弥生スマート取引取込で領収証スキャン自動仕訳機能を試してみました

2016-01-30 23.34.49

弥生でも領収証スキャンして自動仕訳機能が

クラウド化された会計システムによる預金やクレジットカードのデータから自動で仕訳を生成し集計をしていく機能は非常に魅力的です。

しかし、領収証などから入力をするのはむしろデスクトップの会計システムよりも手間がかかってしまいます。

その手入力を極力減らすよう、領収証をスキャンし自動的に仕訳を生成する機能が弥生会計のスマートコネクトというサービスにも追加されたので実際に使ってみました。

スポンサードリンク

一気にスキャンが可能なのが魅力

iPhoneなどで領収証を撮影するとそのデータから自動で仕訳を作成する機能がクラウド会計には実装されていることが多いものです。

しかし、現実には、領収証一枚一枚iPhone撮影している時間があれば、余裕で仕訳の手入力ができてしまいます。

なので、領収証をスキャンし自動で仕訳を生成するという機能に、全く取り合うつもりにはなれませんでした。

そんな中、クラウド会計各社がScansnapと連携することで、領収証の連続読み取りを可能にし、弥生会計もそれに追随したわけです。

これで、やっとまともに「領収証スキャン」を検討する価値が出てきたといえるでしょう。

領収証取込自動仕訳機能の具体的な手順はこんな感じ

弥生スマートでの手順はつぎのとおり

・弥生会計を立ち上げ、ファイル/スマート取引取込をクリック

・ログインし、スキャンデータ取込をクリック

・領収証をスキャナでスキャン

・スキャンしてできた画像ファイルをまとめて選択

・画像を読み取った内容に誤りがないか、日付、金額、摘要を確認し不足箇所を入力

・読み取った内容から自動的に仕訳を生成したものの誤った箇所を手直し

・送信して取り込みファイルを作成

・取り込みファイルを開くと弥生会計に仕訳が転送される

というものです。

最初は手入力以上の手間がかかる

実際にやってみると、私の場合一発ではスムーズに行かずいくつもの壁にぶち当たりました。

まず、連続して領収証をPDFにしてみたところ、複数の画像の入ったファイルは読み取れないと。

そのため、スキャナの読み取りモードをJPEGにして1枚で1ファイルに変更しました。(PDFでも可能)

その次には、オンライン上の処理なので、途中で止まってしまうというエラーも。

IEをやめてChromeでの操作に変更をしました。

一方で、「読み取りの精度」はかなり高いです。手書きで金額の記載した領収証は読み取れませんが、それでも読み取り精度は十分に実用レベルです。

しかし、印字が薄いものや手書きのものは自分でキャプチャした画面を見ながら、それらを手入力しなくてはなりません。

摘要も強制入力なのでわざわざ一つ一つ手入力が必要です。(これは任意でよいのでは)

スクリーンショット 2016-01-30 18.16.19

この辺りでそろそろ手入力の方が早いのではないかと挫折する人も出てくるはずです。

さらに、「自動仕訳の精度」は、最初は全くお話になりません。ほとんど手直しが必要です。

取引手段も現金がデフォルトであり、それ以外のものである場合、すべて一つ一つ手直ししなくてはなりません。

せめて、サーチキーや前に入れたデータを初期値で持たせるなどの工夫があれば良いのですが、それもなく、リターンキーも使えないので、ほとんど一つ一つの勘定科目をワープロ打ちしているようなものです。

スクリーンショット 2016-01-30 18.24.00

ここで、どう考えても手入力のほうが早いとかなり忍耐強い人以外は諦めるはずです。

私も税理士としてお客様に提案するのではなく、自分の経理処理だけなら手入力でいいやと思っていたことでしょう。

しかし、これはまさにインフラづくりのようなもの。ここできちんと一つ一つ自動仕訳生成のルールを整備していけば、その後の手間は徐々に減っていくはずです。(実際にはやってみないとわかりませんが)

つまり、あくまでもきちんと経理知識を持ち、いま苦労すれば後で楽になるということをしっかり認識しそれを実践できる人だけが使いこなせるシステムだということ。

「経理の知識はないし、面倒な経理処理はやりたくないので自動的に処理をして欲しい」などというものぐさに使いこなせるものではないということは、はっきりと言っておきます。

これは弥生スマートコネクトにかぎらず、経理知識なしで使っても、クラウド会計は、よほど取引の少ない法人でない限り、決算までを終えることはまずできないでしょう。

(現状では、クラウド会計で決算作業を行うのは税理士でもイライラします。デスクトップ会計にデータを移して作業をするのが現実的な対応です。)

現在はギリギリ60点の出来かと。

「今後も使用するか」と言われれば、現時点は「頑張って使い続けてみよう」と思っています。

領収証スキャンの読み取り精度は予想よりも高いものでした。しかし、その仕訳ルールの登録方法などにはまだまだ改善の余地があるかと。

少なくとも、勘定科目の一括変換、サーチキーやリターンキーなどが使えるようにならないと、とても自動化の成果を実感できるほどの大量の処理をする気にはなれません。

近日中に、タイムスタンプも押すことができるようになり、領収証の「スキャナ保存」も可能になるようなので、私が挫折する前に仕訳ルール登録方法についてもスピーディな進化がなされるよう期待しております。

インフィードモバイル

9割の人が間違えている「会社のお金」無料講座公開中

「減価償却で節税しながら資産形成」
「生命保険なら積金より負担なく退職金の準備が可能」
「借金するより自己資金で投資をするほうが安全」
「人件費は売上高に関係なく発生する固定費」
「税務調査で何も指摘されないのが良い税理士」

すべて間違い。それじゃお金は残らない。
これ以上損をしたくないなら、正しい「お金の鉄則」を