あなたが思っている保険の必要保障額はまず間違いなく過大である

どれだけの人が必要保障額を正しく理解しているのか

一世帯あたりの平均年間生命保険料の金額は、38.5万円と言われています。

世帯年収の平均が546万円ですから、なんと税込み年収の約7%もの保険料を支払っているということです。

では、一体どれだけの人が自分が加入している保険の保障内容を理解しているのか?

その前提となる必要保障額はどのようにして計算をしたのでしょうか?

結論から言えば、9割以上の人は、必要な保障額の算出が過大であるといえます。

そこで、今回は、必要保障額の算出上おそらく考慮されていないであろうことについてまとめてみることにします。

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自分が死亡した時の必要保障額で考慮されていないこと

万一、自分が死亡したときには、残された「家族の生活費」や「子供の教育費」「住宅ローン残債」に加え、オーナー社長であれば「連帯保証した借金の残債」などを賄える金額を生命保険に加入すべき必要保障額としている人が多いのではないでしょうか。

必要保障額を算出する際には、将来生じる支出や返済すべき債務については考慮するものの、死亡後の収入や保有している資産の換金価値については考慮されていないことがほとんどです。

実際の生命保険による必要保障額算出の際には、次のものも考慮するようにしてください。

(1)遺族年金

年金に加入し受給要件を満たしている場合、子供がいる人については、その子が18歳になるまでの間は、遺族年金が支給されます。

例えば、社会保険加入者で遺族が妻と0歳の子供一人である場合、

月額給与40万円の人が死亡|約12.5万円/
月額給与60万円の人が死亡|約14.5万円/

が毎月遺族年金として支給されることになります。

遺族基礎年金|日本年金機構

遺族厚生年金|日本年金機構

もちろん、これですべての生活費や教育費が賄えると言うつもりはありません。ですが、必要保障額を算出する場合には、将来の支出だけでなく死亡に伴う収入についても目を向けるべきなのです。

(2)団体信用生命保険

多額の住宅ローンを抱えたまま死亡をした場合、その後の返済が大変です。

自宅となると、「売って住宅ローンを返済する」という思いも遺族にはさせたくはないはずです。

一方で、銀行も「では、自宅を売って住宅ローンを返済してください」というのも回収リスクがあるため、多くの民間の住宅ローンの場合、団体信用生命保険への加入がセットされており、その保険料込みのレートで住宅ローン返済をしているのではないでしょうか。

また、平成29年10月以降、「フラット35」についても団体信用生命保険付となりました。

ですから、団体信用生命保険に加入をしているのであれば、死亡した時の必要保障額算出の際には、住宅ローンの残債分を外して計算をした方が良いでしょう。

(3)会社の換金価値

オーナー社長の場合、たいてい会社の借金についても連帯保証をしており、自分が死亡し後継者がいなければ、会社は廃業となり、連帯保証をした借金を遺族が支払わなくてはなりません。

そのため、会社でしている借金の残債を生命保険に加入すべき必要保障額に入れているケースが多いはずです。

ですが、会社には借金しかないわけではないでしょう。

プラスの財産である資産もあるはずです。会社を清算する場合には、これらの資産を換金し、借金などの負債の返済に充てることが可能です。

ですから、資産>負債、つまり資産ー負債である純資産がプラスの会社であれば、わざわざ会社清算のためのリスクを生命保険でカバーをする必要はないのです。

ただし、会社を清算する場合には、必ずしも資産が帳簿価額で換金できるとは限りません。

売掛金は、事業を継続しないとなれば、ちゃんと払ってくれないところもありますし、在庫も叩き売るしかないこともあるでしょう。

機械装置や不動産についても、実際に売るとなると帳簿価額を下回ることもあります。

また、会社を清算するのには、相応の期間の事業継続のための経費や従業員の退職金等の支払いが必要になる場合もあります。

ですから、単純に決算書上の純資産の金額ではなく、その会社の清算時の換金価値をベースにした純資産額を計算する必要があり、その清算時の換金価値ベースの純資産額がプラスであれば、その金額を会社清算のための必要保障額とする必要はないのです。

自分が働けなくなった時の必要保障額で考慮されていないこと

自分が病気や事故で働けなくなった時のために、「入院費や治療費」「働けない間の所得減少分」などを賄える金額を医療保険に加入すべき必要保障額としている人が多いのではないでしょうか。

しかし、次のものが考慮されていないことがほとんどです。

(1)高額療養費

病気や事故などで長期の治療が必要な場合、多額の治療費が必要となることもあります。

その医療費をカバーしようと医療保険やガン保険に加入をするケースが多いはずですが、実際には、一旦治療費の支払いをしても、高額療養費制度により、月額負担が10万円弱を超える部分については、後日返金がされるのです。

なお、差額ベッド代については、高額療養費制度の対象ではないため、その分は必要保障額に見込んでおいたほうが良いでしょう。

高額療養費|全国健康保険協会

(2)傷病手当金

治療費については、大半が高額療養費で賄え、実質負担はせいぜい月額10万円+アルファ程度ではあるものの、仕事ができなくなったことの収入減少についても考慮しておく必要はあります。

しかし、ケガや病気で会社に勤務できなくなったとしても、すぐに会社をクビになるわけではないでしょう。

また、社会保険に加入をしている場合、4日以上働けなくなった期間について最大1年6ヶ月まで、「標準報酬日額」の2/3の金額の傷病手当金が支給されるのです。

病気やケガで会社を休んだとき|全国健康保険協会

(3)障害年金

事故などで不幸にして障害が残ってしまった場合には、国民年金・厚生年金に加入をしていれば、一定の障害年金を受け取ることができるのです。

障害基礎年金|日本年金機構

障害厚生年金|日本年金機構

生命保険は事業費が高いので損を承知で渋々加入する姿勢が必要

生命保険や医療保険は、発生する確率が少ないものの万一発生した場合に、自分一人では賄うことができない損失をカバーするのには大変有意義な商品です。

ですが、一方で、生命保険はその制度維持のために高額の経費を必要とします。

定期保険については、全体の保険料の3割ー7割もの事業費(付加保険料)が必要と言われているのです。

ですから、生命保険には、万一の際に「もらえるとありがたい金額」をベースに保障金額を算出するのではなく、「自分一人ではカバーできない金額」をベースに「損を承知で渋々加入をする」という姿勢で加入をすべきなのです。

当然、手許のお金で十分支払いができるような入院費用について保障を付ける必要はありませんし、元々十分なお金を持っていたり、自分が働けなくなっても変わりなくお金が入ってくる人には、生命保険は不要です。

「あわよくば、保険で今より財産を増やしたい」などと考えるのは、自分の寿命をネタにしたテラ銭のバカ高い馬券を買うということなんですよね。

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