法人設立届出等が少しだけ簡素化されました|届出書の添付書類と提出先のまとめ
届出書にはその記載内容を証明する添付書類の提出も
法人を設立した時などには税務署や都道府県税事務所などに届出をする必要があります。
その届出内容に誤りがないか確認をするため、一定の添付書類の提出も必要です。
それらのうち、平成29年4月より添付書類の一部が不要になったり、提出箇所が簡略化されたものがあります。
そこで、今回は法人の異動届等と必要な添付書類、その提出先についてまとめてみます。
法人設立時の届出書
(1)税務署に提出する書類
法人を設立した場合に提出が求められるもの及び出しておいたほうが良いものは次の4点です。
”枝葉”の部分を無視して、実務上の取り扱いをザックリと説明するとこのようになっています。
法人設立届
法人を設立したことを税務署に伝える届出書
提出者:内国法人である普通法人又は協同組合等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄税務署
提出期限:法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内
書式:法人設立届出書
最低限必須の添付書類:定款。それ以外は求めに応じてでも。平成29年4月1日以降、登記簿謄本の添付不要に。
未提出の場合:特にペナルティ無し
青色申告承認申請書
青色申告により申告をすることの承認を受けたい時に提出する届出書
提出者:青色申告の承認を受けたい法人等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄税務署
提出期限:設立の日以後3ヶ月を経過した日と事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで
書式:青色申告承認申請書
最低限必須の添付書類:特になし
未提出のペナルティ:白色申告となり青色申告の特典が受けられず
給与支払事務所等の開設届出
国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設したことを税務署に伝える届出書
提出者:給与支払い事務を開始する給与支払者
提出先:給与支払事務所(ほとんどは本店)の所轄税務署
提出期限:開設から1ヶ月以内
最低限必須の添付書類:特になし
未提出のペナルティ:特になし
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
本来、源泉徴収した翌月10日までに納付すべき給与についての源泉徴収税額を半年に一度の納付にまとめられる「納期特例制度」を利用する時に提出する届出書
提出者:給与支給人員が常時10人未満で納期特例制度を受けたい源泉徴収義務者
提出先:給与支払事務所(ほとんどは本店)の所轄税務署
提出期限:適用したい給与の支払日の前月末まで
最低限必須の添付書類:特になし
未提出のペナルティ:届出書が出るまで毎月納付が必須に
この他に棚卸資産、有価証券の評価方法、減価償却について法定以外の方法を選択したい場合には、それぞれの届出書を提出します。
(2)都道府県税事務所、市役所に提出する書類
都道府県税事務所への事業開始等届出書
法人設立したことを都道府県税事務所に伝える届出書
提出者:内国法人である普通法人又は協同組合等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄都道府県税事務所
提出期限:原則設立から1ヶ月以内の自治体が多いが実際は随時
書式:フォーマットは自治体ごとに。自治体のサイトでダウンロード。
最低限必須の添付書類:定款。登記簿謄本
未提出の場合:特にペナルティ無し
市町村への事業開始等届出書
法人設立したことを市町村に伝える届出書。ただし、東京都は都税事務所への届出のみ。
提出者:内国法人である普通法人又は協同組合等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄市町村役場
提出期限:原則設立から1ヶ月以内の自治体が多いが実際は随時
書式:フォーマットは自治体ごとに。自治体のサイトでダウンロード。なければ都道府県税事務所への届出書の流用でも
最低限必須の添付書類:定款。登記簿謄本
未提出の場合:特にペナルティ無し
法人の事業年度、代表者、納税地等の異動届
(1)税務署に提出する書類
異動届出書
事業年度等の変更、納税地の異動、資本金額等の異動、商号又は名称の変更、代表者の変更、事業目的の変更、会社の合併、会社の分割による事業の譲渡若しくは譲受け、法人区分の変更、支店・工場等の異動等をしたことを税務署に知らせる届出書
提出者:上記の異動をした法人等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄税務署。なお、所轄税務署が変わる納税地変更については、異動前と異動後両方の所轄税務署に提出すべきであったところ、平成29年4月1日以降移動前の所轄税務署にのみ提出に簡素化
提出期限:異動後速やかに
書式:異動届出書
最低限必須の添付書類:異動内容を明らかにする定款、議事録、登記簿謄本等。ほぼ間違いなく後から請求されるので一緒に出しておく。
未提出の場合:特にペナルティ無し
(2)都道府県税事務所、市役所に提出する書類
都道府県税事務所への異動届出書
事業年度等の変更、納税地の異動、資本金額等の異動、商号又は名称の変更、代表者の変更、事業目的の変更、会社の合併、会社の分割による事業の譲渡若しくは譲受け、法人区分の変更、支店・工場等の異動等をしたことを都道府県税事務所に知らせる届出書
提出者:上記の異動をした法人等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄都道府県税事務所。なお、所轄都道府県税事務所が変わる納税地変更については、異動前と異動後両方の都道府県税事務所に提出
提出期限:異動後速やかに
書式:フォーマットは自治体ごとに。自治体のサイトでダウンロード。なければ、税務署への異動届出書の流用も
最低限必須の添付書類:異動内容を明らかにする定款、議事録、登記簿謄本等。ほぼ間違いなく後から請求されるので一緒に出しておく。
未提出の場合:特にペナルティ無し
市町村への異動届出書
事業年度等の変更、納税地の異動、資本金額等の異動、商号又は名称の変更、代表者の変更、事業目的の変更、会社の合併、会社の分割による事業の譲渡若しくは譲受け、法人区分の変更、支店・工場等の異動等をしたことを市役所に知らせる届出書
提出者:上記の異動をした法人等
提出先:納税地(登記上の本店所在地)の所轄市町村役場(東京都は都税事務所のみでよい)。なお、所轄市町村役場が変わる納税地変更については、異動前と異動後両方の市町村役場に提出
提出期限:異動後速やかに
書式:フォーマットは自治体ごとに。自治体のサイトでダウンロード。なければ、税務署への異動届出書の流用も
最低限必須の添付書類:異動内容を明らかにする定款、議事録、登記簿謄本等。ほぼ間違いなく後から請求されるので一緒に出しておく。
未提出の場合:特にペナルティ無し
平成29年4月1日以降、税務署に対する法人設立時届出について登記簿謄本の添付が省略されましたが、都道府県税事務所や市町村役場への事業開始等届出については、まだ省略はされておりません。
また、平成29年4月1日以降、所轄税務署が変わる納税地の変更については異動前の税務署のみへの提出に簡素化されましたが、都道府県税事務所や市町村役場への異動届は従来通り、異動前と異動後両方の自治体への提出が必要です。
法人のマイナンバー(法人番号)は公開されており、名寄せができるのですから、ドンドン提出書類や提出先の簡略化はしていただきたいもの。
あれだけ面倒くさい思いをさせられているのですから、少しくらいメリットは体感したいものです。
今回の改正は、そのほんの小さな第一歩ということですかね。
ホントにちいさいな。
法人設立届出書等について手続きが簡素化されました|タックスアンサー
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