初回面談無料をやめて有料にしたらこうなった

税理士は初回のお問い合わせは無料が大半

税理士の顧問契約というのは、一度契約したらなかなか他の税理士に変更しづらいスイッチングコストが大きい業務だと言えます。

そういうスイッチングコストの大きな業務を依頼する場合には、それだけ選ぶ際には慎重になります。

そこで、できるだけ選ばれるためのハードルを下げるために、「最初は無料で」というオファーをすることが多いでしょう。

実際、税理士も「相談は無料。お気軽にご相談ください」というスタイルが基本です。

しかし、当事務所では、あえて「初回面談は有料」としています。

では、わざわざ競争上不利になることをあえてしているのか。

今回は、初回面談有料としている理由と有料に変えてみてどうなったのかという話をしてみようと思います。

当事務所があえて初回面談を有料としているワケ

うちのサイトでは、初回面談申し込みをしようとすると「面談を有料としている理由」が先に表示されるようになっています。

要するに「それでもよければ面談の申込みをしてください」と。

ここでかなり離脱しそうで、効率的な集客方法としてはありえないでしょうね。

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税理士というのは中小企業の社長のもっとも身近な相談相手であると思っています。

では、その税理士はどうやって選べば良いのでしょうか。

税理士ひとりひとり、得意分野も税務調査や節税、資金調達に対する姿勢なども大きく異なります。

まずは、それらをきちんと把握した上で「あなたの事業が目指す姿へと向かうための手助けになる人物であるか」という判断基準でふるいに掛け、最終的には「一緒に仕事をして居心地がよいか」という自分との相性によって選べば、大きな間違いはなく選んだ税理士への満足度は高まるはずです。

ですから、自分にあった税理士を選ぶためにもできるだけ多くの税理士とお会いになることを私はお勧めしているのです。

その上で税理士と会うときには、必ず『担当は誰なのか』を聞いてください。

なぜなら、いくら面談した税理士が「この人と一緒に仕事をしたい」と思えるような信頼のおける人であっても、あなたの会社の担当者もそうとは限らないのですから。

その会計事務所の所長だけではなく、自分の担当となる人とも面談をした上で、税理士並びに会計事務所を選ばれることを強くお勧めします。

ただ、このように「たくさんの税理士と会う事」をお勧めしていながら、申し訳ございませんが、当事務所は私自身が直接担当する「専任担当制」を理念としているため、顧問契約をさせて頂く件数にも限りがあり、無制限に多くの方と事前面談をするということができません。

そこで、誠に勝手ながら顧問契約前の面談については有料とさせていただいております。

確かに、あなたには面談をして当事務所と顧問契約をしない場合、無駄な費用を負担をするリスクはあるでしょう。

そのリスクをギリギリまで軽減するためにも、当事務所の料金体系や税務調査や節税、資金調達に対する姿勢など税理士を選択する上で必要な情報についてはこのサイトで可能な限り公開させて頂いたつもりです。

それらをご覧になり、多くの税理士と面談をして比較検討をしてください。

その過程で、あなたにピッタリの別の税理士が見つかればそれはそれで良いですことですし、そうでなかった時には最後に当事務所においでくださればよいでしょう。

多くの税理士と比較検討をした上で「一緒に仕事をして居心地がよいか」という自分との相性の確認のためにわざわざお金を支払うという真剣な方に対しては、こちらも真剣に対応をさせて頂くことを約束致します。

「既存顧客の満足度を上げることを大切にした上で、ひとりでも多くの方のお役に立つにはどうしたらよいのか」を徹底的に考えた上での私なりの精一杯の誠意がこの事前面談の有料化であるとご理解いただければ幸いです。

このような事を熱く語ると、まるでこちらがお客様を選ぶ面接をしているようですが、全くそんなことはありません。

真剣に経営に取り組み、私がお手伝いすることで少しでも会社が良い方向に向かう方であれば、喜んでお手伝いをさせて頂きます。

吉澤税務会計事務所

初回面談有料にしてみたらこうなった

さて、独立当初は、顧問先からの紹介を頂いた方のみと顧問契約をしていました。

日本にオーバチュア(現在のYahoo!広告)というリスティング広告が導入された頃、お客様のモルモットとしてどれだけの成果が上がるのかが知りたくて広告を打ってみることに。

広告費を支払っておきながら、なぜか問い合わせフォームには「顧問先様からのご紹介がない方は受け付けない」と書いてある「一体何がしたいんだ」というおかしな状況になっていたわけです。

この頃は、今と違って税理士でリスティング広告を打つライバルはほとんどいなかったので、安い広告単価でも”イレグイ”状態だったんですよね。

そこで、顧問先以外でも「ホームページ」を通じて顧客の募集をするようにしてみました。

そうするとどうなるかというと、正直に言うとこちらが請け負いたくない先の問い合わせもたくさん来るのです。

特に、十数年前に本を出したあたりからその傾向が顕著になり、中には「一度会って話が聞きたい」と言われて行ってみるとホントに一度会いたいだけだったりとか。

「専任担当制のコンシェルジュ型税理士事務所」として直接応対をするには、私自身がやるべき仕事に特化して請け負わなくてはならず、やれないことも多々あるため、話をしてみるとニーズに合わないお問い合わせも多く、それら全てに応対するとなると時間的なロスが増えてきました。

そこで、初回面談を有料化し、実際にご契約を頂いた場合には、その面談報酬を返金するという仕組みに変更をしたのです。(お客様などからのご紹介がある方の面談は無料としています)

その結果どうなったかというと、(リスティング広告をやめた影響も大きいですが)面談の申込みは1/5以下に減りました。

しかし、初回面談をさせていただいた方が顧問契約に至る成約率は、こちらがやんわりとお断りするもの以外はほぼ100%です。

結局、初回面談報酬をいただくことは、ほぼないということです。

それでも、初回面談を無料としたほうがトータルの顧問契約の件数は多いとは思います。

もし、自社と相思相愛のお客様とだけと顧問契約をしたいにしても、まずは無料で最初のハードルを下げたほうが”取りこぼし”は少ないでしょう。

ですから、事務所の事業規模を拡大し売上の極大化を目指すのであれば、やはり「相談は無料。お気軽にご相談ください」という戦術のほうが成果は上がるはずです。

しかし、規模拡大はせず、自身の限られたリソースを最適化して限られた顧客に可能な限り貢献するというスタイルであれば、初回面談に至るまでにニーズをすり合わせておき、自社のスタイルにご納得を頂いた上でお申し込みを頂いたほうが、お客様にとっても私にとっても時間的なロスは生じないのではないかと。

そもそも顧問先からのご紹介のほうが多いわけですし。

もちろん、そのためには、書籍やブログなどの情報発信を通じて絞り込むのに十分な注目を集めておくこと、そして、自分が選ばれるために自分がどんなスタンスで仕事をし、どんなベネフィットを提供できるのかという積極的な情報提供をしておくことは不可欠です

それなしに単に「初回面談は有料」としたら、おそらく誰からも問い合わせはなくなることでしょう。

結果的に、習熟効果によって既存の顧問先の業務の生産性が上がった分を新規の顧問契約に当てることで、オーバーフローを起こすことなく無理のないスピードでお客様は増えていくようコントロールができています。

うちはこのほうが都合が良いので、初回面談有料の方針を変えることは当面なさそうです。

よくあるご質問|吉澤税務会計事務所

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