのかの確認がされ、死亡時点ではまだ支払いがされず手許にあったとされるものについては、手持ち現金として相続財産に上乗せがされるのです。

(2)過去5年間の引き出しのトレース

死亡前5年間程度の被相続人の預金通帳をみて、概ね100万円以上の引き出しがあった場合には、その資金が何に使われたものであるのかは確認がされます。

家族名義の預金となっているのはもちろん、家族が負担すべき生命保険の加入や家族の借金返済などに充当していた場合にも、そのお金は、家族に対する貸付金として相続財産とされます

実際に、どこで掴んだのか、無職の子供の抱えていた消費者金融からの借金が毎月きちんと返済されていた事実をもって、その原資が被相続人から子供への貸付金として相続税の追徴課税がされたこともあるのです。

相続人側の預金の動き

(1)資金の出所の確認

相続人名義の預金については、その原資がなんであるかの確認がされます。

相続人固有の収入額に比べて金額の大きな定期預金などが突然相続人名義で作成されていたなどという場合には、「実は、その資金の出所は被相続人ではないか」と疑われるのです。

高額の定期預金であれば、そのお金がどこから出てきたものなのか、出所を明らかにできるようにしておいたほうがよいでしょう。

なお、専業主婦の配偶者が、生活費として渡されてていたお金を自分名義でへそくりをしていた場合にも、その預金は被相続人のものとされます。

扶養義務者間の生活費の贈与は非課税ですが、妻が自分の努力で、切り詰めてお金を残した場合、その金額は生活費を超える部分であるため、被相続人の預金とされてしまうのです。

(2)贈与についてはその証明がシビアに

その資金の出所が、被相続人からの贈与であれば、相続開始前3年以内の贈与については、その贈与はなかったものとされ、その金額が相続財産に加算された上で、もし贈与税の支払いがされていた場合には、相続税額から控除がされます。

一方で、相続開始前3年以上前にされた贈与については、相続税の対象には本来なりません。

ですが、その贈与の事実についての証明がシビアに求められます。

「ああ、たしかに贈与されましたわ。でも、もう時効だからいいでしょ?」なんて簡単にはなりません。贈与の証明が取れない限り、税務署は絶対に引かないです。

ですから、贈与がされたのであれば、面倒でも必ず贈与契約書を作成します。その上で、その贈与契約書が後から作成されたものではないことを明らかにするために、公証人役場で確定日付を取るか、郵便切手を貼って郵便局で消印を押してもらうと良いでしょう。

契約書の日付をバックデートしてないと証明するお手軽な裏ワザ

このように、相続税の申告における名義預金というのは、悪意がなくとも漏れてしまうことが多々あるので、注意が必要なのです。

そして、いずれマイナンバーが預金と紐付けされたら、これらの名義預金が一網打尽に課税対象となるはず。

それがマイナンバー導入の一番の目的ですからね。

9割の人が間違えている「会社のお金」無料講座公開中

「減価償却で節税しながら資産形成」
「生命保険なら積金より負担なく退職金の準備が可能」
「借金するより自己資金で投資をするほうが安全」
「人件費は売上高に関係なく発生する固定費」
「税務調査で何も指摘されないのが良い税理士」

すべて間違い。それじゃお金は残らない。
これ以上損をしたくないなら、正しい「お金の鉄則」を