「枠貸し」とは、一定金額の融資可能額の範囲内であれば、
利用者は金利だけを支払うことで
自由に元本を返済したりあるいは返済せず
にすむ融資のことです。
形式としては、「当座貸越」や「カードローン」
といった形で運用されます。
一方「証書貸付」とは、本来は、
融資金額、金利、返済条件が証書によって
定められた融資のことです。
ただ、「枠貸し」との対比で考えるならば、
「元本を分割して返済する融資のこと」ということもできます。
まるで根雪のように常に立替資金の必要な
卸売業や製造業であれば、本来元本の返済のない「枠貸し」の
方が利用しやすいといえます。
貸す側からしても、せっかく貸した元本が
勝手に返済されてしまうよりも
ずっと残高を持ってもらった方がうれしい。
ただ、一方で証書貸付の場合、借入金の返済が
遅れることでその会社の異常を察知できます。
しかし、枠貸しの場合、
何の変化もないまま融資枠全額を使い切って
ある日突然倒産ということが起きてしまいます。
ですから、この枠貸しは一般には
優良企業向けにされる場合が多く、
今日のように業績が悪化する企業や金融機関自体の
融資引き締め姿勢が強くなるときには、
この枠を縮小したり、証書貸付への変更を求められる
ことが多いのです。