キャッシュレス決済の領収証の印紙税|クレジットカード、デビット、スイカ、Paypay

キャッシュレス決済が一気に広がりそう

消費税増税の影響を緩和しようとキャッシュレス決済のポイント還元制度が導入されるようです。

Paypayでも100億円がわずか一週間で底をついたのに、国民全員に法人も利用可能では、正味1600億円しか還元のための原資がない制度で果たして9ヶ月も予算が持つのか。大きな混乱を生みそうですね。

では、このキャッシュレス決済の領収証には印紙を貼る必要があるのでしょうか?

そこで、今回は、キャッシュレス決済の領収証の印紙について、クレジット・カード、デビットカード、プリペイド、Paypayなどについてみてみることにします。

金銭または有価証券の受取書、領収書の印紙税

金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。

受取書とは、その受領したことを証明するために作成し、その支払者に交付する証書のことです。

ですから、「受取書」「領収証」「レシート」「預り書」などの文言には関係がなく、請求書や納品書などに「代済」「相済」「了」などと記入して受け取りの事実を証明したもの、「お買上票」などでその作成の目的が金銭などの受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の「受取書」として印紙税の対象となります。

金銭又は有価証券の受取書は、受け取る金銭又は有価証券が「売上代金に係るもの」か「売上代金に係るもの以外のものか」で税額が異なります。

「売上代金」とは、なんからの反対給付があるものをいいます。つまり、商品やサービスを提供した代わりに代金を受け取り、その事実を証明するために作成される受取書は「売上代金に係るもの」となります。

一方、借入金、担保としての保証金、保険金や損害賠償金などは、反対給付はない一方的なものなので、売上代金に該当しません。ですから、これらの金銭の受け取りを証明されるために作成される受取書は「売上代金に係るもの以外のもの」となります。

なお、営業に関しない金銭又は有価証券の受取書は、非課税です。ここでいう営業とは、おおむね「営利を目的として同種の行為を反復継続して行う」ことをいいます。

ですから、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たらず、代金受け取りの証書として領収証等を作成したとしても印紙税は不要です。

なぜか、税理士が作成した領収証も印紙税は非課税です。理由はわからないです。

なお、売上代金に係る受取書と、売上代金以外の受取書についての印紙税額は、次のとおりとなっています。

売上代金の受取書の場合

記載金額 税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上 100万円以下のもの 200円
100万円を超え 200万円以下のもの 400円
200万円を超え 300万円以下のもの 600円
300万円を超え 500万円以下のもの 1,000円
500万円を超え 1,000万円以下のもの 2,000円

売上代金以外の受取書の場合

記載金額 税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上のもの 200円

いずれにせよ、記載金額5万円未満の領収書等は、印紙税は不要ということです。

なお、記載金額は、消費税額が別途明記されていれば税抜金額で、消費税額が明記されていない場合には税込金額で判断をします。

クレジットカード決済の領収証

代金を支払った証拠として作成される領収証は、現金での支払いのみならず、クレジットカードでの支払いでも作成がされるでしょう。

では、このクレジットカード決済をした時の領収証の印紙税はどうなるのか?

実は、クレジットカード決済による領収書には印紙は不要です。記載金額が5万円以上の領収証であっても印紙を貼らなくてもいいのです。

印紙税法第17号文書の「受取書」は、「金銭の受領の事実を証明するもの」が該当します。

しかし、クレジットカード決済の場合、あくまでも代金が支払われるのは後日クレジットカード会社からであり、この時点では、顧客から金銭の受領はしていません。発行される領収書も金銭の受領を証するものではない。

ですから、このクレジットカード決済による領収書には、受取書には該当せず、その記載金額に関わりなく印紙税は不要となります。

ただし、この領収証に「信用取引による支払いである旨」=「クレジットカード利用」という記載がないと「受取書」となり、記載金額5万円以上は印紙税の対象となるので注意が必要です。

なんかよくわからないですが、そういうことになってます。印紙税は、いくら理由を聞いてもよくわからないことがたくさんある税法です。

クレジット販売の場合の領収書|タックスアンサー

デビットカード・プリペイド決済の領収証

では、デビットカード決済による領収書はどうでしょう。

結論は、デビットカード決済による領収書は、受取書となり、5万円以上の記載金額の場合、印紙税の負担が必要となります。

というのも、デビットカードによる支払いは、その場で顧客の預金口座からお金が引き出されることになります。

実際には、決済事業者からまとめてお金をもらうので、受け取る側からすればクレジットカード同様、その場で代金を受け取ったことにはなりませんが、その「即時決済性」に着目をし、その時点での金銭の受領があったものと考え、その事実を証する書類として受取書として取り扱うことになっているのです。

これは、デビットカードではない、プリペイドカードやスイカなどのディポジットしたお金からの決済についても同様でしょう。「即時決済性」があるため、印紙税の対象になるのです。

デビットカード取引(即時決済型)に係る「口座引落確認書」及び「領収書(レシート)」|タックスアンサー

PaypayなどのQRコード決済の領収証は?

あれ?Paypayってディポジットしたお金から引き去さる方法だけじゃなくて、クレジットカードに紐付けてクレカ決済される方法もありますね。

そうなると、Paypayの利用者がディポジットしたお金からの決済にしていれば領収書への印紙は必要、クレジットカードに紐付いて決済されていれば領収書への印紙は不要ということになるのかと。

これって加盟店で自動で確認できるようなものなんでしょうかね?もし、加盟店側で確認できないとしたら一々利用者に「ディポジットですか?クレカ決済ですか?」なんて確認するのでしょうか?

まだ、実務上の取り扱いが明らかになっていないのでこのあたりをどうするのかよくわからないです。わかった時点で改めて報告いたします。

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