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有名プロ野球選手が、多額の交際費の支出を事業には直接関連性がないとして、修正申告を求められました。
税務調査では、追徴課税が求められるかは別として、交際費について、本当に事業に関連性があるのかはほぼ間違いなく見られる項目だと言えます。
また、交際費の額が税務調査を呼び寄せるトリガーとなることも多いです。
では、ぶっちゃけ、みんなどれくらいの交際費を支出しているのでしょうか。国税庁が公表している統計からその当たりを確認してみようと思います。
国税庁が公表している統計をベースにして計算した、資本金階級別、業種別の売上高に対する交際費の割合は次のようになります。
| 資本金階級 | 売上高に対する交際費の割合(%) |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 0.523 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 0.180 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 0.094 |
| 1億円超 10億円以下 | 0.060 |
| 10億円超 | 0.054 |
| 連結法人 | 0.046 |
| 全体 | 0.193 |
| 業種 | 売上高に対する交際費の割合(%) |
|---|---|
| 建設業 | 0.521 |
| 料理飲食旅館業 | 0.471 |
| 不動産業 | 0.438 |
| 化学工業 | 0.076 |
| 機械工業 | 0.103 |
| 食品製造業 | 0.104 |
| 農林水産業 | 0.223 |
| 鉱業 | 0.120 |
| 繊維工業 | 0.191 |
| 鉄鋼金属工業 | 0.156 |
| その他の製造業 | 0.191 |
| 卸売業 | 0.111 |
| 小売業 | 0.147 |
| 金融保険業 | 0.131 |
| 運輸通信公益事業 | 0.156 |
| サービス業 | 0.344 |
資本金1000万円以下の中小企業で全業種平均の売上高に対する交際費の割合は、約0.5%。
例えば、売上高が5000万円の会社で年間の交際費は約250,000円です。
人によっては、一日で飲んじゃうような金額ですよね。
実際にこの金額を超えたら、税務署が交際費の損金性を否認するなんてことはない。
あくまでも、その交際費の支出に事業関連性があるかどうかで判断され、関連性があれば、金額が業種平均に比べて多すぎると言う理由で否認されることはないです。
ただ、やっぱりこの交際費が売上高に比べて相対的に多い場合は、税務調査そのものが来るトリガーにもなります。
特にヤバいのが、次のようなケースです。
ぶっちゃけた話、交際費について、それは事業に関連性があるのかどうかというのは、判断が難しく、納税者が事業に関連したものだと主張するものを、税務署が100%事業関連性がないと否定するのは、骨が折れるのです。
税理士も無茶苦茶な屁理屈を捏ねて反論をしますから。
資本金が1億円以下の中小企業の場合、年間で800万円までの事業関連性のある交際費については、損金算入が認められています。
逆に言えば、年800万円を超える交際費は損金算入が認められていません。
そこで、年間で800万円を超えそうになると、本来は交際費として処理すべきものをなんとかして会議費などの別の勘定科目に紛れ込ませようとします。
税務署としては、事業関連性を否認するのではなく、その支出が実は交際費だと認定するだけでカンタンに追徴課税ができるので、税務調査のトリガーになりやすいのです。
特に見られるのが、タクシー代です。というのも、接待のために飲食店へ移動する際のタクシー代も接待のために要した交際費の一部だとされるからです。
これは、悪意がなくとも、多くのケースで旅費交通費として処理がされています。
なので、中小企業で年800万円弱からそれ以上の交際費が既に損金算入されている会社については、面倒な交際費の事業関連性を否定せずとも、これらのタクシー代を交際費だとすることには、税理士も反論の余地がないため、そこを狙って税務調査に来るわけです。
業種平均値などを超えた売上高に対する交際費の支出がすぐに否認されるわけではありませんが、やはり、あまりにも売上高に対する比率が高い場合には、これはいかんよとの啓蒙のためにも税務調査のトリガーになることがあります。
たとえば、個人事業主としての税理士に対する税務調査は、実はとても少ないです。一般には「一生に一度」程度しかないと言われています。
しかし、中には、私の友人の税理士のように独立して3年目で税務調査が入ったという者もいます。
その際、税務署員に「管轄内の税理士で売上高に対する交際費の割合が『××%(自主規制)』を超えている人が5人いると。そこに税務調査に行くが、その中でも、あなたがダントツに多いので、一番に来た」と言われたそうですから。
業種平均値以内でしか交際費の損金算入してはいけないというわけではありませんが、某プロ野球選手のようなことにはならないように注意しておきましょう。