損益分岐点から見る「好きなことをして自由なお金と時間を手に入れる」ための最短ルート

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好きなことだけするのは、自由なお金と時間を手に入れるための近道?回り道?

「好きなことだけをしてお金を稼ぐ」「経済的にも時間的にも自由になれる」というのは
どんな時代であっても憧れの働き方の一つであり、それを実現している人たちの方法論が
書かれた自己啓発書がたくさん書店には並んでいます。

組織の中で中々自由に活動ができずに苦悩する方やそこから脱出し
フリーランスになりたての方が、特にそのような本に興味を持つのでしょう。

私自身は、たった3年間しかない勤務税理士時代も
上司の言うことをあまり聞かずに好き勝手に仕事をしていたので、
自由というもののありがたみが、あまりわかっていないのかも知れません。(汗

さて、今回は、自分の裁量で仕事を選べる様になった方が
「好きなことだけをして自由な時間とお金を手に入れるにはどうしたら良いのか」
ということを、税理士的な視点で「損益分岐点」に照らして考えてみようと思います。

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損益分岐点を引き下げるには固定費を下げて、限界利益率を上げる

まず、損益分岐点と言うのは、「利益が0になる時の売上高」のことです。
つまり、この損益分岐点以上の売上高があれば黒字になり、
損益分岐点以下の売上高しかなければ赤字になるわけです。
この損益分岐点を求めるには、固定費と限界利益の関係を理解する
必要があります。
固定費とは、売上高や生産量に関係なく発生する費用のことで、
人件費や家賃、支払利息が含まれます。

限界利益とは、売上高から売上に連動して発生する経費である
変動費を差し引いたものです。

この固定費というのは、売上高が0円でも発生します。

つまり固定費=売上高0の時の赤字額といえます。

そこから、商品やサービスが売れるたびに
限界利益分だけ赤字が解消されていき、固定費=限界利益となる
売上高が損益分岐点となります。

ここからさらに、商品やサービスが売れるにつれて
限界利益分だけ黒字になっていくわけです。

この損益分岐点は、赤字にならないための最低限度のハードル
ですから出来る限り低い金額のほうが良いでしょう。

では、損益分岐点を引き下げるにはどうしたらよいのでしょうか?

まず、損益分岐点では固定費=限界利益となります。

なお、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率と呼びます。

つまり、売上高✕限界利益率=限界利益となります。

そのため、損益分岐点では
固定費=損益分岐点の売上高✕限界利益率

となり、

損益分岐点の売上高=固定費÷限界利益率
となるのです。

ここから損益分岐点を引き下げるには

・固定費を引き下げる

・限界利益率を上げる

という2つのことが必要だということがわかるでしょう。

自由不自由分岐点を引き下げるには「不可欠なお金」を減らし、「時間給」を上げる

では、この考え方を「自由なお金と時間を手に入れるのに必要なこと」に
当てはめてみましょう。

まず、生活をしていく上でどうしても「不可欠なお金」というものはあります。

好きなことだけをして、やりたくないことはやらなくても
それが稼ぎ出せるのであれば理想的なことですが、
多くの場合はそうではないでしょう。

そのため、その「不可欠なお金」を稼ぎ出すまでは、
それほど好きではないこと、あまりやりたくないことであっても
仕事をしなくてはなりません。

その「不可欠なお金」以上に稼いだお金は「自由なお金」となる一方、
「不可欠なお金」を稼ぎ出すのに必要な仕事の時間が「不可欠な時間」、
自分に与えられた時間から「不可欠な時間」を差し引いたものが「自由な時間」
となります。

この自由と不自由を分ける時間が損益分岐点に例えるならば
「自由不自由分岐点」となるのです。
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では、どうしたら、「不可欠なお金」を出来るだけ少ない時間で稼ぎ、
「自由な時間」を確保する事ができるのでしょうか。

「不可欠なお金」は損益分岐点でいうと固定費となります。

では、限界利益率は何でしょうか?

稼ぎを限界利益とするならば、時間当たりの稼ぎ、つまり「時間給」となります。

ここから、「不可欠なお金」を稼ぎだすために費やす時間である
「不可欠な時間」を極力小さくするには

・「不可欠なお金」の金額を引き下げる
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・「自分の時間給」を引き上げる
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ことが必要になるわけです。

では、どちらを目指すべきでしょうか?

それは、その人のライフスタイルの問題であり、
どちらでも良いとは思います。

ただ、その人がもう時間給を上げる余地が少ないのであれば、
「不可欠なお金」の金額を引き下げるしかありません。

しかし、余程無駄遣いばかりしている人でなければ、
「不可欠なお金」の額を引き下げる余地は小さいので、
今より多くの「自由な時間」も「自由なお金」を得るというのも
中々難しいものになります。

一方で、時間給を上げる余地があるというのであれば、
そちらを優先した方が「自由な時間」も「自由なお金」もより
多く手にするチャンスはあります。

「不可欠なお金」を稼いだ後、更に「自由なお金」を優先して仕事を
し続けることも、「自由な時間」を優先して、
採算度外視の「好きなことだけをする」ことや他人の時間を買って
「やりたくないことをやらない」ことも、まさに自由なわけです。

そのためには、「自らのリソース(資源)を最も時間給が上がるように使う」
ということが不可欠です。

それがその人にとって自分の好きなことであれば理想的なことでしょう。

そうではなく、もし、好きなことでお金を稼ぐことができたとしても、
その人にもっと効率良くお金を稼ぐ能力があるとするならば、
そこには、実は経済的な損失が発生していることになります。

ですから、

・好き嫌いは別にして自分の時間給が最も高くなる仕事をする

・時間に徹底的にこだわり無駄な時間を極力減らす

・他人の時間を買ってでも自分の時間給を引き上げるようにする

ことで

・できるだけ短い時間で不可欠なお金を稼ぐ

・それ以降は採算度外視で好きなことをする

という優先順位で仕事をしたほうが、
「自分の好きなことでお金を稼ぐ」ことを目指すよりも、
結果的に「お金にも時間にもこだわらず好きな仕事ができる」
ようになる近道ではないのかと。

いくら、食べ歩きや旅行が好きだと言っても
それを仕事とするよりも、もっと時間給の高い仕事ができるのであれば、
その仕事で「不可欠なお金」を稼ぎだして、時間やお金を気にせず
自由に好きなものを食べ歩いた方が良いのでは?

まあ、好きなことだから自分の時間給が高くできることも多いし、
順風満帆に事業が伸びれば、その事業は楽しくて仕方がないものなんでしょうけどね。

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