【保存版】税務調査でまず間違いなくチェックされる事項10選

税務調査の進め方は人それぞれだが

25年近く税務調査の立ち会いを担当してきて感じるのは、税務調査の進め方は担当する署員それぞれだなということ。

ただ、その中でも、業種により若干の違いはあるものの、誰がやってもまず間違いなく税務調査でチェックされる項目というのはあります。

そこで今回は、その事実があれば、税務調査で絶対チェックされると思ったほうがよいことをまとめてみようと思います。

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税務調査でほぼ100%チェックされる項目

1.期ズレの問題

(1)締め後売上の計上

締め日後から決算末日までの売上高がないかをチェックします。

チェックする資料:期末月と翌期首月の納品書、請求書

(2)翌期首売上に係る在庫計上

翌期首数日に販売された商材に係る在庫や仕掛品が期末在庫に計上されているかをチェックします。

チェックする資料:翌期首月の請求書(売上)と期末月の納品書、請求書(支払い)

(3)期末直前の仕入れの在庫計上

期末直前に仕入れた商品や原材料で期末までに販売されていないものについて、在庫に計上されているかをチェックします。

チェックする資料:期末月の納品書、請求書と翌期首月の請求書(支払い)

2.売上除外・架空経費の問題

(1)スクラップ販売代金の除外

製造過程で生じるスクラップの販売代金について、きちんと売上計上されているかチェックします。

チェックする資料:スクラップ業者からの聞き取りや資料せん

(2)自動販売機売上高の除外

社内に設置された自動販売機での飲料品等の販売代金について、きちんと売上計上されているかチェックします。

チェックする資料:ベンダー事業者からの聞き取りや資料せん

(3)人件費の架空計上

給与として支給された人の勤務実態が本当にあるのかをチェックします。

チェックする資料:組織図や座席表、履歴書、タイムカード、従業員からの聞き取り

3.消費税の問題

(1)海外出張費の課税区分

海外出張旅費の消費税の課税区分がきちんと対象外とされているかチェックします。

同時に、家族での旅行など事業に関連しない個人的な費用でないかについてもよく見られます。

チェックする資料:総勘定元帳と領収証、消費税科目別税区分集計表

(2)地代家賃の課税区分

居住用家屋の家賃や土地の資材置き場、青空駐車場の地代の課税区分がきちんと非課税とされているかチェックします。

チェックする資料:総勘定元帳と賃貸契約書、消費税科目別税区分集計表

(3)外注費・雑給の課税区分

雑給や実質的に専属的な雇用とみられる個人に対する報酬は本来給与とされ消費税は対象外であるところ、外注費として消費税が控除されていないかチェックをします。

なお、給与とされると源泉徴収義務違反として源泉所得税の追徴課税もされます。

チェックする資料:請負契約書、請求書、消費税科目別税区分集計表

外注費と給与の区分は曖昧ではありますが、以下の基準で判断をするとされています。建設業の「一人親方」は、ほぼ給与とされると思ったほうが良いでしょう。

(個人事業者と給与所得者の区分)

1-1-1 事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。

(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。

(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。

(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。

(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。 

4.印紙税等の問題

契約書等に所定の印紙税がきちんと貼られていて消印されているかチェックします。

チェックする資料:契約書、領収証、覚書等

No.7127 契約内容を変更する文書(タックスアンサー)

別表第2 重要な事項の一覧表(タックスアンサー)

これらは誰がやってもまず間違いなくチェックされる、いわば「税務署の税務調査マニュアル」のようなものなので、これらの項目については、決算申告をする際に正しい処理が行われているのかきちんとチェックをしたいものです。

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