【これにて終了】国税庁が改正電子帳簿保存法の対応方針を全国税局に指示

結局やれる人がやればよいだけに

メールで送付されてきた請求書やネットでの決済などの「電子取引データ」の保存方法を厳格化するという「改正電子帳簿保存法」

実施時期が令和4年1月から令和6年1月へと延期されましたが、その間にドンドンと当初の話からは後退し、実質的には、「やれる人がやればよい」というところに落ち着いています。

しかし、Youtubeをはじめとする、SNSでは、アテンションを集めようとする人が、必要以上に「電子帳簿保存法はマジでヤバい」と煽ったためか、未だに、誰もが対応をしなくてはならないものだと思っている人もいます。

そんな中、週刊税務通信NO.3799で、電子取引データ保存の取り扱いについて、国税庁が全国税局にその調査対応等を指示した旨を報じております。

そこで、今回は、改正電子帳簿保存法について、税務調査ではどのように取り扱われるのかについてまとめてみようと思います。

改正電子帳簿保存法の猶予措置とは

令和6年1月1日以後の電子取引データについては、その保存要件が厳格化されていますが、一定の要件を満たす場合には、「猶予措置」が講じられています。

(1)検索機能不要措置の対象者が売上5000万円以下に拡充

保存された電子取引データについては、税務署員がスムーズにチェックができるよう検索機能を付与することが必要とされていましたが、判定期間の売上高が「1,000 万円以下」の事業者については、その検索機能は不要とされ、調査官の求めに応じて電子取引データのダウンロードに応じられるようにしておけば、実質的に今まで通りの保存方法が認められていました。

その検索機能不要の対象者が、判定期間の売上高が「5,000 万円以下」の事業者に拡充されたのです。

(2) 猶予期間が実質的に恒久化

令和6年1月以降も「相当な理由」があれば、引き続き、実質的に従来通りの保存が認められました。

その「相当な理由」とは、「金がない、人が足りないから、準備が間に合わない」でもよいとされることから、実質的には「やれる人がやれば良い」ということになったわけです。

猶予措置での保存方法

では、対象の「猶予措置」の適用を受ける場合、どのように保存する必要があるのでしょうか?

検索要件等の充足が不要となる「猶予措置」については、出力書面の保存のみをもって電子取引データの保存を行っているものとは扱われません。

電子取引データ自体を保存するとともに、その電子取引データ及び出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている必要があります。

出力書面の提示等は基本的にはディスプレイ画面にて確認

猶予措置の適用には、電子取引データの出力書面の提示等に応じることが必要とされていますが、調査等では毎回、書面に出力することが必要なのでしょうか?

調査等で電子取引データの出力書面の提示等を求めることになっている場合でも、調査先等の業務における使用状況等に配意し、過度な負担を強いることがないように、基本的にはパソコンのディスプレイ画面で整然とした形式及び明瞭な状態での表示により確認することとされています。

つまり、ネット決済のメールなどを一々ダウンロードする必要はなく、求めに応じて、ログインをして、利用履歴を確認できればよいということです。

相当な理由の有無の確認

電子取引データ及び出力書面の提示等の求めに応じることができるようにしているとして、「相当の理由」の有無の詳細な確認を本当に税務調査で求めることがあるのでしょうか?

調査官が、納税者の電子取引データ及び書類の保存状況等から、電子取引データ及び出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしていると判断できた場合は、必ずしも詳細な「相当の理由」の有無を確認しなくてもよいことになっています。

要するに、誰だって猶予措置が使えるということです。

軽微な要件不適合は改善指導に留める

では、保存要件に従い電子取引データを保存していない場合はどうなるのでしょうか?

保存要件に従って電子取引データが保存されていない場合、その電子データは国税関係帳簿書類としての保存書類とみなされないため、保存すべき書類が保存されていないことになります。

ただし、調査等においては、軽微な要件不適合に関して追及は行わず、改善の指導に留めるようです。

はい、出ました。インボイスの時と同じですね。現場の税務署に対して、「間違っていたとしても指導に留めろ」と言っているわけですよ。

実際に、今年になっての税務調査のときに、税務調査員に「電子帳簿保存法、どうするのよ?」と聞いてみても、みんな苦笑いでやる気なんかまったくないですから。

こんな「お前らグダグダ言うから電子帳簿保存の要件緩和するけど、だからといって改ざんしたらダメだぞ」という単なる警告に過ぎない法律に一体何をそんなに大騒ぎをしているのでしょう。

その趣旨を理解していれば、「大変だ、大変だ」といって大騒ぎをしては、「緩和された、緩和された」とまた大騒ぎをするというマッチポンプになるはずはないんですがね。

ここまで、税務署が言っているのですから、もうインボイスの事務負担や改正電子帳簿保存法で大騒ぎをするのはやめましょう。

ああ、騒いでた人ほど、すっかり忘れて、もう別の話題で騒いでるのか。

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予想通り、改正電子帳簿保存法による電子取引データ保存の厳格化は不要になりました