日本の税収の内訳ー法人税・所得税・消費税・相続税どれが一番多いのか?

日本の税収は国・地方を合わせると約110兆円

社会保障の支出が年々増加し全然足りていないようですが、日本の税収は国税・地方税を合わせると約110兆円になるようです。

税収には、法人税や所得税、消費税に相続税に酒税などいろいろな税目があります。

では、これらのうち、どの税目が一番多いのかご存知でしょうか?

今回は、日本の税収の税目別の内訳をみてみます。

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税収を所得課税・資産課税・消費課税に分けてみる

税目にはいろいろなものがありますが、どんな場面に対して税金が掛かるのかでみると、お金を稼いだ時に掛かる「所得課税」(所得税・法人税・住民税・事業税)、資産を保有することで掛かる「資産課税」(固定資産税・相続税)、お金を消費する時に掛かる「消費課税」(消費税・揮発油税・酒税等)に分けることができます。

これらの割合をそれぞれザックリとみると「所得課税」50%、「資産課税」15%、「消費課税」35%となります。

日本の税収ベスト3はこれだ

さらに細かい税目別に見ると、個人に対する所得税・住民税・事業税で全体の約30%、消費税・地方消費税あわせて全体の約25%、法人に対する法人税・住民税・事業税が全体の約20%となっており、これらが日本の税収に占めるベスト3ということになり、それらで全体の約75%も占めることになるのです。

税理士試験では「所得税・法人税・相続税」を国税三法などと呼ぶこともあり、相続税も所得税・法人税に並ぶ主要な税目のように思われていますが、実際に税収額ではわずか全体の2.1%。

同じ資産課税の固定資産税の8.6%にも遠く及ばず、揮発油税の2.0%並のニッチな税金だったのです。

税制改正の度に消費課税の割合は増えている

トータルの税収をみるとリーマンショックで大きく減らしてからは10年近く連続で対前年比で増収でした。

税目別の推移を見ると所得税は長期低落から近年は増加傾向へ、法人税は景気変更の影響が大きく、その中で消費税は比較的税収が安定して推移していることがわかります。

というか「消費税を増税すると景気低迷でかえって税収が減る」と言われることもありましたが、実際には増税のたびに消費課税の税収は爆上がりしているのです。

社会保障費が増大する中、安定的に税収を確保したい財務省としては、今後も消費税の比重を高めたいだろうなということが伺えます。

事実、大きな税制改正の度に、全体に占める「消費課税」の割合はどんどんと増えており、2019年10月より消費税率が10%となったことで、とうとう消費課税が全体の税収の35.5%を占めるようになっているのです。

それも令和2年度は予算をベースにしたものであり、コロナ禍で所得課税が大幅に減ることが確実視されている状況では、実際の比率はもっと高くなるはず。

そんな「所得課税は当てにならない」ということがより鮮明になったこの環境下で、財務省が景気対策として消費税減税という”ギャンブル”は打てないだろうなと言うことは、この税収やその割合の推移を見ても想像はつくのではないかと。

大規模税制改正ごとの税収内訳の推移

税制のあるべき正しい姿がなんなのかは私にはわかりませんが、少子高齢化で社会保障費が加速度的に増える中、労働力人口が減り続けていくので所得税は減少が予測され、法人税も国際間の競争の中減税は避けられない上にこれだけ景気変動のブレが大きい以上、今後消費税の割合が増えていくことは間違いないでしょう。

税理士もミクロの税法の条文を見ることの他に、たまにはマクロの財政、税収をもみてその趨勢を確認しておきたいものですね。

<出典>

税収に関する資料|財務省

国税・地方税の税目・内訳|財務省

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