消費税インボイス制度とバックオフィス業務のデジタル化等に関する実態調査結果|バックオフィス編

中小企業のデジタル化の実態調査

2023年10月からの消費税のインボイス制度導入を見越して日本商工会議所で、2021年11月に「消費税インボイス制度」と「バックオフィス業務のデジタル化」等に関する実態調査を実施しました。

「インボイス制度」についての結果は先日まとめましたが、今回は同時に実施された中小企業のバックオフィス業務のデジタル化についての調査結果についてまとめてみようと思います。

バックオフィス業務のデジタル化等の調査結果

調査概要・回答企業の属性

・売上規模|1,000万円以下約45%、5,000万円以下約35%の合わせて約80%が消費税簡易課税選択可の規模。

・青色申告複式簿記約75%、簡易簿記約20%、白色申告約5%。

経理事務の外部依頼状況・従事人数

・経理事務の外部依頼状況について、「売上高1,000万円以下の事業者」では3割超が「全て社内で対応」する等、税理士等外部専門家の関与がない。

・経理事務の従事人数について、「売上高1,000万円以下の事業者」では9割超が1人で従事しており、その約75%は代表者・役員が兼務している。

売上・仕入の集計業務のデジタル化状況等

・小規模な事業者ほど手書きの割合が高く「売上高1千万円以下の事業者」では約6割に

・売上・仕入の集計頻度は、小規模な事業者ほど低い傾向があり「売上高1,000円以下の事業者」では約1割が「四半期ごと~1年ごと」

売上・仕入の集計という作業がよくわからないのですが、手書きの割合が想像以上に高いですね。

年商1億円以上の会社で手書きのノートで売上・仕入の集計しているところが約6%もいるのがおどろきです。

請求書等の作成業務のデジタル化状況等

・小規模な事業者ほど手書きの割合が高く「売上高1,000円以下の事業者」では約7割。

・請求書等作成の頻度は、小規模な事業者ほど高い傾向があり「売上高1,000以下の事業者」では約4割が「取引の都度」と回答。

会計ソフトを利用していても請求書はExcelや手書きという会社は確かに多いです。請求書作成頻度が売上規模が小さいほど高いのは、単にあんまり取引がないということではないかでしょうか。

帳簿の作成業務のデジタル化状況等

・小規模な事業者ほど手書きの割合が高く、「売上高1,000万円以下の事業者」では約5割に。

・帳簿作成の処理頻度は、小規模な事業者ほど低い傾向にあり、「売上高1,000万円以下の事業者」では約1割が「1年ごと」と回答している。

これは会計ソフトのことを言っているのでしょうか。会計ソフトを使わずに貸借対照表まであわせるのは、会計ソフトの使い方を覚えるよりもずっと高い経理スキルが要求されそうですが。

帳簿作成業務を年に1度しかやらないのがどの売上規模も1割以下というは意外。中小企業では年に一度決算を組む際に税理士に帳簿作成から依頼をするという事業者はもっと多いのではないでしょうか。

受発注業務のデジタル化状況

・受注業務について、「売上高1,000万円以下の事業者」では約9割が電話やFAX等を中心的なツールとして活用している。

・発注業務について、「売上高1,000万円以下の事業者」では約8割が電話やFAX等を中心的なツールとして活用している。

自分が電話もFAXも使わないし定額の顧問契約なのでよく理解できていないだけで、実際多くの会社は受発注については、データでのやり取りではなく、電話などで受けた注文を受注システムに手入力をしているということでしょう。

改正電子帳簿保存法への対応の意向

・電子帳簿保存法の改正については、規模の大きな事業者ほど対応する予定の割合が高く「売上高1億円超の事業者」では約3割が「対応する予定」としており「検討中」を含めると約8割。

・小規模な事業者ほど「制度がよく分からない」割合が高く、「売上高1,000万円以下の事業者」では約4割。

電帳法改正はテレワーク促進のためになされたようですが、処理の終わった領収証なんか税務調査の調査官以外見ないですよ。

そんなものを一々検索可能になるように日付や金額を手入力するメリットがどこまであるのか。袋にでもまとめて突っ込んでおくほうがずっとラクなはずです。

もし、本気でテレワークやデジタル化を促進するならもう紙の領収証自体発行禁止するか、せめてスキャンすれば自動でデータ登録がしやすくなるよう請求書のフォーマットを統一すべきではないでしょうか。

経理処理のデジタル化は生産性向上に役立つ部分は大いに取り組むべきですが、税務調査のためという生産性が上がるとは思えないことに手間隙かける理由もない。

そうは言っても法律である以上対応しないわけにはいかないので、とりあえず、メールで受領した請求書のような電子データは無料のクラウドBoxのようなものに貼り付けておけばよいでしょう。

電子申告への対応状況等

・「売上高1,000万円以下の事業者」の約4割は電子申告(e-tax)に対応していない。

・電子申告に対応していない事業者の約6割が「メリットが感じられない」ことを理由としている。

税理士に依頼していればその税理士が電子申告に対応していることが多いでしょうが、自分で申告する会社にとって見れば年に一度の申告なら、わざわざわかりにくい電子申告の手順を覚えるよりも紙で送ったほうがラクなのも当然です。

「消費税インボイス制度」と「バックオフィスのデジタル化」等に関する実態調査結果|日本商工会議所

インボイス制度、電帳法改正を受発注業務改善の機会に

2022年1月からの導入は認知度が低く間に合わないとの理由で、事実上2年間導入時期が延期された「電子帳簿保存法による電子データ保存」ですが、延期されても結局また対応はギリギリになりそうです。

改正電子帳簿保存法を受けた「電子取引情報の書面保存廃止」、2年の猶予があっても半数は2022年中に対応|INTERNETWatch

今回の調査結果を見てもこれから到来するインボイス制度導入直前になってまた大騒ぎになることでしょう。

それに対して国も中小企業の会計・受発注システム導入について最大380万円を助成するIT補助金を準備しています。

インボイス制度に既存の手書きやExcel請求書でどう対応するかを考えるよりは、会計・受発注システム導入や抜本的な見直しの機会になさることを強くおすすめいたします。

中小企業の会計業務デジタル化にチャンス到来、国が最大380万円を助成する狙い|日経XTech

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