著者はイスラエルの物理学者、エリヤフ・ゴールドラット。
この本はビジネス小説という形態とをとりながら
TOC(制約条件の理論)を展開しています。
その理論は、製造業中心に多くのビジネス分野で
役に立つものでしょう。★★★★★
小説形態なので読みやすいのですが、
理論を学びたいと思う側からすると、
やたらと出てくる家族とのもめ事は
あまり要らない気がします。(^^)
私がこの本を読んで強く印象に残ったのは2点。
一つは、一番弱いところである「ボトルネック」を見つけ、
一旦ボトルネックのキャパシティに合わせた上で、
ボトルネック自体の改善をすることが
全体最適に必要という点。
そしてもう一つは、
会社の目的は、
「お金を儲けること。
それ以外はすべて手段に過ぎないという点」です。
「会社の目的がお金を儲けること」という点は
肝に銘じたいものです。
売上の増大も、部分的な生産効率の向上も
果たしてそれが利益向上につながるかを
考えなくてはいけないと言うことでしょう。
さらにこれからは、少子化と団塊世代の大量定年、
さらに国が社会保障をドンドンと
企業に負担させてくることから、
人件費の相対的な上昇が予想されます。
その中を勝ち残るには、
年商よりも利益、
さらに言えば、
「その利益を何人で稼いだのか」という視点
での分析がより重要になると個人的には強く思うのです。
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か | |
エリヤフ ゴールドラット 三本木 亮 ダイヤモンド社 2001-05-18 おすすめ平均 |
さて、この「TOC理論を現実の
プロジェクトマネジメントに生かすには」
という視点で書かれた本もあります。
具体的には、建設業やソフトウエア開発業を
イメージしているようですが、
多くの仕事は
「仕事にかかる時間と原価はほぼ正比例」といってよいでしょう。
その中で利益を上げるには
「いかに短い納期で仕事を仕上げるか」ということ。
そのための「バッファの管理」と
「サバ読み」をするスタッフから
「いかにサバ取りをするか」という
具体的な管理方法をわかりやすく書いてあります。
「忙しい」が口癖のスタッフや
プロフェッショナルととりまとめて
一つの制作物を作らなくてはいけない
業務に従事している方には
是非読んで頂きたい本です。
★★★★★
CD‐ROM付 目標を突破する 実践プロジェクトマネジメント | |
岸良 裕司 おすすめ平均 |