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わからないことに投資をするな!

ほぼ月刊ワンポイントアドバイス<番外編>
近未来通信が「IP電話の中継局オーナーシステム」
という事業モデルで3000人以上の人から
約400億円をかき集めながら、
急にすべての事業所を閉鎖した
とのこと。
<参考記事>
IP電話の近未来通信、虚偽説明、投資勧誘(asahi.com)
多額の投資をしておきながら配当金の支払いが
停止されたオーナーは顔面蒼白でしょうね。[emoji:e-263]
さて、こんなことを書いてある本を見つけました。


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「何が何でも独立したい!」と意気込む割に、
実務経験の少ない起業希望の方は、
悪意を持った人にとっては、まさに
「牛が右手に鉄板、左手に焼き肉のたれをもって歩いている」
ようなものだろう。
「マルチ商法のことを説明しようとしているのか。
そんなのには引っかからないよ。」とお思いではないだろうか。
しかし、実際には、今までのものとは全く違う
「21世紀のビジネスモデル」などという説明に乗せられ、
未だにマルチ商法や悪質ネットワークビジネスにはまる
起業希望者は多い。
さらに、起業希望者や独立直後の方が
狙われやすいのはマルチ商法だけではない。
たとえば「悪質代理店ビジネス。」
これは、「当社の代理店になれば、簡単に独立が可能。
それほど営業努力も要らずに収益分配が受けられますよ。
ただし、加盟金を数百万支払ってね。」というものだ。
業種としては、勿論すべての業者が悪徳というわけではないが
古くは健康食品の販売や軽貨物輸送、
最近では通信事業関連などの一部にみられるようだ。
当然、代理店制度自体が悪いわけではない。
問題なのは、そのビジネスモデル自体は
主宰者が説明するほど儲かるものでないのに、
多額の加盟金や自動車購入、商品仕入を要求されることにある。
仮に主宰者の説明通りの収益が上げられなくても
「それはあなたの営業努力が足りないから」
の一言で片づけられ多額の先行投資が水の泡となる。
もっと悪質なのは明らかにそのビジネスモデル自体で
収益を上げるのではなく、
高額な加盟金を原資に収益分配が受けられるような
構造になっているものだ。

当然のことながら、代理店が増えてくれば一旦は、
新たな代理店からの加盟金によって収益分配財源が
多くなるので一定の収益分配は受けられる。
しかし、無限に代理店を増やすことはできないので、
今度は収益分配に必要な資金の方が多くなり破綻するのだ。
あくまでも個人的な意見だが、
派手な新聞広告をしているような所でも
「これはいつか破綻するんじゃないかな。」と感じる先もある。
やっていることは、マルチ商法と何ら代わりはないのだ。
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昨年10月の発売なのになんて鋭い指摘でしょう。
著者は誰だろう?
おや?
はじめての「独立・起業」なるほど成功ガイド

私の本でしたね。[emoji:e-263]
って、このビジネスモデルに問題があることは
誰でも知ってたことですよね。
ネットでは、かなり有名でしたし。
この本を書いているときも
完全に近未来通信のことを頭に描きながら、
怒られないようにぼかして
書いていただけですから。(^^)
被害者の方にはお気の毒ですが、この事件から
我々は学ばなくてはならないことがあります。
それは「自分が理解できない事業に投資をしてはいけない」
と言うことです。
被害者の傷口に塩をすり込むようなので、
あまりここには書きませんが、どう考えても
ビジネスとして成り立たないですよね。
そもそも「高配当で2-3年で投資金は回収できる」という
触れ込みだったようですが、それだと近未来通信は
金利に直すと50-33%の借入をしているのと同じこと。
そんなに儲かる事業なら近未来通信は
銀行から2-3%で資金調達をして自分で設備投資を
した方が遙かに儲かるわけで。[emoji:e-263]
はじめて新聞でこの広告を見たときに、
「これはないだろう。いいのかこんな広告を新聞が出して」と
思わずお茶を吹き出しましたからね。
新聞広告やテレビCM、プロゴルフ大会のスポンサー等
にまでなっていることを考えると
騙されてしまった人に確かに同情致します。
でも要するに、IP電話事業に関する知識と
ビジネスの基本構造さえ理解していれば
そもそも投資をするはずはなかったと
言うことです。
(やっぱり傷に塩を塗っている?
当事者の方にはすみません。
ただ紹介手数料をもらっていたのなら
もう被害者ではない気も。[emoji:e-263])
これは、フランチャイズでも同じことです。
もちろんフランチャイズシステム自体が
悪い訳ではありませんよ。
知名度と合理化されたノウハウの
習得には役立つと言うことはあるでしょう。
ただ、中には
「どう考えてもこんなに儲かるわけないでしょ」
という広告もよく見ます。
それを見抜くには、やはりその業での「経験」が
必要
と言うこと。
私のお客様を見ても、ほとんど例外なく
成功している人は
経験のある事業からの独立組です。

まずは、自分が理解できる事業、つまり
経験のある事業からの独立を考えることが
大切と言うことでしょうね。

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