ロータリークラブやライオンズクラブ会費の課税関係

個人的信条に基づく奉仕活動であるが仕事獲得の側面も

国際的な社会奉仕団体で慈善事業などに取り組むロータリークラブやライオンズクラブ。

中小企業経営者の交流の場としても機能しているようで、地元の名士と言われるオーナー経営者が多数参加しています。

そのため、それらの活動は、個人の信条に基づく奉仕活動である半面、仕事獲得や情報交換の側面もあります。

では、これらの会費等については、税務上どのように取り扱うのでしょうか?

実は、わざわざ通達に「ロータリークラブやライオンズクラブ」などと固有名詞でその取扱いが記載されたケースがあるのです。

そこで、今回は、個人事業、法人でのロータリークラブやライオンズクラブの会費等の課税関係についてまとめてみることにします。

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法人での取扱い

法人の役員がロータリークラブやライオンズクラブに加入し会費を負担した場合、その会費については、次のように取り扱われます。

(1)入会金や経常会費

支出時に交際費

(2)経常会費以外の会費等

原則、支出時にその目的によって交際費または寄付金。

ただし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には、給与

「特定の役員が負担すべきもの」というのがどんなものなのかよくわかりませんが、一般的に、法人が加入した場合、ロータリークラブの会費等は、交際費または寄付金として、支出時に会社の損金となるということです。

個人事業主での取扱い

では、個人事業主がロータリークラブ等に加入をしたときにはどうなるのか?

個人事業主が加入した場合、ロータリークラブ等の入会金や会費は、必要経費に算入されません。

これは、あくまでもロータリークラブなどの活動は、個人の信条に基づく奉仕活動であり、事業活動とは関係がないからということです。

この個人事業主が加入をしたロータリークラブ等の会費は、税務調査ではちょくちょく見られ、問答無用で否認されます。

確かに奉仕活動とはいえ、同じ思いの人たちと活動することで、信頼関係が構築され、「何かあったときにはこの人に」という顧客獲得の効果はあると思われるのですが、そう言っても税務署は全く引く気はないです。

これまで何度も、不服審判所や裁判に持ち込まれてきましたが、その度に「必要経費にならない」との判断。

それこそ、「法人では損金になるのに個人事業主だと損金にならないのはおかしい」といっても「いや、法人と個人じゃ元々損金算入の範囲が違うから」、「任意加入の商工会議所は必要経費になるのでおかしい」といっても「商工会議所は業務に関連あるけど、ロータリーは奉仕で関係ないでしょ」でおしまいです。

国税不服審判所平成26年3月6日裁決

まあ、会合だけ出て帰る人ばかりじゃなく、その後、食事をしながらのミーティングをすることもあるでしょう。

その際には、お互いの仕事の中で、情報・意見交換もあり、その中から仕事の受注につながることもあるはずです。なので、その食事代については、交際費での経理処理は可能と考えます。

いずれにせよ、ロータリーやライオンズに加入する際には、法人を設立してから加入したほうが良さそうですね。

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