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ボツ原稿に愛を込めて(≧▽≦)その5-すべてキャッシュバリューで評価せよ!



決算書作成のルール自体に
大きな欠陥があるといえます。
例えば減価償却。
多くの中小企業ではこの減価償却費は
税法で定められた耐用年数に
基づいて計算がされています。
しかし、現実にはこの年数よりも早く劣化
又は陳腐化することが多く、
処分時までスクラップでも
価値があることになっています。
そのため処分するまでは、
固定資産については、多くの場合市場価値
よりも高く評価されてしまいます。
つまり、本来であれば毎期固定資産も
時価算定をした上で評価
しなくてはいけないということなのです。

実は、問題はこれだけではありません。


最大の矛盾は「在庫」です。
現在の決算書を作成するルールでは、
在庫については買ったときの値段か
時価のいずれかで評価することになっています。
しかし、業績を判定する上では、
在庫についてはさらに
「すべて換金価値を基準」にして評価する
必要がある
のではないかと私は考えています。
苦労して販売をしたとしても
売掛金や受取手形を経て信じられないほど
長い時間をかけてやっと換金される
在庫商品を実際にお金に換えられない値段で
評価するのは明らかにおかしいことになります。
つまり、期末時点で在庫を
取得時の値段などではなく
「換金価値」で評価し直す
必要があると言うことでしょう。
実際に、民事再生等を申請する場合
にはこの貸借対照表はすべて財産
を処分して現金化できる金額に
置き換えた計算をもとに
「非常貸借対照表」が作られます。
この場合に評価される在庫など
簿価の1割程度となってしまいますし、
現実には特殊な商品の場合、
処分代の方が大きい場合すらあります。
さすがに、健全企業に
そこまでの評価は無謀かも知れませんが、
売れ残りのリスクや
回収までの金利負担等を考慮すると
在庫というものは
外部報告用の決算書とは別に、
常に購入額の70%程度に評価し直して
業績を判定する必要がある
のではないでしょうか。
試しに従業員に
「現金がないからこの在庫で
給料を支払うからね」と言ってみて下さい。
当然拒否されるでしょう。
それは、在庫が現金と同じ価値でない
ことをちゃんと誰だって知っているからなのです。
別の言い方をすると、在庫の多い商売とは
それだけ資金繰りが脆弱になりやすい
事業だと言うことなのです。
一方利益についても、
すべて手ガネを中心に考える
必要があると考えています。
つまり損益計算書よりも
キャッシュフロー計算書で
どれだけ事業で手ガネを獲得出来たか
を見る必要があります。
なお、その場合には、
役員報酬額が合理的な
内部留保を作成するために
算定されたものであるため、
そのままでは正しい判断は出来ません。
ではどうすればよいのでしょうか。
その場合、役員からの借入金の増減
を財務ではなく営業キャッシュロー
の一部に組み入れればよいことになります。
なぜなら、表面上計上された役員報酬額
と実際に生活費として引き出された
金額の差額が役員借入金の増加額として
計上されているからです。
また、現実にその表面上の役員報酬額を
きちんと個人口座に移転していたので
あれば、その個人口座にプールされて
いた資金を営業キャッシュフローに
組み入れてください。
このように考えると損益計算書は
キャッシュフロー計算書
に、
貸借対照表はキャッシュバリュー
にすべて置き直した上
で、
この経営分析をする必要があると
言うのが私の結論です。
★ポイント
・中小企業の決算書は、ほとんど歪められている。
 歪みを修整してから経営分析を
・利益はキャッシュフロー、
 財産はキャッシュバリューで評価することが
 中小企業にも重要


ああ、ちなみにこの記事も
8月31日発売の
「起業家のための手ガネ経営で勝ち残る法」
ボツ原稿です。(T T)
どう考えても、難解で一般の人は読みませんよね。[emoji:e-263]

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