◆役員退職金の課税のされ方
前回の最適役員報酬額の設定以外にもう一つ、
「税率構造の違い」を活用した「永久型節税」に
ついて説明致します。
会社が役員退職金を支給した場合、原則として
法人では支給した役員退職金が損金に算入されます。
つまり当然その金額だけ利益が圧縮されるため、
その支給額の約40%(中小企業で課税所得800万円以下の部分は約30%)
もの法人税負担が圧縮されることになるわけです。
もちろん、
退職金を受け取った役員には、
所得税の課税がされます。
それでは何の節税にもならないような気がしますが、
ここに「税率構造の違い」があるのです。
つまり、この退職金は、他の給与と異なり
(1)勤続年数に応じた控除が受けられた上に、
(2)課税標準が1/2にされ、
(3)他の所得と分離して税金が計算される
というとんでもなく有利な計算方法で
税額が計算されるのです。
ですから、個人所得税は課税されるものの
その負担はきわめて小さく、
全体の税負担を小さくした上で、
合法的に内部留保を作り出すことも
出来ることになるのです。
なお、これは、「税率構造の違い」と
言うことで紹介しましたが、
その違いを認めているのは「政策的な配慮」
ということもできるでしょうね。
特に手許資金もないのに、
1期だけ予想外の利益が計上されて
しまった企業では、
高齢の創業者やその夫人が役員に就任している場合、
これを機に役員を退職してもらうことによって
一気に納税問題が解決し内部留保を
確保できるというきわめて
有利な方法といえるでしょう。
5回に渡って「繰延型節税」と
「永久型節税」について
説明してきました。
次回は、最終回として「節税の本質」を
ズバリまとめてみたいと思います。
えっ、続きを早く知りたい?
それでしたら、是非こちらをお読み下さい。[emoji:e-319]
起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法