ほぼ月刊ワンポイントアドバイス<番外編>
アンゾフの「戦略経営論(Strategic Management)」の中で、
「アンゾフのマトリックス」と言うものが出てきます。
「市場」と「製品」を軸にそれぞれ「既存」・「新規」と分けることにより、
四つのカテゴリへと分類をしました。
このカテゴリごとに
(1)既存市場×既存製品:市場浸透戦略
(2)既存市場×新規製品:商品開発戦略
(3)新規市場×既存製品:市場開拓戦略
(4)新規市場×新規製品:多角化戦略
という四つの成長戦略をそれぞれ当てはめ、
長期安定的な成長のためには、
この4つの戦略をバランス良くとる
ことが重要と言うことのようですね。
このアンゾフのマトリックスをパクって、
いや大いに参考にして私が作ったのが
「手ガネマトリックス」[emoji:e-263]
マトリックスの軸は「顧客」と「商品」、
それをやはり「既存」と「新規」に分けて
4つのカテゴリを作ることにします。
(1)既存顧客×既存商品
(2)既存顧客×新規商品
(3)新規顧客×既存商品
(4)新規顧客×新規商品
この中で、最も手っ取り早く
手ガネが増えるのはどれだと思いますか?
実は、上のマトリックスは
「一体どの戦略が最も手っ取り早く手ガネを
増やすか」を表しているマトリックスなのです。
よく言われることに「新規顧客獲得のコストは
既存客に再販売するコストの6倍かかる」という
ものがあります。
これは、そんな小難しいことを言わなくても、
少しでもセールスをしている人なら体感をして
わかっていることでしょう。
新規顧客を獲得するくらいなら、既存顧客に
商品を追加で買ってもらう方が遙かに楽ですよね。
つまり、答えは、(1)(2)(3)(4)の
順に増えると言って良いでしょう。
ですから、もしあなたの会社が業績不振で
手許資金が枯渇し気味であるならば、
力を注ぐべきは、
「既存顧客にもっと買ってもらうにはどうしたらよいか」
「疎遠になった既存顧客を掘り起こすにはどうしたらよいか」あるいは、
「既存顧客に販売できる周辺商品はないか」であり、
何とかとりあえず資金繰りを建て直す
ことが先なのではないでしょうか。
それなのに「既存商品はもう力がない。
新製品開発で新市場を開拓する!」
なんて人が意外に多いものです。
(その前に、既存顧客に「紹介してくれ」って
言った方が早いはずなんですけど、
それはやりたがらない。[emoji:e-263])
これだと、完全に先行投資となり当面の手ガネは
マイナスになるはずです。
元々手許資金が枯渇気味なのに、これでは
自分で自分の首を絞めているようなものですよね。
と言うわけで、それらをまとめた「手ガネマトリックス」をどうぞ。
ひょっとして100年ぐらいしたら、
経営学の教科書に載ったりして。[emoji:e-413]
無理ですか。そうですか。[emoji:e-263]
あと、実は、フィリップ・コトラーの
「顧客離れを5%防ぐと、利益が25%~85%増加する」と言うのも下敷きに[emoji:e-263]
言われる前に言っておこう。
<参考文献>
起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法