中小企業でも領収証等のスキャン保存は可能になるのか?

2015-05-29 19.47.13

スキャン保存制度の適用要件が緩和

平成27年度改正により注目度の高い
「スキャンによる領収証・契約書等の保存制度」。

従来も”一定の要件”を満たせば、領収証等のスキャン
による保存は認められていましたが、実際の利用申請件数は
全国で100件弱だったそうです。

今年の9月30日以降の承認申請から、従来より適用要件が緩和され

・3万円以上の領収証等も対象になる

・電子署名が省略できる

とのこと。

お客様からのお問い合わせも多いので、
この改正により実際に中小企業でもスキャンによる
領収証等の保存が可能になるのか考えてみることにします。

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タイムスタンプがネックになりそう

まず、いつから改正後の”スキャン保存制度”が
活用できるかというと、承認してから実際に
適用できるまで3ヶ月間掛かるとのことなので、
平成27年9月30日に申請をしたとして、
その利用は最短で平成28年1月1日からとなります。

具体的な要件は、改ざんなどができないよう
相互牽制・定期的なチェック・再発防止策について
「適正事務処理要件」に従い事務処理をすることが
求められるなどなかなかハードルは高い。

ハード面でもスマホはダメで、原稿台と一体の
スキャナであること、ソフト面でも訂正・削除履歴を
確認できるようなバージョン管理機能も
求められています。

なんとか適正事務処理要件を整備し、要件に合致した
ハード・ソフトを揃えたとしてもどうもそれだけでは
まだ不十分なようです。

電子署名は廃止されたものの、もう一つ従来から求められていた
タイムスタンプというものは、今回の改正では廃止されていません。

では、タイムスタンプとはどんなものか?

タイムスタンプとは、電子データがある時刻に存在していたこと
の証明書のこと。

要するに、後で日付や内容などを改ざんさせないための証明で、
”IT版の確定日付”のようなものでしょう。

さて、どうすればこのタイムスタンプは取れるのか?

どうも専門サービス会社に依頼することになりそうで、
その値段を調べてみると、結構お高い。

最低でも月額で10,000円弱にはなるようです。

アマノタイムスタンプサービス3161 Type-T

領収証等をスキャン保存をして原本を廃棄したいのは、
邪魔な領収証等を置くスペースがないからでしょう。

一枚一枚領収証等をスキャンする手間まで考えると
わざわざスキャン保存制度を使わないで、
トランクルームでも借りてそこに領収証等を保管して
おいた方がコスト的には安いでしょう。

どうせ、税務調査で調査官しか見ないような資料なんですから。

ということで、まだまだ中小企業がこのスキャン保存で
領収証等を廃棄するというのは、ハードルが高そうです。

スキャナメーカーが頑張って、格安のタイムスタンプサービスを
実施してくれるといいんですがね。

どうです、メーカーさん?

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