会社は従業員のマイナンバーをギリギリいつまで預からずにすませられるのか?

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マイナンバーなんか預かりたくない

この10月からマイナンバーの通知もされるため、
お客様からの「マイナンバーをいつ徴収したらよいのか」という
ご相談も増えてまいりました。

ネットの記事や関連書籍をみても
「早めの準備を心がけましょう」という記載ばかり。

ただ、あんなもの預かったところで無駄に厳格な管理ばかり
押し付けられるので、できれば預かりたくはないというのが
会社の本音でしょう。

そこで今回は、逆説的に会社は従業員のマイナンバーを
ギリギリいつまで預からずに済ませられるのかを考えてみることにします。

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マイナンバーをいつから記載しなくてはならないのか?

マイナンバーを記載しなくてはいけないのは、今のところ
税金と社会保障関連の申告書などです。

具体的にいつからこのマイナンバーを記載しなくてはいけないかは
次のようになります。

健康保険・厚生年金

健康保険と厚生年金については、平成29年1月以降提出分から
マイナンバーの記載が必要になります。

具体的には、資格取得届や資格喪失届、被扶養者異動届などにマイナンバーの記載が必要です。

逆に言えば、一律で従業員からマイナンバーを徴収する必要はなく、
新規採用者や退職者、被扶養者に異動があった者などに個別に対応をすれば良いことになります。

(70歳以上の被用者がいる場合、報酬月額算定基礎届等にもマイナンバーの記載が必要です)

雇用保険

雇用保険については平成28年1月以降提出分からマイナンバーの記載が
必要になります。

具体的な書類は、資格取得届や資格喪失届などです。

これらは、対象となった新規採用者や退職者などに対して
個別に対応をすればよいので、必ずしも一律で
従業員からマイナンバーを預からなくてもよいでしょう。

(在職者の個人番号についても一度だけ登録が必要になる模様。
詳細はまだわかりませんがその時に対応した後即番号を消します)

いずれにせよ、社会保障関連の書類については、
マイナンバーを必要な都度徴収し作業終了後即番号を消去することで
会社に保管をすることを回避できそうです。

年末調整と扶養控除申告書

平成28年1月以降提出をする源泉徴収票と法定調書(税務署)、給与支払報告書(自治体)
にはマイナンバーを記載しなくてはなりません。

その年末調整と給与支払報告、法定調書作成という一連の手続きは、
平成28年の12月から29年の1月に行うことが一般的です。

逆に言えば、平成28年度の年末調整作業を行うまでは、
従業員の所得税・住民税については、一律にマイナンバーを従業員から
預かる必要はないことになります。

なお、平成28年1月以降に退職をした者に対する退職所得の源泉徴収票にも
マイナンバーの記載が必要です。

この退職所得の源泉徴収票は、本来退職後1月以内に税務署に提出することになっていますが、
今回は平成29年1月に税務署に提出すれば良いことになっています。

しかし、こんなもの預かっていても何も良いことはないので
さっさと税務署に提出し、できるだけ会社で預からないようにします。

同様に平成28年1月以降に退職したその年の給与が250万円超の者に対する
給与所得の源泉徴収票にもマイナンバーを記載し税務署に提出することが必要ですが、
退職所得の源泉徴収票と同様、さっさと税務署に提出してしまいましょう。

早過ぎるので受け取りを拒否するということはないはずです。

(本人に手渡す源泉徴収票にマイナンバーは記載しません)

ここまで見てくると、平成28年の12月までは、従業員一律で
個人番号を徴収しなくても良いようにも思えます。

しかし、厄介なものがあります。

それは、扶養控除等申告書というものです。

この扶養控除申告書には、本人と扶養親族のマイナンバーを記載しなくてはなりません。

その上で、その年の最初の給与支給日の前日までに会社に提出・保管しておくことが必要です。

現実には、中小企業の場合、年末調整の時に初めてその年の扶養控除申告書を
従業員に記載してもらっていることも多いもの。

ならばやっぱり平成28年12月までマイナンバーは従業員から一律で
預からなくても良いのではないかとも思えます。

しかし、やはり、建前としては、扶養控除申告書に記載するためにも
平成28年のはじめにはマイナンバーを従業員から一律に預かる必要があるということになるでしょう。

(言いたいことは察してください)

この扶養控除申告書は、建前上は、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日
から7年間も保存する必要があるのです。

結果的に、その間マイナンバーも預かることになりますが、
実際に税務調査で資料の準備を求められるのは概ね3年前のものまでです。

(言いたいことは察してください)

あわてずじっくり最適な方法を考えては?

少人数の会社が、高価格のマイナンバー管理システムを導入するのもどうなのかと。

どうせ扶養控除申告書という「紙」は預からなくちゃいけないんですから。

できるだけデスクトップパソコン上でデータの保管はせずに、
必要な都度徴収して作業が終わったら一旦番号は消去するというのを繰り返し、
どうしても保管が必要な資料だけ社内の金庫か鍵のかかるロッカーに
もしなければ、貸し金庫などを借りて入れておいたほうが安上がりなのではないでしょうか。

いずれにせよ、未だに「国が個人情報を一括管理する」と多くの人が思い込んでいて、
ワイドショーで弁護士が「マイナンバーが他人に知られたら、勝手に印鑑証明が作られて
知らないうちに借金をさせられていたり、勝手に婚姻届が出されていることもある」
などという妄言を撒き散らしているような中で、
会社も従業員もマイナンバーがどういうものかよくわかっていないのに、
今から「とりあえず」預かっておくという対応はいかがなものかと。

「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査」の概要 平成27年9月3日:内閣府

なので、中小企業であれば、当然、規程の整備や従業員への通知など
準備はきちんと進めるものの、できるだけマイナンバーを会社で保管せずに済む方法を
模索しながら自社にとって最適な徴収・保管の方法を冷静に考えたいものです。

ということで、当事務所でも、国民全体が冷静にマイナンバー制度を運用できるようになるまで、

マイナンバーは「必要になる都度徴収し、作業終了後にすぐに廃棄」
を繰り返し、常時お預かりすることは致しません。

大変お手数をおかけいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。

これが、冷静に考え尽くした、現状当事務所にとってのマイナンバーの最適な徴収・保管の方法です。

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