Categories: 遺言・相続

遺言特集-その3:なぜ遺産分割はもめるのか?

なぜ遺産分割はもめるのでしょう。
理由は「ミスマッチ」があるからです。
一つ目は「親子のミスマッチ」
これは、中小企業の事業承継の場面でよく見られます。
事業を引き継ぎ一緒に会社を運営していた子どもから見ると、
「名義は親父であっても、
あの財産の一部は俺が貢献してできたもの」
という自負があります。
ところが親からしてみれば、
「自分の事業を継がせてやった。
ゼロからこの事業を自分でやるよりははるかに恵まれている」

というように考えがちです。
このように親子間でも相続に関してミスマッチがあるのです。
そのため、このような意識のミスマッチを埋めることなく、
相続が発生してしまうと、
事業承継者とそれ以外の人の間で遺産分割に
関する争いごとが発生しがち
なのです。


二つ目のミスマッチは
「嫡男とそれ以外の兄弟のミスマッチ」です。
以前は、「家督相続」という言葉もあったように、
家の財産の散逸を防ぐため長男が財産の大半を相続し、
残りの人は「はんこ代」といわれるような
少しばかりの現金を持たされ祖遺産分割協議が
完了している場合も多かったと思います。
しかし、民法の「子供の間に相続分の差はない」
という考え方が浸透し、
バブルによって相続財産が生涯賃金を
大きく上回るようになった頃から、
そのような考え方ではなかなか相続はまと
まらなくなっています。

ところが、一方では冠婚葬祭の場面や墓の管理
などの場面では、何かと長男の負担が大きくなる傾向は
いまだに強く残っています。
どうも親はそれ程意識していないようですが、
実は長男とそれ以外の兄弟では、
期待していることも育て方自体も違っている場合が多く、
当然のことながら長男は
「その家の一家の長」という意識を持つことになります。

そうなると「財産の大半は自分が相続すべき」
という意識を持ちがちです。
しかしその他の兄弟は「あくまでも平等」であると思うため
ここでミスマッチが発生するわけです。
三つ目のミスマッチは
「親を扶養した人とそれ以外の人のミスマッチ」です。
老親と同居し最後まで看取った人は、
「この自宅は当然相続させて欲しいし、
それ以外の部分でも相続については
自分たちの努力を考慮して欲しい」

という考えを持つはずです。
もちろん多く人はそれらの考えを理解してくれるでしょう。
しかし、中には
「あの家族は親の年金で良い暮らしをした。
私は家賃の支払いで苦しんだのに、
あの家族はタダであの家に住んでいたのだ」

と言う考えを持つ相続人も決して少なくはありません。
「本当にそんな人はいるのか?」
事実、このような相談が最近多くなってきていますよ。[emoji:e-263]
「相手がこちらの努力をそのまま理解してくれるとは
限らない」
ことを理解して
おかなくてはいけないということですね。
と言うわけで、次回は
「なぜ遺言は必要なのか」という
テーマでお話をすることにします。

9割の人が間違えている「会社のお金」無料講座公開中

「減価償却で節税しながら資産形成」
「生命保険なら積金より負担なく退職金の準備が可能」
「借金するより自己資金で投資をするほうが安全」
「人件費は売上高に関係なく発生する固定費」
「税務調査で何も指摘されないのが良い税理士」

すべて間違い。それじゃお金は残らない。
これ以上損をしたくないなら、正しい「お金の鉄則」を
ヨシザワ マサル