また、懲りもせず、誰も期待していないのに
税務ネタの続きです。
(ターバン野口の方がアクセスが多いし。[emoji:e-263])
前回「相続時精算課税制度は、ニーズに合う人は
非常に有用だが、多額の相続税負担が予想される
人は相当慎重に適用を」という話を
致しました。
今回はいつ財産を移転するのがコストが
最も安いのか
という視点でこの制度を
見てみます。
まず、多額の相続税負担が予想される人は
この制度が利用しづらいので、
今回は相続税負担がないか
僅少な人を想定します。
その人達の相続財産は、大きく分けると
1,不動産
2,現預金
3,自社株
4,その他
に分けられます。
そのうち、金額的にも割合も最も大きいのは
だいたい不動産でしょう。
「財産と言えば自宅と多少の
現預金」という場合も多いかも知れません。
では、仮に相続時に合算されても
相続税の基礎控除以下。
それだったら「自分の目の黒いうちに
贈与をしちゃって、もめ事を減らした方がよい」と言う発想にもなるでしょう。
これは、大変良いことです。
相続税の納税者は全体の5%のみ。でも遺産分割で
もめるリスクは、全員にあるのですから。
ただ、一つだけ注意しなくてはいけないことがあります。
それは、
移転のためのコストです。
結論から言うと実は
相続の時に財産を移転するのが
移転コストは最も小さくてすむ
のです。
例えば不動産を贈与した場合、不動産取得税という
税金が課税されます。
一方、相続で不動産を取得しても
不動産取得税は非課税です。
また、所有権移転の登録免許税も
贈与の場合は、2.0%なのに
相続の場合は、0.4%ですむのです。
また、財産が相続税の非課税枠以下であれば
不要であった申告が、
この制度を利用すれば贈与時と相続時の
2度にわたって必要なため、
その分税理士の申告報酬が必要となってしまいます。
(うちらはありがたいですけど[emoji:e-263])
一方、生前に贈与するメリットが税金上
発生する場合があります。
それは、賃貸用不動産を生前贈与することで
それ以後発生する収益そのものも移転できてしまう
ということです。
(預り敷金がある場合、負担付贈与となるので注意)
これにより所得分散が行われ家族全体の
所得税が軽減される場合もあります。
もし、生前にどの財産を誰に相続させたいかを
明示したいのであれば遺言を書くという
選択肢もあるでしょう。
ニーズを細かく分析して、コストを
比較しながら遺言と選択、あるいは組み合わせていくことが
必要と言うことです。
★ポイント 不動産の移転コストは相続時が最も安い!
次回は、「本当に生前に
贈与しちゃって良いのか?」という
視点からこの制度を見てみることにします。
アライアンスLLPセミナー
7/13(金)
マンダリンオリエンタル東京
<満席御礼>