税務調査で言いがちだけど言ってはいけない3つの禁句|大人の言い換え辞典(税務調査編)

任意調査なら別に恐れる必要はないが

税務調査といっても、脱税を摘発する強制調査ではない一般的な任意調査であれば、「公務員によるルーチンワーク」であり、別に恐れる必要はないです。

ですが、税務署員も人間ですから、感情を害すれば、必要以上に厳しく調査をすることも実際にあります。

そこで、税務調査で言いがちだけど、言ったところでどうにもならないし、言わないほうが良いのではないかという3つのセリフを「税務調査での禁句」として挙げておこうと思います。

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「公務員のあんたにはわからない」

まあ、たしかにそうなんですよ。

売上予算や資金繰りに関係なく安定的な収入のある職種をあえて選んだ人には、本質的に事業経営のことはわからないです。

会社存続のためには、”真っ白”なことばかりじゃ済まないこともあるわけですが、民間のサラリーマンだって、独立しない限り経営の本当の厳しさはわからないでしょう。

そのことは公務員自身もわかっていて、コンプレックスとして感じていることが多いものです。

それを「公務員には民間の厳しさなんてわからんだろ」などといって、相手のコンプレックスを刺激したところで、「失礼しました。それは大変ですね」などと納得するわけもなく、むしろやる気に火がついて”頑張る”だけです。

もし、そう言いたいのであれば「この業界で生き残るためには、やむを得ないこともございまして。その点ご理解ください」とでも言い換えましょう。

「そんな細かいことどうでもいいじゃないか」

税務署員も指摘事項をすべて納税者に修正してもらえるとは思っていません。

税務調査の決着とは、税務署側が指摘事項をすべて並べた上で、納税者側との交渉により両者がギリギリ納得できる落とし所を探るということ。

そのためには、税務署としては、一通り正しい処理と異なる点については指摘をする必要もありますし、そもそも、「見るべきところを見ていない」となれば、担当者が上司に詰められてしまいます。

それを「あんたは細かいねえ」と嘲笑するのは、税務署員の仕事自体を否定することになり、「こっちだって好き好んで言ってるわけじゃない」とやっぱり”頑張っちゃう”ので得策ではないのです。

もし、そう言いたいのであれば、「さすが、丁寧なお仕事ですね」とでも言っておきましょう。

「やれるものならやってみろ」

税務署員が指摘した疑義に対して、「嘘などついていない」と認めなければ、税務署員は当たり前のように相手に確認に行きます。

また、「白々しいことを言うよな」と思いながらも、「まあ、素直にちょっと無理があるだろうと認めてくれれば、あとで指導に止めよう」と思っていることも、強弁されると、正義感に火がつき「絶対に許さん」となりがちです。

あるいは、調べるのに膨大な手間がかかるようなときに「やれるものならやってみろ」というようなことをいうと、まず間違いなく税務署員は”やります”。

むしろ、手間がかかるので面倒だからどうしようかなと思っていたことであっても、このセリフを言われたら、税務署員としても引くに引けないのです。

もし、そう言いたいときには「それがお仕事ですから致し方ないです。お手間をおかけいたしますがよろしくお願いいたします」とでもいえばよいでしょう。

税務調査は利害の対立する社会人同士の交渉ごと

できるだけ追徴課税をしたいという税務署員とできるだけ納税はしたくない納税者では、利害が対立しているのは当然です。

ですが、利害が対立しているからと言って、得意先や仕入先に対して罵詈雑言を浴びせるようなことはしないですよね。

一般的な「任意調査」であれば、税務署員だって真っ当な接遇マナーで接してくるでしょう。

ごく稀に高圧的な態度の若手調査官が来ることもありますが、そのときはきっちり統括官にクレームを入れると、ちゃんと上司がお詫びに来ます。そのあたりも普通の社会人の常識と変わりはないです。

ですから、税務調査もよくある利害の対立する社会人同士の交渉事として、相手の仕事についても一旦は「お仕事ご苦労様です」という姿勢で受け止めた上で、淡々粛々と必要なことは調べてもらい、まとめの段階で「誤りではあるが今回は指導にとどめておく」という判断をしてもらうように、粘り強く交渉すれば良いのではないでしょうか。

もちろん、必要以上にへりくだる必要もないし、言いたいこともあるでしょうけど、大人なんだから”言い方”ってありますよね。

ああ、今回の「言い換え」は半分ネタですよ。

つまらないことは何も言わないのがベストな税務調査対応です。

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