金融検査マニュアルとは、
金融庁が定めた金融機関の検査をするための手引書のようなものです。
この手引書の中で、金融機関に対し融資先の厳格な資産査定が
要求されるようになったのですが、その前提として、
今までは金融機関ごとにまちまちであった
融資先の査定方法が一本化されたわけです。
ところが、この査定方法があまりに厳しく、このとおりに
査定をすると、ほとんどの中小企業が「問題のある先」と
なってしまったのです。
これは、金融機関にとっては、その分破綻したときのための
引当金の計上が必要になり、利益を圧迫するので、
中小企業向けの融資に消極的にならざるを得ません。
そこで、中小企業の現状を踏まえた中小企業独自の査定基準
を定める必要がでました。
そのために作られたのが
金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)といわれるものです。
そのポイントは、
1.会社と代表者を一体として評価すること
2.数字に表れない経営者の資質なども勘案すること
3.業種特性や経営計画の有無も勘案すること
というものに加え、その後の改正により
1.金融機関との取り組みが良好な場合には、その評価を尊重すること
2.実質的に返済が求められない代表者からの借入金を資本と評価すること
3.赤字や債務超過でもキャッシュフローなどにより評価すること
を認めるなど27の具体的事例を明示することで、
実質的に中小企業救済的な評価方法をとることが認められた
のです。
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