決算書特集-その17-見抜け!粉飾決算3-債務とP/Lのチェック法

◆買入債務の動きをチェックせよ!
買掛金と支払手形は、
まずは前期金額との実額の変動をチェックします。
これが前期と比較して急激に
減少している場合には、
最終月末分の買掛金や支払手形の一部を
故意に過少に計上している可能性があります。

同様に買掛金と支払手形の残高
を平均月商で割った「買入債務回転期間」
の三期間の変動を見て、
急激に回転期間が短くなっている場合は、
粉飾の可能性
があるといえます。
さらに、粗利益率が急激に
改善していれば、
まず「あ~、やっているな」
と思って間違いないでしょう。

期末買掛金を過少計上すると
その分消費税の納税額が
増加してしまうため、
在庫計上が可能な製造業や物販業
では在庫で粉飾をする場合が多く、
在庫のないサービス業では
この買掛金を操作しての
粉飾が行われやすい
といえるでしょう。
<まとめ>買入債務の回転期間が
短くなっていたら、
故意に未払分の計上をしていない場合も。
特に在庫を持たないサービス業では、
ここで粉飾する場合多し。


◆借入金の動きをチェックせよ
借入金については、
簿外で行われたものが社長借入金
として還流している場合
があります。
これは、脱税(逆粉飾)が
行われている場合にも
同じような現象が見られるため、
ここから、粉飾を発見することは
むずかしいといわざるをえません。
しかし、税金を支払うのが嫌で、
中には金利だけを損金としている
場合もあるのです。
年間金利を平均借入金残高で割ってみた
「平均金利」
を計算してください。
その金利が銀行借入の金利と
比較して異常に高額となっていたら、
簿外借入かあるいは高利での
借入を行っている場合がある
ので
一度計算して見ると良いでしょう。
この簿外借入金とさらに債務保証の発見は、
非常に困難です。

私自身もM&Aの事前調査等の際には、
「こっちは既に調べてあるのだから、
今のうちに言って下さい。
後から簿外債務が出てきた場合
すべて話はなかったことにしますよ。」
といいながら聞き出すという、
きわめアナログな手法で
相手から聞き出したものです。
<まとめ>借入金は、平均金利を算出せよ。
市中金利に比べてかなり高い場合、
簿外債務か高金利の融資を利用している場合アリ。

◆P/Lは営業外をチェックせよ!
P/Lは営業外損益をチェックします。
粉飾する場合、まず当期利益を決めるので、
それも見ても意味がありません。
「雑収入が経常利益の70%以上の場合、
粉飾の可能性が高い。」

といえます。
雑収入には、有価証券売却益や
関係会社からの手数料などが
考えられますがそれらの金額が
経常利益の大半を占めている場合には、
まず、実質的には赤字と思って
間違いないでしょう。
雑収入を計上して
何とか経常利益を出そうと
している場合が多いからです。
<まとめ>利益は、まず当期利益から決める。
雑収入が経常利益の70%以上だったら、
おそらく粉飾。
無理矢理利益計上したのだろう。

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