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【長編】なぜ夜中まで働いてもカネが残らないのか:その3

3、あなたの評価は、会社の看板をはずしても有効なのか
プリンターで自作をした名刺を片手に、
早速得意先を回る。
まずは、以前から私のデザインを
高く評価してくれたまずは「シオックス」。
渋谷の中心にある
「ティーンエイジャーの情報発信基地」ともいえる
総合アパレルショップだ。



10分ほど待たされたあと、バイヤーの鈴本新一さんがやってきた。
彼は俺のことを覚えてくれていたようだ。
「鈴本さん、突然なんですけど、
実は、私は先日エムズを退職しまして。
それで、今度はこんな会社を立ち上げてみたんですよ。」
「えっ、そうなの?」
鈴本の顔が明らかに曇った。
長い沈黙の後、
いや自分にはそう感じただけかもしれない。
鈴本が口を開いた。
「エムズとは長いつき合いだからね。
すぐに吉田さんとつき合えるかはわからないよ。」
拓海の顔はゆがんだ。
そんな拓海の表情を読み取ったのか鈴本は、
優しくこう言った。
「でも、吉田さんは若くてセンスあるし。
何か良い企画があったら持ってきてよ。
そのときは応援しますから。」
鈴本は、「次の会議がある」と言い残し
わずか5分ほどで会議室を背にした。
ちょっと鈴本さんの表情の変化は気になるが、
みんな俺のことを評価してくれているじゃないか。
この調子で、今まで取引をしていた会社を回っていこう。
しかし、拓海の足取りは訪問先を
増やすごとに重くなっていった。
エムズ時代はすぐにでも時間を取ってくれた人たちが、
まるで判を押したように「担当者不在」という返事なのだ。
中には、一緒に酒を飲みながら
「早く独立した方が良い」と言ってくれていた人までいたというのに。
だんだん不安になってきたな。
これでシオックスにまで相手にされなかったら
大変なことだ。
でも、よく考えればシオックスの鈴木さんの方が、
むしろ私の仕事には厳しい意見をいうほうだったな。
まあ、「応援する」といってくれたし。
何事もプラス思考でいかないと。
★ポイント 自分から会社の看板をはずしても評価されるよう、
自己投資・自己鍛錬を常にしておくべき
【編集後記】
今週の週刊ダイヤモンドで、勝間和代さんの知的生産革命が
なんと巻頭32ページの特集に!
週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号 [雑誌]

まだまだ売れますな。マジで歴史的な名著になってきましたね。
この特集で、ご本人も目指しているような
「ビジネス書ブーム」が来てくれるといいんですが。
ただ、今月末に私の本が出るので、
そのときだけでもパワーが落ちて頂かないと。
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

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「人件費は売上高に関係なく発生する固定費」
「税務調査で何も指摘されないのが良い税理士」

すべて間違い。それじゃお金は残らない。
これ以上損をしたくないなら、正しい「お金の鉄則」を
ヨシザワ マサル