作者は、BCG出身で、自らも多くの企業の再生を手がけ、
現在はミスミ社長の三枝匡氏。
この本の最大の特色は、企業変革に携わった自らをモデルにした
ビジネス小説の体裁をとりながら、戦略策定に関するノウハウを
実践的に説明していることにある。
BCG出身者による著書であるため、掲げられている理論の多くは、
経営学をかじった人であれば、おそらく一度はどこかで目にしたもの
かもしれない。
しかし、この本は、それらの理論が、現実の戦略立案の中で
どのように利用されているかが明確に出来る、
きわめて完成度の高い「経営戦略論の教科書」
です。★★★★★
経営学そのものが「机上の空論」であるという考えを
お持ちの方も多いだろう。
実は、私自身も中小企業診断士資格を持ちながらも、
「あんな理論なんて実務では役に立つわけがない」と
思っていた。
しかし、自分が独立・起業し、進むべき道がわからなく
なったときに、自分が立てた「事業コンセプト」に
立ち返ることで、とるべき戦略が見えてきたこともあるのだ。
そもそも本で読んだ知識がすべて実務に役立つという
ことなどあり得ない。
使える知識は、多くの本の中から
心に残ったワンフレーズずつを「薄紙を積み上げる」よう
にして吸収していくしかないということでしょうかね。
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