-「手ガネ経営」で勝ち残る方法-
●利益よりもフリーキャッシュフロー重視へ
「決算書上は利益が出ているのに、なぜかお金がない!」
なぜそんなことが起きるのでしょうか??
それは「利益」と「資金」が必ずしも一致するとは
限らないからです。
そのことから、従来の損益計算書だけではなく、
最近では資金の流れを表すキャッシュフロー計算書が
作られる場合が多くなってきました。
でも、あれってちゃんと意味がわかりますか?[emoji:e-179]
よくわからないという人も多いでしょう。
今回は、そんな方には是非お読み頂きたい内容です。
●まずは、教科書的なキャッシュフロー分析法から
まずは、教科書的にキャッシュフロー分析法について
解説してみましょう。
「キャッシュフローとは、その言葉の通りお金の流れのことです。
実務上は、このキャッシュフローをその発生源泉別に
営業キャッシュフロー、
投資キャッシュフロー、
財務キャッシュフローに分けることが出来ます。
この営業キャッシュフローとは
営業活動から生じた資金の増減を表し、
投資キャッシュフローとは投資活動から、
そして財務キャッシュフローとは
借入金等の資金調達及び返済の差額を表しているのです。
その上で、この営業キャッシュフローと
投資キャッシュフローを加えたものを
一般にフリーキャッシュフローと言います。
このフリーキャッシュフローという
概念は非常に大切です。
なぜなら、これこそが、
企業が自由に利用することが
出来る資金に他ならないからです。」
どうでしょう?
このような説明でご理解頂けたでしょうか[emoji:e-3]
おそらく多くの方はイマイチピントこないでしょう。
では、そんな方のために
「吉澤式・誰にでもわかるフリーキャッシュフロー」
についてご説明致します[emoji:e-271]
きっと、小学生でも計算出来るはすですから。
●フリーキャッシュフローって結局何?
まずフリーキャッシュフローと言う
言葉だとイメージが湧かないですよね。
そこで私は面倒なのでこれを「手ガネ」と呼んでいます。
これが、会社にとって自由に使ってよいお金ということです。
要するに1年間頑張って会社はいくら
「手ガネ」=自由に使って良いお金を増やしたかを
知ることがキャッシュフロー分析の根本と言うことになります。
経営者としては、この会社が潰れないための
エンジンである「手ガネ」をどれだけ獲得出来たかと
いうことが最も重要視しなくてはいけないと言うことです。
それでは、どうやって「手ガネ」を計算すればよいのでしょう。
我々会計の専門家は、2期間の貸借対照表と
直近の損益計算書から精算書を作成し、
そこからこのフリーキャッシュフローを計算します。
しかし
「手ガネ」の金額を知るだけならば、
決してそんな面倒なことは必要ありません。
●誰でもわかるフリーキャッシュフロー計算式!
ズバリそれは、
現預金の増減-銀行借入金の増減=手ガネ
と言うことです[emoji:e-2]
どうです?
一気に自分で計算してみる気持ちになったことでしょう。
それではもう少し具体的に説明してみます。
まずは表1の例を見て下さい。
この手ガネの金額を算定するだけであれば、
決算書をすべて見る必要はありません。
見るのは、現預金の残高と銀行借入の残高だけで構いません。
まずは、2期間の現預金の増減に着目します。
現預金が期首と期末で1,000万円増加しています。
しかし、同時に借入金も800万円増加している
ことがわかるでしょう。
すると手ガネは1,000万円-800万円=200万円となり、
1年間一生懸命活動をして200万円の手ガネを
獲得したと言うことになります。
今度は表2をご覧下さい。
こちらは現預金が500万円減少しています。
しかし借入金が1,500万円同時に減少します。
すると手ガネは△500万円-△1,500万円=1,000万円
ということになるのです。
<表1> <単位:万円>
現預金 銀行借入金
前 期 末 500 1,000
当 期 末 1,500 1,800
<表2> <単位:万円>
現預金 銀行借入金
前 期 末 1,000 3,000
当 期 末 500 1,500
表1は現預金残高が増えていて、
表2は現預金残高が減っているため、
第一印象はなんとなく表1の方が
良い会社のように見えますが、
現実には表2の方が手ガネを多く獲得出来た
良い会社だったと言うことです。
もし、「なぜフリーキャッシュフローが増減したか」
という細かい理由を知りたい場合には、
現実にキャッシュフロー計算書を作成した
顧問税理士などから解説を受ければ十分でしょう。
経営者の方は「手ガネ」の金額だけを
常に把握しておけばとりあえずは十分です。
いかがですか?
難解だと思っていたフリーキャッシュフロー分析
も実は根本はそれ程難しいものでもなく、
「手ガネ」というものを会社の目標数値
とすることが十分出来るのではないでしょうか。