決算書特集-その3:損益計算書の意味と構造

前回の貸借対照表に引き続き
もう一つの重要な決算書である
損益計算書の意味と基本構造について
説明致しましょう。
◆損益計算書の意味と基本構造
別名P/L(Profit and loss Statement)
ともいわれるこの表は
「会社が一年間でどれだけの売上を上げ、
どれだけのコストをかけた結果、
どの程度の利益が上がったか」
を表しています。
なお、製造業の場合には、
この損益計算書の別表として
「製造原価報告書」というものが作られます。
これは、その製品を作るために
必要とした材料費や労務費、経費などから
「製造原価」をあらわすもので
コストリポート(C/R Cost report)ともいわれます。
では、損益計算書に戻りましょう。
この損益計算書では、
「利益=収益―費用」という形式であらわされるのですが、
この利益は発生段階別に五つの区分で表されます。




<損益計算書の基本構造>


具体的には
(1)売上総利益=売上高―売上原価
企業活動の原動力である
「利幅」をあらわしており、
「粗利益」とも言われます。
(2)営業利益=売上総利益-販売費・一般管理費
粗利益から人件費や支払家賃などの
販売・管理に必要な費用を
差し引いた利益をあらわします。
(3)経常利益=営業利益―営業外損益
営業利益から支払利息などを
差し引いた利益であり、
通常の事業活動全体の利益をあらわします。
(4)税引前当期純利益=経常利益―特別損益
毎期継続的に発生しない損益も
含めた1年間の利益をあわらします。
(5)当期純利益=税引前当期純利益―法人税等
税金の支払をした最終的な
1年間の利益をあらわします。
本来であれば、
当期利益だけわかれば
「どれだけ儲かったのか」は把握できます。
しかし、さらに発生段階別の利益を表わすことで、
費用の大きさなど
「どの部分に問題があるのか」
を知ることができるのです。

<まとめ>損益計算書は、
発生段階別に一年間でどれだけ
儲かったかを表わしている。

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