法人税の還付と消費税の納付を相殺できないの?

税金の還付と納付が両方あるケースも

会社の決算が終わるとその所得などに応じて納税をする必要があります。

一方で、法人税等については、予定納税をした金額が確定申告による納税額より大きい場合、その差額が還付されます。

また、消費税については、売上などに伴い預かった消費税額より支払った消費税額の方が大きい場合にも、その差額の還付がされます。

結果的に、法人税は還付なのに消費税は納付が必要になったり、その逆ということも。

では、そのような場合には、どうしたらよいのでしょう。

今回は、法人税が還付で、消費税は納付などという場合の納税方法について考えてみることにします。

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原則は税目ごとに納税と還付を

法人の決算時に支払う税金には、国税である法人税(地方法人税)と消費税のほか、地方税である事業税、都道府県民税、そして市民税があります。

国税と地方税は全く所管が違いますので、仮に国税に還付のものがあり、地方税に納付のものがあったとしてもそれらを通算することは当然できません。

では、同じ国税である、法人税と消費税についてはどうでしょう。

法人税が還付で、消費税が納付であったとしても、原則として税目ごとに対処をする必要があります。

つまり、このケースでは、消費税を一旦期限までに納付をした後、法人税の還付を待つ必要があるということです。

申し出ることで国税間の還付と納付の相殺は可能

仮に還付額のほうが納付額より大きくても、資金繰り上一旦納税をするのはしんどい、あるいは単純に納税に行くのが面倒ということもあるでしょう。

そんなときに、還付額と納付額を通算するということはできないのでしょうか?

実は、国税間で還付額と納付額を通算することは可能です。

しかし、何もしなくても自動的に還付額が納付額に充当されるということではありません。

納税者から還付額を納付額に充当してほしい旨の申し出を税務署にする必要があるのです。

国税通則法関連通達

(充当適状前の充当)

6 還付を受けるべき者から還付金等につき充当適状前の国税(納付すべき額が確定しているものに限る。)に充当の申出があったときは、その申出の日を充当適状日として充当することに取り扱う。この場合における充当の申出は、書面により行なわせるものとする。

では、具体的にはどのような届出書を出すのでしょうか?

このための明確な届出書があるわけではありません。紙の申告書を期限内に取り下げる際の「取り下げ書」と同じように、適宜書面を作成すればよいのです。

文面としては「還付額を納付額に充当して欲しい旨」が伝われば十分です。

◯×税務署長殿

株式会社ヨシザワ

代表取締役 吉澤 大

平成◯年◯月◯日から平成×月×月×日の事業年度について、下記の還付税額を納付税額に充当して頂きたく申し出ます。

■還付税額

税目:法人税

金額:×××円

税目:地方法人税

金額:×××円

■納付税額

税目:消費税及び地方消費税

金額:×××円

未納の税金があれば、還付が生じても勝手に充当される

なお、還付すべき税金が生じたとしても、それまでに未納の国税があれば、勝手に未納の国税に還付額は充当されます。

ですから、例えば、源泉所得税の未納があれば、消費税の還付が生じたとしても、まずはその還付額は源泉所得税の未納に自動的に充当される。

その場合には、当然に延滞税は生じ、還付額が充当されるにしても、まずは延滞税からとなるので注意が必要でしょう。

国税通則法
第五七条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金等がある場合において、その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなつている国税(その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等である場合にはその納める義務が当該信託財産責任負担債務である国税に限るものとし、その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等でない場合にはその納める義務が信託財産限定責任負担債務である国税以外の国税に限る。)があるときは、前条第一項の規定による還付に代えて、還付金等をその国税に充当しなければならない。この場合において、その国税のうちに延滞税又は利子税があるときは、その還付金等は、まず延滞税又は利子税の計算の基礎となる国税に充当しなければならない。

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