無担保な上に代表者の保証もいらない資本性ローンってどんなもの?

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代表者の連帯保証を求められない融資は少ない

融資を受ける際に、無担保や代表者以外保証のない融資は、開業して1年が経過すると、信用保証協会の無担保保証枠もあり、意外と実現可能性が高いといえます。

ただ、代表者自身の連帯保証までもない融資となると、日本政策金融公庫(国民生活事業)が商工会議所の推薦の下に実施する「小企業経営改善貸付」(マル経融資)くらいしかないと思われるかもしれません。

しかし、マル経融資以外にも、返済は期日一括返済、代表者自身の連帯保証を求めず、失敗して会社が倒産したら「ハイそれまで」の「資本性ローン」というものもあるのです。

そこで、今回は、その資本性ローンの特徴とどんな人に向いているのかについて検討をしてみることにします。

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資本性ローンの特徴

資本性ローンが利用ができるのは、ひとことで言うと「新規性と成長性があるビジネス」をしていたり、「地域活性化に寄与」するような企業です。

事業計画についてもきちんと審査がされ四半期ごとに経営状況の報告が求められるなど、融資のハードルは低くなく、誰もが利用できるものではありません。

新規性の高いビジネスほどその「成果のブレ幅」(リスク)は大きくなりがちです。

成果のブレ幅の大きな事業には、利ざやが薄い融資では銀行もお金を出しにくく、結果的に満足な資金が調達できないということもあります。

そこで、日本政策金融公庫が融資の枠内で、できるだけ新規性の高い事業に挑戦する企業の資金需要に応えようとしたのがこの「挑戦支援資本強化特例」(資本性ローン)なのです。

さて、資本性ローンとは、その名の通りで「出資に近い側面をもった融資」ということです。

融資ですから、約定どおり利息の支払も元本の返済も求められます。

その点では、出資とは異なります。

では、出資に近い側面とはどんなことなのでしょうか?資本性ローンには他の一般的な融資と異なる3つの特徴があります。

(1)無担保・無保証人で代表者の負担を軽減

まずは、無担保、無保証人であることから、万一事業が失敗し会社が破綻したとしても、代表者がその債務の弁済を求められることはありません。

結果的に、出資同様、成果のブレ幅の大きい事業に対して、代表者がリスク負担を気にすることなく大胆に挑戦することが可能になるわけです。

(2)元本は期日一括返済

せっかく調達した資金も、証書貸付などのように定期的な返済を求められるのであれば、その資金を事業に投下するのに制約が出てしまいます。

融資なので約定どおり返済はしてもらいますが、借入期間内は利息の支払だけとし、元本は5年1ヶ月-15年までの期日に一括して返済をすることで、出資されたお金に近いお金の使い方を可能にしているのです。

(3)金利は業績が良くなるほど高くなる

一般的な融資では、業績や財政状態が良いほど、貸す側のリスクが小さくなるので金利は低くなります。

しかし、この資本性ローンでは、直近の「売上高減価償却前経常利益率」などにより、業績が悪ければ金利水準は低く、業績が改善すれば金利水準が高くなるようになっています。

これも、事業の成果が上がらなければ配当などのリターンはなく、成果が上がれば高いリターンを要求する出資に近いものだと言えるでしょう。

なお、この資本性ローンは、日本政策金融公庫の中で「国民生活事業」が実施するものと「中小企業事業」が実施するものがあります。

国民生活事業が新規開業や中小規模の企業を対象にしているのに対し、中小企業事業は年商で概ね10億円以上など一定規模以上の企業を対象にしています。

挑戦支援資本強化特例(資本性ローン)国民生活事業

挑戦支援資本強化特例(資本性ローン)中小企業事業

資本性ローンの留意点(J-Net21)

資金調達コストは通常の融資よりは高く、出資よりは安い

融資は、業績に関係なく利息と元本の支払いをしなくてはならないのに、出資であれば返済を求められず失敗しても金銭的な責任は問われません。

それだけ見ると、出資は融資に比べてお得で、資金調達のコストが安く済むようにも思えます。

それこそ、「本来出資を受けたいけれど、難しそうだから融資で我慢をする」という感じかなと。

しかし、現実にはまるで逆で、出資は融資よりも資金調達コストははるかに高いものです。

これは、お金を出す側の立場に立ってみればわかります。

約束通りに利息と元本を支払ってくれる融資より、紙くずになるかもしれない出資のほうが当然ずっと高いリターンを期待するはずです。

あなたが融資ならば2%の金利でお金を貸す相手に、「失敗したら紙になるかもしれないが出資にしてくれ」と言われたら、その見返りは2%どころではなくその10倍の20%かそれ以上を期待したくなるでしょう。

「お金を出す側の期待」は、そのまま「お金を受ける側のコスト」になります。なぜなら、お金を出す側の期待に応えばければ新たな資金調達ができないから。

ですから、お金を出す側の期待がはるかに大きい出資のほうが融資よりも資金調達コストは高くなるのです。

資本性ローンは、通常の融資と出資の間くらいのリスクを銀行はとっています。

つまり、成果が上がった時の資金調達コストは、通常の融資よりは高く出資よりは安いということです。

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(国民生活事業実施分)

創業したての会社で企業価値はそれほど高くないのに、出資で多額の資金調達をしようとすれば、それだけ会社の支配権を出資者に持たれてしまうことを意味します。

新規性と成長性の高いビジネスのアイデアはあるものの手持ちの資本金だけではチャレンジに必要な資金を確保できない人は、この資本性ローンによる資金調達も検討してみては。

以前、日本政策金融公庫で起業家向けのセミナーをさせていただいていた時には、日本政策金融公庫がこの資本性ローンをしきりにアピールしていましたし、ベンチャーキャピタルからの出資を検討するような方であれば、チャンジしてみる価値はあるのではないでしょうか。

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