財産を殖やすのに特別に貢献したという人は
「寄与分」として相続時に考慮がされる制度はあります。
ですが、この寄与分が現実に認められる
例は多くはありません。
また、原則として法律上は
「親の面倒を見たというのは、
子供として当然のこと」と考えられています。
ですから、このことだけを持って
寄与分を主張することは難しいのです。
寄与分が認められた判例を紹介しましょう。
全体で2年4ヶ月、そのうち最後の6ヶ月は
完全に付きっ切りで介護なさった方がいます。
その介護は壮絶で、
介護をした本人が自律神経失調症になったほどです。
「この場合認められた寄与分は
いくらくらいだとお思いですか?」
合計でたったの120万円。
付きっ切りの6ヶ月が月9万円、
それ以外の期間は月3万円が
「通常の扶助を超える介護」と認められたわけです。
これでは、極論をすれば
「親の面倒を見たヤツが損をする」
と言うこともできるのではないでしょうか。
もちろん、損得で親の介護をし
ているわけではないでしょう。
しかし、もしこのような努力をきちんと
評価してあげたいと親御さんが考える、
あるいはきちんと評価してほしいと
相続人が考えるならば、
やはり遺言は非常に大きな意味を持つ
ことになるのです。