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Macに替えてから、既に4台乗り継ぎ、もう7年ほど使用しています。単純にその操作性が快適だからで、別にスタバで仕事などしません。
税理士がもっともよく使うのは会計ソフトや申告ソフト。
ただ、これらはたいていMac版がないので、Macで使用するには、無理やりParallelsのようなエミュレーションソフトを入れてWindowsを動かす必要があります。
それでとりあえず支障なく会計・申告ソフトやWindows版のOfficeも動きますが、実際には微妙にできないことがあり、Officeのヘビーユーザーであれば素直にWindowsを使ったほうが良いと思います。
それでもあえてMacを使い始めたのは、MacのプレゼンソフトであるKeynoteを使いたかったから。
ところが、最近ではKeynoteを使うのをやめてWindows版のPowerpointに全面的に切り替えました。
なぜ、そうしたのかを今回はお話します。
Keynoteを使い始めたのは、小山龍介さんにうちでセミナーをしていただいた時に使用していたKeynoteがすごくカッコいいなと思ったから。
そのアニメーションやフォントの洗練さが、自分の使っている当時のパワポとは段違いで、どうしてもKeynoteを使いたくて、まずは「Keynoteによるプレゼン専用機」としてMacBookを買いました。
それがMacBookとWindowsノートを二台並べていたら、いつしかWindowsノートを開くことがなくなり、気がついたらすべての作業をMacBookでするようになっていたのです。
巷では「外資系」を謳う、ExcelやPowerpointでの提案書作成術の本がいくつも並べられベストセラーになっています。
そこで、我らアライアンスLLPでのセミナー「やってみてわかった!ホントに役立つ仕事術・時間術」の今年のテーマとして1年間これらの本に書かれたことを実践してみてどれだけ提案書作成スキルがアップするのかを検証してみることにしたのです。
しかし、これらの本に書かれていることは、すべてExcelとPowerpointがベース。外資系ではそれらしか使わないので当然です。
Keynoteだけを使っていたのではその検証ができないので、KeynoteをメインにPowerpointと併用して使うようになりました。
その時の使い分けは、大きく分けると「セミナー・講演はKeynote、印刷前提の提案書はPowerpoint」というものでした。
ところが、実際に使ってみると、意外にもPowerpointが進化している。
ぶっちゃけ機能的には、KeynoteにできてPowerpointにできない機能はマジックムーブくらいで、後はほとんどPowerpointで同じことができるかむしろ上回っているくらいなのです。
講師として招かれたセミナーや講演会では、会場や機材は主催者さんが用意してくれます。
Windows版のPowerpointあれば、そのファイルをそのまま送っておくだけで、主催者さんが準備をしてくれたWindowsノートを使って講演が可能です。
もちろん、MacBook自体どこにでも持参しているので、別に自分のMacBookを使っても良いのですが、古いプロジェクタなどでは、特に新しいMacBookだとうまく機能しないことがあります。
そのため、バックアップとしてPowerpoint形式のファイルを事前に送付しておく必要があるなど、主催者さんに無駄な手間と不安を与えることに。
複数の講師の連続しての講演会だと、自分だけ機材をMacに替えて、またさらに戻すという面倒くさいことまでやってもらわねばなりません。
そう考えると、わざわざ他人に不安を与え、講演でトラブルが発生するリスクを背負ってまでKeynoteを使う理由はないのではと思ったのです。
Keynoteを使いたいと思った理由は、マジックムーブをはじめ、その洗練されたアニメーションが使いたかったから。
一方、Powerpointでもアニメーションのバリエーションは増えて遜色は無いレベルになってきています。
ただ、「外資系提案書作成術」や「他人に伝わりやすい企画書作成術」の本を見ると、もれなく「アニメーションは使うな」と書いてあります。
無駄なアニメーションの印象だけが残って、本来伝えるべきコンテンツが伝わらなくなるのです。
確かに、私も講演の内容以上に「あのアニメーションカッコいいな」ということばかり記憶に残っていたわけですから。
別にカッコいいプレゼンをする人として評価されたいわけではなく、そのコンテンツを確実に聞き手に届けこちらが望む行動をしてもらうことが講演をする目的なので、私もアニメーションは使わないことにしました。
結果的にKeynoteでないといけないという大きな理由の一つがなくなったわけです。
Macが好きな大きな理由の一つは、そのフォントが洗練されていてきれいということです。
しかし、これまた他人に伝わりやすい企画書作成術を見ると「日本語フォントはメイリオ一択」となっています。
以前はヒラギノ角ゴやHGP創英角ゴシックなどをつかっていたので、最初はなんだかインパクトがないなと思っていたのですが、メイリオは太字との差もはっきりしていて読みやすいフォントだと思うようになり、Macのフォントでなければダメだというこだわりはなくなったわけです。
説得力のある提案書を作るのには、その根拠となる数字が重要です。
その数字はExcelで作成したシミュレーションやグラフを用いることがほとんどです。
それらを貼り付ける際には、当然Windows版のPowerpointのほうが段違いにスムーズです。
この差はかなり大きいです。
意外と奥の深いExcelでのコピペをスムーズに行うために知っておきたいこと
(Mac版のPowerpointもできないことが多いので注意)
Mac版のExcelは2016になってやや改善しましたが、未だにWindows版の簡易版であるので、ExcelはWindows版を使うのであれば、絶対Windows版のPowerpointを使ったほうが良いでしょう。
MacでOffice365を使うならWindows版とMac版どっちを使えばいい?
提案書だけではなく、WEB用の図版などもKeynoteで以前は作っていましたが、Powerpointに比べるとその機能があまりにも貧弱です。
チョット複雑な概念図などを作ろうとすると両者の差は歴然と出ます。
最初は意味ないと思っていたSmartArtも慣れてくると、概念図のテンプレートとして使えるものも増えてきました。
作成にかかる時間もあきらかにPowerpointのほうが早いです。
元々スティーブ・ジョブズが自らのプレゼン用に開発したと言われるKeynoteなので、投影のための機能に特化していて、印刷して配布するということにはあまり力が入っていません。
そのため細かい印字設定ができないばかりか、1枚に2シートを印字するような簡単な設定でさえ印刷がずれるなど、印刷してレジュメや提案書を配布するには向いていないことがわかります。
MacLoverなので、当初は「あれ?なんかKeynoteおかしくね?」と思った時にも「いや、これでいいんだ。PowerPointなんかよりずっとこっちのほうがいいはず」なんて思ってましたが、「どう考えても自分の使い方ではPowerpointのほうがいいだろう」と一度思い始めると、あとはKeynoteのアラばかりが目につくようになりました。
ラブラブの頃には恋人への他人の悪口には強く反論していたのが、冷静に見えるようになると違和感を覚え、別の人のほうがよく見えるともう悪いところしか目につかなくなる。
恋愛感情と全く同じですね。
一度冷めたKeynoteへの恋心が戻ることはなさそうです。