免税の時の課税売上高判定方法|税込?税抜?そして法人と個人事業の違い

基準期間の課税売上高が1000万円以下は消費税免税だが

基準期間(課税期間の2期前)の課税売上高(消費税の対象となる売上高等)が1000万円以下であれば、原則としてその課税期間の消費税の納税義務がないことになっています。

課税売上高が1000万円以下であれば消費税の納税義務がなかったものが、ほんの少し売り上げが増えて1000万円を超えてしまうと消費税の納税義務が生じ、むしろ”手取り額”は減ってしまうなんということも。

では、その課税売上高の金額は税込・税抜どちらの金額なのでしょうか。あるいは、年の途中で事業を開始したときはどのように計算をするのでしょうか。

そこで、今回は、消費税の免税や簡易課税適用の可否を判定する際の「基準期間の課税売上高」の計算方法についてまとめてみることにします。

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課税売上高は税込?税抜?

消費税の税率が8%や10%となってくると、その売上高を税込で判断するのか、税抜で判断するのかによりその結果は大きく変わってきます。

では、消費税の納税義務はどちらで判断をするのでしょうか?

1.その基準期間が消費税の納税義務がない場合

消費税の納税義務がない期間については、その取引金額に消費税額は含まれていないものとされるので消費税の経理処理などする必要はありません。

そのことからも、その基準期間について消費税の納税義務がなかった場合、その基準期間の課税売上高については税抜に直すことなく税込のままの金額により課税期間の消費税の納税義務の有無を判定します。

仮に税抜により無理やり経理処理をしたからといって、税抜により課税売上高を判断することもできません。

つまり、もし第一期(基準期間)に消費税の納税義務がなく、課税売上高(税込・消費税率8%)が1080万円だった場合、その金額により判断をするため、第三期(二期間後)については消費税の納税義務が生じることになるのです。

2.その基準期間が消費税の納税義務がある場合

消費税の申告は、税込で経理処理をしていても、税抜で経理処理をしていても、最終的には税抜の金額をベースに申告をすることになります。

そのことからも、その基準期間について消費税の納税義務があった場合、その基準期間の課税売上高を税抜にしたものの金額により課税期間の消費税の納税義務の有無を判定することになるのです。

例えば、第三期の課税売上高が1080万円(税込・消費税率8%)であったとすれば、その税抜金額は1000万円となり、その期を基準期間とする第五期(二期間後)については消費税の納税義務は生じないことになるのです。

基準期間において免税事業者であった者の課税売上高の判定|タックスアンサー

基準期間が1年ではない場合

新規開業当初や法人の決算期変更によっては、その基準期間が1年とならないことも多いもの。

その場合の課税売上高の判定は、実は法人と個人事業では大きく異なるのです。

1.法人の場合

法人の基準期間が1年に満たない場合には、「1年相当に換算した金額」により判定することとされています。

具体的には、基準期間中の課税売上高を、基準期間に含まれる事業年度の月数で割った額に12を掛けて計算した金額により判定します。

1年相当に換算した金額=基準期間の課税売上高☓12/基準期間に含まれる事業年度の月数

では、月の途中で事業が開始された場合はどうでしょう。月数は暦に従い計算をし1月に満たない端数は1月としてカウントすることができます。

例えば、基準期間となる事業年度が8/20から3/31であった場合、基準期間に含まれる事業年度の月数は9ヶ月とすることができるということです。

なお、事業年度(決算期)を変更した場合には、ちょっと注意が必要です。

基準期間については、「事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」とされています。

「当期の2年前から1年間に開始した事業年度すべてが対象」となるので、その期間内に2期連続で事業年度を変更すれば12ヶ月よりも長いこともありえます。

一般的には、12ヶ月よりも短くなりますが、いずれにせよ、やはり「1年相当に換算した金額」により判定をする必要があるのです。

納税義務の免除|タックスアンサー

2.個人事業の場合

個人事業では、年の途中で新規開業したとしても、その年を基準期間として消費税の納税義務を判定する場合、そのままの課税売上高により判定をすることができます。

1年相当の金額に換算しなおして判定をする必要はありません。

ですから、例えば12月に新規に個人事業として開業したその年の課税売上高が500万円であったとしても、その期間を基準期間とする2年後の課税期間については、原則として消費税の納税義務はないのです。

なお、個人事業から法人化した場合、あくまでも個人と法人は別人格なので、個人事業時代の課税売上高を判定に含める必要はありません。

また、これらは簡易課税の適用の可否(基準期間の課税売上高が5000万円以下に適用)についても同様に取り扱われます。

「課税売上高が1000万円以下ならば消費税は免税」と一言でいっても、税務は複雑でなかなか奥が深いものですね。

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