【基礎】中小企業でも無担保で受けられる融資とその借りる順番

無担保で低利の融資を受けるには

中小企業は担保力が脆弱であるため、無担保融資は資金調達上重要です。

では、それらの無担保融資にはどんなものがあるのでしょうか?

今回は中小企業でも無担保で受けられる融資とその借りる順番について検討してみることにします。

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無担保融資を受ける2つの道

(1)信用保証協会

無担保で融資を受けるには二つの道があります。

一つは信用保証協会を利用するということです。

信用保証協会とは、連帯保証人の用意できない中小企業に対し、保証料を徴収することで保証人となる公的機関のことです。

無担保で利用できる信用保証制度の上限金額は、一社あたり8,000万円です。

その金額以内であれば無条件で信用保証協会が保証をするわけではなく、その利用の可否は信用保証協会により申込みの都度審査がされるのです。

その8,000万円のうち一定規模以下の小規模企業に対しては、1,250万円 までの「小口零細企業特別保証」(特別小口)と言う特別な枠があります。

万一融資が焦げ付いた場合、その損失を信用保証協会が融資先に代わって銀行に支払いをしてくれるのですが、一般の無担保保証は、責任共有制度というものにより全体の20%は金融機関が負担をしなくてはなりません。

それに対して、この「特別小口」は、責任共有制度の対象外であり、全額を信用保証協会が負担をしてくれるので、万一融資が焦げ付いたとしても銀行はノーリスクということです。

そのため、金融機関としては、取り組みやすい融資であり、小規模企業にとっては大変ありがたい制度なのです。

初めての融資と信用保証|一般社団法人全国信用保証協会連合会

(2)日本政策金融公庫

もうひとつの無担保での融資が可能な道は「日本政策金融公庫」の活用です。

「国民生活金融公庫」という小規模企業向けの融資を行っていた金融機関と「中小公庫」という中堅企業向けの融資を行っていた公的金融機関が行政改革により統合されたのですが、未だに支店は別々であるなど両者ではその役割に大きな隔たりがあります。

この日本政策金融公庫が実施する融資の中には、無担保で利用できる融資があるのです。

国民生活事業|日本政策金融公庫

初めて融資を受けるなら|融資を受ける合理的な順番

1.小規模事業者経営改善貸付(マル経融資)

日本政策金融公庫が実施している融資の中に「小規模事業者経営改善貸付」(マル経融資)というものがあります。

これは、一定規模以下の中小企業で商工会議所による半年以上経営指導を受けた会社に対し低利固定での融資を行う制度です。

この「マル経融資」は、無担保なだけでなく、代表者本人の保証すら必要がありません。

ただし、事業を開始してから1年以上が経過をしていないと受けることができません。

黒字で納税をしていることなどの要件を満たしていると比較的融資のハードルは低いと言えます。

お金が必要になってからではなく、最初に受けるべき融資の準備として、できるだけ早く商工会議所への加入をしておくことをおすすめ致します。

マル経融資|日本政策金融公庫

2.市区町村による制度融資

市区町村によっては、地元の金融機関と提携をし特別小口保証などを活用した低利の融資を実施しているケースが多くあります。

実際の融資の実行は金融機関ですが、金利等の条件については市区町村により制度として定められているので、どの金融機関で融資を受けても条件は変わりはありません。

このように、自治体が金利等の条件を定めた上で金融機関に斡旋をする融資を「制度融資」と言います 。

市区町村による制度融資は、低利で固定金利な上、多くの自治体では、保証料の補助や利子の補給などの制度もあるため非常に有利になっています。

また 地元企業の支援を目的としているため、その自治体への納税をしているなどの条件を満たすと民間金融機関での正規の融資(プロパー融資)よりも融資可否のハードルは低くなっているのです。

中央区商工業融資の概要|中央区

3.都道府県による制度融資

都道府県により金利等が定められた上で金融機関に斡旋をする制度融資もあります。

こちらも、民間金融機関からのプロパー融資が受けづらい会社にとってはありがたいものですが、利子補給などの制度はあまり見かけません。

また、市区町村の制度融資について、その利用の条件として「他の信用保証協会の利用がないことが 」や「他の信用保証の利用残高と合わせて金額が判断」されることもあるため、優先順位としてはまずは市区町村の制度融資から利用する方が良いでしょう。

制度の一覧|東京都産業労働局

4.担保を不要とする融資制度

マル経融資とは別に、「担保を不要とする」そのままの名前の融資制度が日本政策金融公庫で実施されています。

無担保である分、一般的な融資である「普通貸付」よりはやや高めの金利となっています。

利用の条件としては、税務申告を2期間以上経過していることであり、4,800万円までの利用が可能です。

担保を不要とする融資|日本政策金融公庫

無担保の融資にも主なものだけでもこれだけのものがあります。

できるだけ有利な条件で利用をするためにも、まずはこれらの融資の特性や条件を理解し、その融資利用の順番を的確に行うようにしてください。

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