決算書特集-その9:損益分岐点売上高とは

◆利益がトントンになる売上高はいくらなのか?
「一体、最低いくら売上高があればよいのか。」
お客様からこういうご質問を良く受けます。
1つの目安は「損益分岐点売上高」
ということになるでしょう。
損益分岐点売上高とは、
利益がトントンとなるための売上高
のことです。
もちろん、利益がゼロでよいわけはありませんが、
どのくらいの売上高があれば利益がゼロになるか
という数値を知ることは意味のあることでしょう。
この損益分岐点売上高を計算するためには、
費用を「変動費」と「固定費」
に分ける
必要があります。
この変動費とは、売上が増えるに
伴って増える費用
のことであり、
売上原価が代表的なものといえます。
一方固定費は、売上に変わらず
必要となる経費
で、人件費、家賃、支払利息など、
売上原価以外のほとんどの項目は固定費となります。
損益分岐点売上高は
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率として計算されます。
なお、この限界利益率は
限界利益率=1-変動費率(変動費÷売上高のこと)
となります。




例えば、売上高100,000千円で
変動費は売上原価80,000千円、
固定費は人件費等で合計15,000千円、
経常利益5,000千円の会社があったとします。
その場合の損益分岐点売上高は
15,000千円÷(1-0.8)=75,000千円となります。
つまり、年間75,000千円の時に利益が
プラスマイナスゼロになるということです。
この図から、ソフトウエア開発業のように
固定費が大きいが変動費の小さい事業は
固定費を回収した以上の売上高がある場合には
一気に利益が増加する一方、
売上が少ないと大損失になりかねません。

一方、屋台でたこ焼きを焼いている
ような事業の場合、
固定費は小さいので売上が少なくても
赤字にはなりにくいものの、
変動費が大きいため売り上げが伸びても
急激に儲かることはない
ことがわかるでしょう。
<まとめ>損益分岐点を分析することで、
あなたの会社の売上と利益の相関関係がわかる

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