決算書特集-その15:見抜け!粉飾決算2-資金ベースを重視せよ!

◆資金ベースを重視せよ!
ほとんどの財務分析のテキストは
損益をベースにその会社の収益性等を判断しています。
しかしそもそもその数値が作為的に
作られたのであれば全く意味がありません。

それに対して、資金繰りは、
実際の預金残高に嘘がなければ、
そこから計算される資金繰りの状況は
比較的信頼度の高いものといえます。

銀行が融資の際に、いくらでも改ざんの出来る
試算表だけでなく、この資金繰り表も
同時に提出求めてくる
のは、このためです。
また、このことは、公共工事に入札をする際に
提出する経営事項審査の評価においても、
この粉飾しにくいキャッシュフローの概念
が多く取り入れられたことからも
明らかといえるでしょう。
そこから、決算書の信憑性が高くない場合でも、
会社の経営状態を比較的良く表している
指標を見つけ出すことが出来ます。
それは「経常収支比率」
というものです。




経常収支比率とは、
通常の営業活動からの経常収入と
それらを獲得するために支出した
経常支出との割合
で示されます。
この比率が100%を超えていれば
経常収入が経常支出を上回っているため
資金繰りは安定しており、
100%を切っていれば本業で
資金繰りが逼迫していることになります。
要するにキャッシュフロー計算書の
「営業キャッシュフロー」を見ればよいわけです。
もし取引先のこの比率が105%を超えれば優良企業、
95%を切ればかなり厳しい状況で、
それが3期続いた先との取引は
相当慎重に行わなければならないといえます。

なお、業績が急拡大しているときなど
一時的にこの経常収支比率が
悪化することもあるので、
できれば連続した分析をしたいところです。
本当は赤字なのに融資を引き出す
ために黒字にした場合、
売掛金や在庫を水増しする場合があります。
しかし実際の入金はありません。
このような状態だと
損益計算書から計算される経常利益率は黒字なのに、
キャッシュフロー計算書から計算される
経常収支比率が100%以下
ということになるのです。
このような状況であれば、
まず粉飾を疑ってみる必要があります。
もちろん、この算式にも限界はあります。
この指標1つで経営状態の
すべてがわかるわけではありません。
なお算式は
経常収支比率=経常収入/経常支出×100(%)です。
<まとめ>経常収支比率で「ホントの経営状況」をあぶり出せ!
えっ?もっと詳しく知りたいですって?
それでしたらこの本をお読み下さい。
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