融資は必要ないなら法人の預金口座はゆうちょ銀行が便利
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融資がなければネット専用銀行で十分では
もう2年前ですが新しく設立した会社の預金口座は、楽天銀行にしています。
融資を受けるとなると、さすがにネット専業銀行というわけにはいきません。
逆に言えば、すぐに融資を受ける必要が無い新規設立会社や実質的にフリーランスである一人法人であれば、預金口座はネット専業銀行やゆうちょ銀行のネットバンキングのほうが良いのではないかという話をしてみようと思います。
ネット専業銀行を使うメリット
(1)新規設立法人の最初の預金口座開設先として
個人の預金口座開設を断られるということはまずないでしょうが、実は新規設立法人が預金口座を開設しようにも断られる例が多いのです。
詐欺やマネーロンダリングの温床になることを排除しようと年々その傾向は強まっています。
特に個人でも全く預金取引がない銀行に対して、本店所在地がバーチャルオフィスなどではかなり警戒されると思ったほうがよいでしょう。
特に困るのが「預金口座開設をするには他の銀行での預金口座開設実績が必要」となっていることが多いということ。
それであれば、一件目はできるだけハードルが低いほうがいい。私が預金口座を開設した楽天銀行では、うちのWEBサイトを確認し、実際に事業活動をしているのかの電話連絡がありましたが、他の金融機関よりは、ややそのハードルは低いと思います。
もし、メガバンク等の預金口座開設が必要であれば、楽天銀行などネット専業銀行の預金口座開設実績を作ってからのほうがスムーズではないでしょうか。
(2)ネットバンキング手数料が無料、振込手数料も格安
メガバンク等では、ネットバンキングに申し込みをすると、法人の場合、毎月の基本手数料が掛かります。
三菱東京UFJ銀行 1728円/月
三井住友銀行 2160円/月
みずほ銀行 2160円/月
毎月となると、そんなに多くの振込などがないのであれば、少し負担感を感じる金額です。
一方、楽天銀行などのネット専業銀行は、大抵は基本料金無料でネットバンキング機能が使えるのです。
このネットバンキング機能を利用すると、入金があればメールで通知が来るので、預金の記帳に行くこともなくタイムリーに入金確認が可能です。
特に楽天銀行間の入金であれば、営業時間外でもすぐに入金確認できるなど便利な機能も。
入金を確認した後に商材を送付をするようなサービスだと、お客様の入金からタイムラグが少なく応対できるので便利な上に顧客満足度も上がるはずです。
なお、振込手数料もメガバンクのネットバンキングに比べると格安です。
例えば、3万円以上の振込であれば、みずほ銀行が756円の手数料に対して楽天銀行であれば258円で済むのです。
(3)会計処理でのデータ活用がしやすい
また、最近は、ネットの預金取引データから自動で仕訳をする機能が、クラウド会計や弥生会計などで実装されています。
以前は、どう考えても手で入力したほうが早いと思っていましたが、今では、弥生スマートコネクトで楽天銀行の預金データから自動で仕訳処理をして取り込むようになりました。(まだまだ自動と言うには程遠いですが)
今後は、もっと操作性も良くなり、ネットバンキング機能の有用性はより高まることでしょう。
ネット専業銀行を使うデメリット
(1)得意先に一瞬不審がられることも
自分自身がネット専業銀行を利用していると何の違和感を覚えることもないのですが、特に高齢者の中には、本当に振り込んでも大丈夫なのかと一瞬不審がられる方がいるのも事実です。
(2)税金の支払いができない
楽天銀行では、税金の還付金の受取口座とすることはできるようになりましたが、今のところ法人税等、国税の納付はできません。(平成28年4月現在)
もし、他に法人名義の預金口座がない場合、個人口座に一旦お金を振込み、そのお金を引き出して窓口で納税をすることが必要になります。
ネット専業銀行の欠点をクリアしたゆうちょ銀行
ネット専業銀行ではありませんがゆうちょ銀行にもネットバンキングサービス「ゆうちょダイレクト」があります。
こちらも基本手数料は無料でネットバンキングのサービスが利用できます。
ゆうちょ銀行間の送金手数料は月5回までは無料、他行への振込も5万円以上で432円とメガバンクよりも安いです。
ゆうちょ銀行の利用者は多いですし、高齢者の方でもネット専業銀行と違ってアレルギーはないはず。
さらに、楽天銀行ではできない法人税等国税の電子納税にも対応しています。
なので、今から一つだけ口座開設をするのであれば、ゆうちょ銀行をオススメしたいところ。
私の場合、既にお客様からの入金を楽天銀行にしていただいているので、楽天銀行からゆうちょ銀行に資金移動した上で法人税等の電子納税をするようにしました。
なお、ゆうちょ銀行は、貯金口座(普通貯金、定期貯金、定額貯金等)だと合計で1300万円までしか預け入れられませんが、利息の付かない当座預金のような振替貯金口座であれば預入限度額はありません。
ただ、売上入金の口座を融資を受けている金融機関にするというのは、「実質金利」もアップするし、万一の際の保全にも役立つので、融資を受ける際に有利な条件を引き出す交渉のカードにもなります。
もし、融資を受けるようになるのであれば、その金融機関のネットバンキングサービスを使うことになるでしょう。
さすがに、ネットバンキングの基本料金を節約するより融資を円滑に受けるほうが重要ですから。
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