欠損金の繰戻還付凍結解除が節税効果に与える影響

21年2月以降の決算から、
資本金1億円以下の企業については
法人税の繰戻還付制度の凍結が解除されました。
詳しくはこちらをご覧頂くとして、
この制度をひと言でいうと
前期黒字だったのに今期赤字に転落した場合、
前期の黒字と今期の赤字を相殺し、
前期の税金の一部を還付してもらう手続き
のことです。

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さて今回は、この欠損金の繰戻還付制度の凍結解除が
節税対策の効果にどんな影響を与えるか

考えてみることにします。
まだ20代の勤務税理士だった頃、
私はまさに「節税マシーン」ともいうべきイキオイで
日夜節税のレポートを書き、お客様に提案をしていました。
この節税には、特別控除のようにその効果が
永久に続く「永久型節税」と生命保険活用のように
単に税金の支払期限を延期するだけの「繰延型節税」があります。
実は、世に言われる節税の80%-90%は
この単に支払期限を延期するだけの繰延型節税なのです。

その支払期限を延期するだけの節税をするための
大義名分とされていたあるキーワードがありました。
それは、「利益の平準化」というものです。
(一応申し上げますが、いろいろかなり荒っぽい節税策は
やりましたが、さすがに単なる支払期限を延期するだけの
効果をそのまま金銭的に得になるかのような説明を
したことはありませんでしたよ)
これは、「国は儲かったときにはガッツリと税金を召し上げるくせに、
赤字に転落しても何も面倒は見てくれない。だったら自分で
利益を平準化することで税コストの削減をしよう」というもの。
その前提となるのは、赤字については翌期以降7期間の黒字と
相殺する欠損金の繰越控除しかない。
つまり、その7期間の黒字とも相殺できなかった赤字については
「賞味期限切れ」になってしまうということだったのです。
ところが、今回の凍結解除によってその前提が大きく崩れました。
もちろん、この繰戻還付については法人税のみであり、
事業税や住民税には適用はありません。
また、早く税金を支払うことで得になることは
ひとつもありません。
しかし、その繰延型節税のために
使ったコストはいくらなのか?
この法人税の繰戻還付が可能になったことによって、
単に支払期限を延期するだけの繰延型節税については、
その費用対効果をもっともっと慎重に
考える必要が出てきたと言えるでしょう。

加えて、スコアリングをはじめ決算書の数字が
資金調達コストに直接跳ね返ることが多くなりました。
繰り延べるだけの節税で資金調達コストが上がったら
どう考えても損だと思うんですが。
でも、社長って節税好きなんだよな~。
まさに「節税」は魔法のキーワードなんでしょうね。

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欠損金の繰戻還付凍結解除が節税効果に与える影響” に対して 2 件のコメントがあります

  1. 勝野弘志 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    繰戻還付請求しようと思いましたが、「税務調査が前提」と聞き、取りやめました。
    調査立会いなんて面倒だから。

  2. ヨシザワ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >>勝野さん
    条文上は前提だけど、実際には
    私の経験だと100%というワケじゃない。
    ただ、税務調査の確率は
    圧倒的に高くなるでしょうね。
    こっちは、一年中切れ目なく税務調査の
    立ち会いをしているので、段々
    税務調査に対する抵抗感がなくなって
    いるのかも。
    ただ、お客さんは、やっぱり税務調査は
    イヤでしょうから、その感覚は
    忘れないようにしたほうがいいですね。

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