税務調査はどこの税務署が担当するの?|登記上の本店所在地と実際の会社の所在地が異なる場合の税務調査
目次
移転はしたものの登記上の本店所在地を変更していない
会社を設立したらその商号や所在地などの登記をしなくてはなりません。
その後、本店所在地の移転をしたときには、移転の登記をしなくてはいけないのですが、やらなかったところで問題にならないことも多く、実際の本店は別のところに移転したものの登記簿上の住所はそのままということがあります。
それが、同じ税務署の所管内での移転であれば、さほど問題はないのですが、問題なのは、税務署の所管が変わるような本店移転をしたときです。
では、そのような本店移転がされたときの所轄税務署はどこなのか?
そこで、今回は、税務調査を担当する税務署はどこなのかという話をしてみようと思います。
税務署の所管はあくまでも登記上の本店所在地
資本金が1億円以下の法人については、その本店所在地を所管する税務署が税務調査を担当します。
この際の本店所在地とは、登記簿上の本店所在地を指します。
ですから、すでに移転をして、登記簿上の本店所在地にはなにも拠点はないとしても、あくまでも税務調査を担当するのは、その登記簿上の本店所在地を所管する税務署となります。
税務調査に来るのは、資料のある実際の所在地
では、移転をしてそこにはもう事務所などないのに、どうやって税務調査をするのか。
税務調査官は、調べるべき資料のある現時点での事業所に来ます。それがどんなに遠くても、ちゃんと税務署は税務調査に来ますよ。
なお、主な資料は移転後の本店にあるけれども、登記簿上の本店所在地にも事務所が残っているようなときには、「そこに資料を持ってきてほしい」というようなことを税務署から言われますが、実際にどちらで税務調査が行われるのかは、税理士と税務署の交渉ということになるでしょう。
私は、まずいかないです。
国税局との連携や広域担当の税務署が担当することも
資本金が1億円を超えた場合、その所管は本店所在地を所管する国税局の担当となります。
ですから、税務調査についても本店所在地所管の国税局の担当者が来ます。
税務署の調査と国税局の調査の違いは、その現地調査の日数です。一般的な税務署の現地調査の日数は2日を軸に1-3日の間であることがほとんどです。
一方で、国税局の現地調査は、途中に空きはあるものの少なくとも1ヶ月はかかるのです。
なお、資本金が1億円以下であったとしても、特殊な事案については、税務署が担当でありながら、国税局の専門部署の担当者との共同での調査ということもあります。
例えば、売上規模の大きいWEBサービス企業やアフィリエイト企業などについては、国税局の「統括国税実査官(電子商取引担当)」というイカツい肩書の人が一緒にやってきます。
また、いくつかの事業所が税務署の所管を超えてある場合や所轄の税務署では事業規模が大きい場合、本店所在地の所轄税務署とは別の大規模な税務署に配置された「広域担当」が現地調査をすることもあるのです。
税務調査を避けて引っ越せばいい?
では、税務調査が来ないように定期的に引っ越せばいいのか。
よく言われますが、実際には、そんなことはないです。ちゃんと過去のデータも引き継ぎはされていますから。
ただ、これから税務調査というタイミングで「たまたま」所管外へ本店移転登記手続きがされているということが発覚したということになると、「じゃあ、いいですわ」ということがあったりはします。
まあ、その時点で脱税を疑われているのであれば、地の果てまでも追いかけてくるんでしょうけどね。
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