親戚縁者や隣近所でも
「遺産相続でもめて大変だった」という話は、
多くの方がきっとどこかでお聞きになっていることでしょう。
私が関与させていただく案件の中でも、
4・5年にわたり係争が続く事例というは、
決して珍しいものではありません。
「遺産相続のトラブルなんて金持ちのものだろう。
うちには関係がないね」
多くの方は、周りで遺産相続のトラブルを見聞きしても、
そのように考えるのでしょう。
しかし、現実には遺産相続のトラブルは決して多額の資産を
持っている人だけの話ではありません。
むしろ「財産といえば自宅しかない」というような方の
相続の方がもめる例が多いのです。
では、なぜこれほどまでに相続はもめるのでしょうか。
話は変わりますが、居酒屋に行くと
「うち会社は俺のお陰で持っている。社長は何もわかっていない」
と大声を上げている人を見たことはありませんか?
ところがその社長は別のクラブで
「うちの従業員は何をやらせてもダメ。俺一人が働いているようなものだ」
と愚痴をこぼしていたりします。
実は、相続がもめるのも本質的にはこのようなことと全く一緒です。
つまり「意識のギャップ」が存在しているのです。
これらの意識のギャップの中でも、もっとも多く現れ、
遺産相続を難しくさせるものを
「相続における三大意識ギャップ」と名づけました。
その相続における三大意識ギャップとは
1.親を扶養した人とそれ以外の人のギャップ(=介護ギャップ)
2.長男とそれ以外の人のギャップ(=家督ギャップ)
3.事業承継をさせる人とする人のギャップ(=事業承継ギャップ)
3つです。
では、次にこの三大意識ギャップについて一つ一つ
見ていくことにします。