金券ショップで買えば印紙が消費税分だけ安くなるワケ|印紙はどこで買うかで消費税が異なる

印紙、商品券は消費税は課税対象外

税金や支払手段については、消費税は課税対象となりません。

商品券についても支払手段を購入しただけなので、その時点では消費税は非課税です。

印紙の購入は印紙税の納付であるため、原則として消費税は対象外です。

原則というのは、例外がある。そこで、今回は、印紙を購入しても消費税が課税になるケースを見てみることにします。

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印紙は購入場所により消費税の課税が異なる

商品券はどこで購入をしても消費税は非課税です。

しかし、印紙については、どこで購入をするかによって消費税の課税の可否が異なるのです。

印紙については、郵便切手類販売所等に関する法律で「日本郵便株式会社(以下「会社」という。)は、総務大臣の認可を受けて定める基準に従つて、郵便切手類を国内において販売し、及び印紙を売りさばくのに必要な資力及び信用を有する者のうちから郵便切手類を国内において販売し、及び印紙を売りさばく者(以下「郵便切手類販売者」という。)を選定し、郵便切手類の国内における販売及び印紙の売りさばきに関する業務を委託することができる。」

とされています。

この郵便切手類販売業者とは、郵便局と許可を得た印紙売りさばき所であり、その中にはコンビニエンスストアなども含まれます。

これらの郵便切手類販売業者から印紙を購入した場合には、その購入代金については消費税の課税対象外です。

一方、これらの郵便切手類販売業者「以外」からの印紙の売買取引については、消費税は課税対象となるのです。

ですから、金券ショップでの印紙の売買については、消費税の課税対象となります。

つまり、同じ印紙を取得するにしても、郵便局や正規の印紙売捌所で購入した場合、消費税の控除はできないのに、金券ショップで印紙を購入すれば、消費税の控除ができるということです。

免税事業者からの買取でも消費税が控除される

金券ショップでは、例えば、100円の印紙の取引を行う場合、消費税率10%分の10円が上乗せされて売買がなされることになります。

しかし、実際には、100円の印紙をそれ以上のお金を支払って買うということはほとんどなく、99円など額面を割った金額で売られているはずです。

金券ショップは、なぜ、そんなに安く売ることができるのか。

一言で言えば、売値よりも安く仕入れているからです。

印紙を金券ショップに売った場合、その販売代金には消費税が含まれているものとして、消費税の課税対象となります。

ところが、個人や免税事業者が多少の課税売上高が生じたとしても消費税の納税義務はありません。

ですから、売る側は、消費税込みで売ったという意識はあまりない。いらない印紙を額面の95%で買い取ってくれるならありがたいということろでしょう。

現在の消費税の請求書等保存方式では、相手が誰であるかは問わず、課税対象取引であれば、消費税の控除対象となります。

つまり、金券ショップは印紙を税込99円で売ったとして、そこに10%の預り消費税が含まれていたとしても、仕入代金95円にも10%の支払い消費税が含まれていたとして、消費税の仕入税額控除ができるので、消費税の納税をしてもちゃんと利益は確保できるのです。

インボイス方式後もリサイクルショップは例外

しかし、2023年10月から、消費税の仕入税額控除の計算方法については、請求書等保存方式からインボイス方式に変更になります。

このインボイス方式とは、一言で言えば、消費税の仕入税額控除の可否について、従来の「何に使ったのか」に加えて「誰に支払ったのか」についても考慮しなくてはいけないということです。

具体的には、適格請求書(インボイス)を発行できる者に支払ったものしか仕入税額控除ができず、このインボイスを発行できるのは課税事業者のみです。

つまり、インボイス方式になると、個人や免税事業者からの仕入れについては、消費税の仕入税額控除ができなくなるのです。

そうなると、金券ショップは、99円で売った代金には預かり消費税が含まれるものの95円で個人や免税事業者から買った代金については支払い消費税は含まれないものとされるので、9円(99÷1.1×0.1)の消費税の納税が必要になる。これでは、赤字になってしまうでしょう。

消費税インボイス方式導入で大打撃を受ける事業者|免税事業者の絶滅

ところが、インボイス方式には例外があります。

古物商、質店、宅建業者、リサイクルショップなどが販売目的で古物を取得したものについては、インボイスがなくても消費税の仕入税額控除が可能です。

つまり、インボイス方式なったとしても、金券ショップで購入した印紙については、消費税の仕入税額控除は可能だということです。

金券ショップとの取引は税務調査では悪意で見られる

確かに、印紙は、郵便局でなく金券ショップで買えば、消費税分だけ節税になるということですが、金券ショップとの取引は税務調査では厳しく見られることもお忘れなく。

その買った印紙をまた金券ショップに売ってその代金をポケットに入れているということもありますから。

なお、印紙は、一定期間ごとにデザインが変更されています。

印紙を貼り忘れていた契約書に、デザイン変更後の印紙を貼ると税務署から半笑いで「ご苦労さまです」などと言われますが、それでも貼ったほうがいいでしょう。

あー、よく見たら、金券ショップでは「デザイン変更前指定」で印紙を売っているんだな。3割もプレミアムついて。一体何に使うんでしょうね。

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