やってみてわかった!全自動のクラウド会計ソフトfreeeが向いている人、向いていない人

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■freeeって何?
今話題の全自動クラウド会計ソフトfreeeを遅まきながら試してみました。
freeeとは元Google社員の方が開発した会計ソフトで、
・預金やクレジットカードのオンラインデータから自動で仕訳が作成される
・クラウド上でデータの管理、決算書等の作成ができる
・3人までデータの共有が簡単にできる
・Macでも処理が可能
など、いわば従来の市販会計ソフトの不満をついたような新しい会計ソフトです。
このソフトをいじってみて、どんな人に勧めるべきかを考えてみました。

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■フリーランス、小規模企業向きか
結論から言えば、このfreeeは「うまく使えば」実用的ですし、
「合う人が使えば」非常に良いソフトだと思います。
freeeの使用方法や運用方法について書かれた書籍も読んでみましたが、
想定されているのはやはり、フリーランスや一人法人規模の企業のようですね。
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~全自動クラウド会計ソフト「freee」で仕訳なし・入力ストレス最小限!

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登録をすることで、のちの処理が自動化されるのであれば、
別に取引件数の多い企業であっても利用は可能だとは思うのですが、
実際に私が関与させて頂いているような企業で利用している姿が
今ひとつイメージ出来ません。
すべての取引銀行について、毎月多額のネットバンキング手数料を払うというのも
どうかとは思いますし、手形小切手はどうするのかとか、クレジットカード使用分について、
引き落としになった時点で損金にするという考え方も個人的に馴染めません。
まさか、ネットバンキングの出来不出来で取引銀行を選ぶというのは、
資金調達上もありえないですし。
もちろん、部分的にでも自動化出来るのであれば、その効果はあるので、
後は自動化できない部分の処理をどう考えるかだとは思いますが。
やはり、経理処理を「国が定めたことを最低限クリアするために渋々行うもの」
という考えにもとづいているのだと思います。
確かに、フリーランスや一人法人などであれば、その考え方のほうが
合理的だと思うので、規模的にはそのような方に導入を検討してほしいと思います。
■自動で仕訳作成されるのは素晴らしい
ネットバンキングやクレジットカードのデータから勘定科目を予測した上で、
一度自動化することを選択すれば、その後ネットバンキング等に入出金があった際に
同じ取引について自動で仕訳が出来る機能は素晴らしいと思います。
入力操作についても、WEB上に書き込むので、PC内のデータに直接書き込むよりは、
ややモッサリ感はありますが、Gmailなどとそれほど変わりはありません。
コード番号などでガンガン入力をしてスピードアップを図るというタイプの人には
おそらく馴染めないでしょうが、そもそもそういう仕事のスタイルを否定しているのだと
思うのでそれは致し方無いでしょう。
■一体誰に勧めようかな?
さて、ひと通り使ってみて感じたfreeeが向いている人を一言で言うと
「面倒くさいことは、先にちゃんと処理すればあとで楽になる」ということを
理解できている人かなという気がします。
つまり、面倒くさいことは嫌いだといいながら、日々ルールに従って
作業を積み上げられるような几帳面な人ではないかと。
なんでも三日坊主で終わってしまったり、領収証の整理を確定申告期限まで
先送りしてしまう「本当の面倒くさがり屋」には向いていないと思います。
だって、自動化するための登録が面倒で先送りしてしまいますから。
そういう本当の面倒くさがり屋は、結局会計事務所に「自分のfreeeを使って
経理処理をして欲しい」と依頼することになるでしょうね。
つまり、freeeに向いている人は
・規模的には、フリーランス、一人法人程度の小規模企業
・得意先、仕入先がほぼ固定
・税理士事務所のように毎月の顧問料が一定だとなお効果を発揮
・最初に面倒なことをすれば後で楽になることを理解してそれを実践できる
という人だと思います。
■このままfreeeが伸びるかはわからない
結論から言うと、あえて弥生会計からfreeeに変えたほうが良いと
アドバイスするような先は、今の自分の関与先にはなさそうですね。
私自身が利用するかと言えば、魅力的な機能も多いのですが、
わざわざ一社だけ他のシステムを利用するのも正直面倒です。
研究事例として使うことはあるかもしれませんが。
期待するのは、早く弥生会計がクラウド化してMacでも同時編集できるようになり、
ネットバンキング等から仕訳の自動生成が出来る機能がつくことです。
そうなった時にfreeeがどうなるのかはよくわかりません。
機能的にはそれほどハードルが高いものに見えないので、
大手ソフトメーカーがやる気になったら出来てしまうような。
なんとなく、ブロバイダの先駆けだったベッコアメや
ADSLのベンチャーだった東京めたりっく通信を思い出してしまうのですが。
逆にfreeeが会計事務所の主戦場である中小中堅規模の企業でもこちらのほうが良いとなる前に、
会計ソフトメーカーは早めに対応しないとマズいんじゃないでしょうかね。
まあ、圧倒的多数の会計事務所は、従来通りの経理処理に疑問を持たないから
慌てることはないと思っているかもしれませんけど。
でも、20年前、弥生会計や勘定奉行などが出てきた時に
「市販会計ソフトなんておもちゃ、やっぱり会計事務所は専用機じゃないと」なんて
ことを保守的な大御所たちが言っていた中、当時若手だった私達はあっさり
市販会計ソフトに乗り換えてしまい、気がついたら今の勢力図になったわけで。
歴史は繰り返すって言いますからね。
<追記>
弥生会計をベースに、freeeなどのクラウド会計システムの自動仕訳機能で
生成した仕訳を、CSVで弥生に取り込むという方法であれば、
中小企業でも経理業務のスピードアップに役立つかもしれませんね。

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