【保存版】はじめての税務調査ーこれで安心、実地調査の事前準備と当日の対応

別に税務調査は怖いものではない

税務調査を好きな人というのはまずいません。

普段は豪放磊落で鳴らしている社長でも「税務調査の前は一週間飯が喉を取らなかった」などという方もいらっしゃるようです。

ただ、日常的に税務調査に対応している税理士は「税務調査なんて単なるルーティンワークであり、なんでそんなに恐れるの?」と思っています。

そのくせ、一部の税理士が「税務調査は怖いものだ」と必要以上に印象づけている一面があると言えます。

実際に税務調査を受けてみれば、「え?なんだ、こんなものなの?」という感想をお持ちになる方も多いものです。

そこで、はじめて税務調査を受ける方が、安心して税務調査を迎えられるよう、税務調査のスケジュールや事前準備と実地調査当日の対応についてまとめておくことにします。

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一般的な税務調査のスケジュール

日程調整

税務署から顧問税理士に対し会社へ臨場しての調査(実地調査)の日程調整の連絡が来ます。その上で、納税者と税理士、税務署の都合の良い日時を決定します。

実地調査は、税務署から要望された日時に必ず合わせなくてはいけないわけではありません。

「その時期は多忙である」という理由で、1-2ヶ月時期をずらすことも可能です。

事実、私の事務所は、冬が繁忙期なので、12-2月に打診をされた税務調査については、すべて3月以降にしております。

なお、資本金1億円以下の税務署管轄の法人の場合、実地調査の日時は二日間が基本です。

通常、連続して二日間の実地調査の要望が税務署からは出されますが、必ずしも連続二日で時間をとる必要もなく、連続していない二日間でも構いませんし、最初の一日だけ決めておき、当日税務調査の進捗状況を見ながら二日目の日時を決定することも可能です。

その際に、税務調査の進捗状況によっては、その一日だけで実地調査は終了することもよくあります。

事前通知

具体的な臨場(実地調査)の日時が決定後、実地調査の2-3週間前に税務署から「事前通知」が電話で税理士にされます。

ここで、税務調査の対象となる法人名・期間・税目(通常は法人税、消費税、源泉所得税)、担当者名と実地調査に来る人数、用意して欲しい資料、訪問日時と時刻などが伝えられます。

これらは、単なる事務連絡であり、大きな意味はありません。

一般的には、実地調査に来るのは一人が多いです。二人以上のときは、疑義のある事項や事業規模などにより見るべき項目の分量が多いか、ベテランによる新人の指導の場合が多いと言えます。

調査スキルに長けたベテランの「特別国税調査官」が来るときは、何らかの大きな疑義がある場合もありますが、単に事業規模が大きかっただけであったり、決済権者である「統括官」が来ても、単に件数のノルマをクリアするための調査で、あまり手間の掛からない疑義の少ない法人が選ばれたということもあり、過度に心配しても仕方がありません。

担当者の経歴を調べたところで、こちらで担当者を選べるわけでもなく、どうなるものでもないのでわざわざそんなことをする必要はないです。担当者の力量は、実地調査で実際に話をしてみれば大体わかります。

実地調査

初日の午前中は、社長に対し、会社の事業の概況、創業からこれまでの経緯などの一般的な質問がされます。総勘定元帳などの経理資料のチェックは、初日の午後以降となることが多いです。

それ以降は、税務署員がこちらが準備していた資料について必要なチェックをします。

経理資料の内容についての質問や追加資料の請求がされることがあれば、適宜質問に回答したり、必要資料を提示します。

実地調査の目的は、資料の収集と事実の確認です。議論をする場ではありません。ですから相手を論破しようと気負うことなく、質問されたことにわかる範囲で回答し、求められた資料を提供するだけで構いません。

実地調査後の追加対応

実地調査が終わった後、それらで収集した資料のさらなる確認のため、追加で資料の提供を求められることもあります。その場合には、税理士経由で求められた資料を税務署に提出いたします。

また、必要に応じて帳簿に記載されたことが事実であるか取引相手への確認を行う「反面調査」がされることもあります。

電話での修正事項の打診

ここからは税理士の仕事です。実際の税務調査の本番は、ここだと言っても良いでしょう。

税務署から電話で税理士に対し、事前に各方面から収集したデータや実地調査、反面調査などでわかったことをまとめ、税法に照らして修正すべきであると税務署が考える事項について提示されます。

それに対して、税理士が必要に応じ「処理は合理性があり修正する必要はない」旨の反論を行います。

現実には、税理士・税務署ともに100%自説を押し通すことができない白黒のつけがたい部分も多く、結果的にどのあたりまで修正をするかという「落とし所」を探す交渉となることが多いです。

申告段階でグレーゾーンに踏み込んだ「強気な申告」をすれば、その分、税務署も修正を強く求め、グレーゾーンに踏み込まない「弱気な申告」をすれば、税務署が何も修正を求めないということもあります。

ですから、実際に税務調査で修正をした金額だけでは「税務対策の成否」は判断できず、申告から調査までをトータルで見て税務対策の成否を判断する必要があるのです。

もちろん、税理士の反論により何も修正すべき点がないとされることも、そもそも何一つ修正すべき点の指摘がないこともあります。この場合には、この時点で税務調査は事実上終了いたします。

署内での決済と修正申告のたたき台の提示、修正申告書提出

税理士と税務署の交渉により大枠の決まった修正事項について、税理士から納税者に連絡を致します。

その内容に納税者がご納得いただければ、その形で修正申告をする準備に入ります。もし、ご納得いただけない場合には、その旨を税務署に伝え、税務署と再交渉をすることになります。

それらの交渉の結果、最終的に納税者が納得なさった修正申告の内容について、今度は、税務署内の承認がされ決済が下ります。

その結果が、税務署から税理士に対し電話で通知され、修正申告のたたき台となる書類が送付されてきます。

その資料を確認し、税理士が実際に修正申告書を作成します。

そして、その内容に納税者が承認をいただければ、署名押印の上、修正申告書を提出し、その修正申告内容に基づいた追徴課税額の納税をして税務調査は終了いたします。

(延滞税や過少申告加算税などの納付書は後日届く事になります)

なお、どうしても納税者側、税務署側の意見が合わない場合、税務署が自ら正しいと思う判断で「更正」という課税処分を強制的にしてきます。

その内容について、異議がある場合、今度は、納税者側が税務署長に対してその処分の取り消しを求めて「再調査」や「審査」を請求することになるのです。

実地調査までにしておく準備

実地調査までに準備しておくべきものは次のようなものです。

なお、一般的な税務調査では事前通知で対象期間が示されますが、たいていその期間は直前期から3期間(源泉所得税は調査時点以前3年間)です。

ただし、実地調査により、売上除外や架空経費計上など仮装隠蔽行為が発覚した場合、その期間よりも以前の資料の提供を求められることもあります。

事前通知で示された期間(概ね直前3期分)の資料は実地調査までにすぐに提示できるよう準備をしておき、万一それ以前の期間に遡っての資料提供を求められた際には、それから資料の準備をしてもよいでしょう。

必ず準備しておく資料

決算書・申告書

総勘定元帳

科目別消費税集計表

領収証・請求書

預金通帳

源泉徴収簿

扶養控除等申告書

タイムカード・出勤簿

従業員の履歴書または従業員名簿

これらの資料をダンボールなどにまとめて、実地調査時に税務署員にチェックをしてもらう場所に設置しておけば、当日の対応の手間が省けます。

求められたらすぐ出せるよう準備しておいたほうが良い資料

注文書・納品書

契約書(適正額の印紙を貼って消印が必要)

組織図

議事録

会社案内

金額が大きいものや突発的な取引についての契約書等や計算根拠となる資料

関係会社間取引について、その金額の合理的な算定根拠となる資料

作っておいたほうが良い資料セット

売上計上にかかる一連の流れが分かる資料

販売した取引がどのようにして売上計上されるのか、見本となる取引を一つ抽出し、注文書→納品書→請求書→売掛帳→総勘定元帳のコピーなどをまとめてわかるようにしておくとよいでしょう。

実地調査当日の対応

必要資料をまとめて配置しておけば、税務署員がそれらをチェックしますので、それ以上特にこちらから対応することはありません。お茶や昼食についても用意する必要もないです。

経理資料の内容についての質問や追加資料の請求がされることがあれば、適宜、回答ないし資料提供をしてください。

その際も、試験でも面接でもありませんので、その場で正確に回答をしなくてはならないものでもありません。

どう答えてよいのか自信がなければ「調べて回答いたします」「資料は後日送付いたします」という対応でよいです。

邪魔することもなく、無駄な会話もすることなく、税務署員の気が済むまで調べてもらいましょう。

税務署員が調査をしている部屋にずっと社長ないし経理担当者が同席することは、害はあっても利益はないので、そのようなことはせずに通常通り仕事をしてください。

実地調査で行われるのは、あくまでも、事実の確認と資料の収集ですから、その場で税務処理の判断について議論がされることはありません。

臨場している税務署員も税務上の判断について決済権がないことがほとんどなので議論などしても意味はないです。

ですから、現実に実地調査に税理士が立会いをする意味はそれほどなく、単に今後の連絡のための顔合わせと思っていただいて構いません。

そのため、当事務所では、立会報酬が一日あたりで計算される(修正申告報酬も含む)こともあり、お客様から強いご要望がない限り、二日目以降の立会いは致しません。

それでトラブルなったことや納税者に不利になったことなどありません。

つまり、実地調査なんて、税理士がいなくても十分対応できるようなものであるということです。

二日目以降税理士がいなくても、初日同様、用意した資料を税務署員にチェックしてもらい、必要に応じて適宜質問に答えたり、追加資料を提供すれば結構です。

それも、仕事の手を止め最優先で回答する必要もなく、もし細々何度も質問してくるようであれば、「まとめてご質問ください」という指示をしていただいても大丈夫です。

税務署員も普通の人ですから、こちらが敵愾心を露わにすれば、かえって「仕事をする気にさせる」ことにもなります。

別にへりくだる必要など全くないですが、「お仕事ご苦労様です」と言う気持ちで淡々粛々と仕事をしてもらうようにすればよいでしょう。

こちらがそういう態度であれば、税務署も「お忙しい中ご迷惑をおかけします」という当たり前の対応をしてくるはずです。

もちろん、税務調査では納税者と税務署の利害は対立しますが、税務調査は特別なものでもなく、金融機関との折衝や取引先との価格交渉と同様、利害が対立する社会人同士が対峙する普通の仕事なのです。

ですから、本来、税務調査など何も心配をするようなことはないのです。

もちろん、売上除外や架空経費計上などの脱税をしていなければですけどね。

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