会社はいつ設立していつを決算期にすれば良い?

会社はいつ設立するのが良いのか?

これから事業を起こす人からのご質問で多いのが「いつ会社を設立したら良いのか」というものです。

そこで今回は、これから法人の設立を考えている方のために「法人を設立するのであればいつがよく、いつを決算とすればよいのか」を考えてみようと思います。

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まずは個人事業?法人設立?

これから事業を起こす場合に、個人事業で始めるべきか会社を設立すべきかということで言えば、

・法人は一人でも社会保険の加入義務があること

・所得水準が低い場合は個人のほうが法人よりも税率が低いこと

・個人事業と法人の両方で消費税の免税期間が二重に取れること

などを考慮すると、当初は個人事業ではじめて、消費税の納税義務が生じたり、ある程度の所得が安定的に稼げるようになってから法人化したほうがよいと言えます。

しかし、最近は、大手企業が個人事業主との取引を「偽装請負」とされることを恐れて、会社組織以外とは取引をしないことが増えてきているのも事実。

ですから、営業政策上、会社設立が必要な場合には、事業開始当初から会社設立するということもあります。

ただし、単に名刺に「代表取締役兼CEO」と入れたいために、いきなり会社を設立することはオススメいたしません。

本当にどうしても会社設立が必要なのか自分の胸によく聞いてみましょう。

会社を設立するタイミングは?

会社を設立するのは、法人が必要になったからなので、会社を設立する時期は「いつでも早めにどうぞ」ということです。

ただ、法人の設立日によって、金額の変わる税金があります。

それは、法人住民税の均等割額です。

均等割額とは、その会社の所得の額に関わりなく資本金と従業員数に応じて課税される住民税のことであり、県民税、市民税を合わせて最低年間70,000円です。

この均等割額は月割で計算がされますので、例えば設立第一期の月数が6ヶ月しかなければ、その事業年度の均等割額は35,000円(70,000円☓6/12)となります。

では、月の途中で設立した場合はどうなるでしょうか?

この場合の月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数は切り捨てられるのです。(ただし、全体が1月に満たない場合は1月となります。)

例えば設立日が4月10日で、決算が3月31日である場合の月数は、4月10日から3月9日までで11月間となり、残りの端数が切り捨てとなります。

ですから、会社を設立するのであれば、設立日を1日にするよりも1日以外とするほうが均等割額が1月分だけ少なくて済むことになります。

なお、会社の本店所在地が移転した場合には、本店が所在していた期間に応じてそれぞれの自治体に法人住民税を納付します。

この場合にも同じように月数を計算しますので、1日に移転するよりも1日以外に移転をしたほうが均等割額が1月分だけ少なくて済むのです。(ただし、所在していた期間が1月に満たない場合には1月とされます)

いつを決算期にすればよいのか?

消費税の納税義務は、「基準期間」の課税売上高が1000万円を越えた時に生じます。この「基準期間」とは、課税期間の2期前のことであるため、事業を開始してから2期間は基準期間がなく、原則として消費税の納税義務はないことになります。

納税義務の免除(タックスアンサー)

その消費税の「免税期間」は通常一日でも長いほうが良いはず。

そのためには、事業年度終了の時期(決算期)は設立日からすぐではなく、設立日の月の前月としたほうが良いことになるのです。

さて、決算は事業年度終了のときから2ヶ月以内に行うのが原則です。ですから、その時期(=翌期の期首)が繁忙期ではないほうが良いかのようにも言われます。

しかし、役員報酬は「その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期に改定」することとなっています。

役員に対する給与(タックスアンサー)

法人個人を通じた税負担を最小とする最適な役員報酬額を設定するには、その事業年度の業績の見通しができるだけ正確にできたほうが良いはずです。

一般的に、売上高の大きい繁忙期のほうがその業績のブレ幅も大きいでしょう。

そのため、万一期末が繁忙期だとその事業年度末まで一年を通じた業績を見通すことが難しくなります。

それであれば、繁忙期を期首にしてしまったほうが早期にその事業年度の業績の見通しはつきやすく、役員報酬額を決定するのにも役立つはずです。

ですから、まずは消費税の免税期間が長くなるように決算期を定めておき、消費税の納税義務が生じるようになってから、早く業績の見通しのつきやすい決算期に変更をすれば良いでしょう。

決算期の変更には、定款の変更が必要ですが、実務では「定款上の事業年度変更」をした「株主総会の記事録」を添付し、税務署等に「異動届」を提出するだけで済みます。登記手続きは不要です。

ただし、「税務上」事業年度を12ヶ月を越えるような変更は認められません。

なお、期末に突発的に利益が上がりそうだからと事業年度を短くするよう決算期を変更することも考えられますが、利益調整のために頻繁に事業年度を変更すると、対前期比が把握しづらく金融機関にものすごく嫌われるので注意しましょう。

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