軽油を使う会社は税務調査で狙われます|軽油引取税・ガソリン税の消費税

軽油の取引は税務調査で調べられる

税務調査でどこが見られるのかは、ケースバイケースなのですが、教科書的に「これは見ないといかん」というものもあり、それらは、かなり高い確率でチェックがされます。

その中で、こちらが「それほど重要ではないのではないか」と思いがちなものに、ディーゼル車の燃料である軽油取引があります。

そこで今回は、税務調査でよく指摘がされる軽油取引の消費税の取扱いについてまとめてみることにします。

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ガソリン税、軽油引取税の消費税

ガソリンの価格には「揮発油税及び地方揮発油税」(ガソリン税)が1リットルあたり53.8円も掛かっています。

それだけではありません。さらに、そのガソリン税を含めた金額に対して消費税が課税されているのです。

同じガソリンに対してガソリン税と消費税の二重課税されるのはおかしいのですが、実際には、酒税、たばこ税などと同様、堂々と二重課税がされているわけです。

ガソリン税にも消費税が課税されているのですから、ガソリン代の支払総額に8/108を掛けた金額を消費税の納税額の計算上差し引くことの出来る消費税額(仕入控除税額)とすることができます。

一方、ディーゼル車には軽油が給油されるわけですが、この軽油には1リットルあたり32.1円の軽油引取税がかかっています。

しかし、この軽油引取税については、消費税はかかりません。

そのため、軽油については、軽油引取税分は消費税の課税対象外とし、軽油代の支払総額から軽油引取税を差し引いた金額に8/108を掛けた金額を仕入控除税額とする必要があるのです。

なぜ、ガソリン税やたばこ税や酒税には消費税がかかるのに、軽油引取税や入湯税、ゴルフ場利用税などには消費税がかからないのか。

その理由を国税庁は「ガソリン税は製造業者が支払っているが、軽油引取税は個人が払っている」など訳のわからないことをいっています。

一つ言えるのは、両者の違いは前者が全て国税、後者はすべて地方税ということ。

おそらく、国税は自分たちの管理下だから自由に課税できるが、地方税はそうは行かないということなのではないでしょうか。

軽油であっても軽油の支払金額全額が消費税の対象も

軽油引取税は消費税課税対象外なのですが、厄介なことに、軽油の取引であっても、領収証に軽油引取税の区分がなかったり、あっても軽油引取税の欄に*などと表記され、どう計算をしても支払総額全体に消費税が課されていると思われるものもあります。

これは、おそらく、そのスタンドが、軽油引取税の特別徴収義務者ではないということでしょう。

その場合には、軽油の取引であっても、その支払総額に8/108を掛けた金額を仕入控除税額としなければならないのです。

ガソリンスタンドの領収証の中身まで見ずに経理処理をしていませんか?

軽油取引について、軽油引取税の金額が区分して記載されているのに、その支払総額を消費税の課税対象として処理をしてしまうと、仕入控除税額が過大になります。

ガソリンスタンドの領収証について、それがガソリンなのか軽油なのかなどを見ずに支払総額を消費税の課税対象としているケースは多々あるはず。

特にクレジットカードの利用明細などで処理をしている場合には、まず見てないでしょう。

そうなると、簡単に追徴税額が取れるので、いや納税者に適正な申告を促すために、税務調査ではよくみられるわけです。

軽油の支払総額ではなく、軽油引取税に対する消費税ですから、追徴税額はそれほど大した金額にならないことが多いのですが、多数のトラックやダンプなどを動かす運送業や建設業などではそうはいきません。

積もるとかなりの金額の消費税の追徴税額となるので注意が必要です。

多額の軽油取引をする会社の場合には、請求書払いになっていることが多いでしょうが、請求書で軽油引取税は区分されているはずですので、きちんと区分けをした経理処理をしてください。

その反面、たった一台の倉庫内のフォークリフトの軽油について、「その消費税額の追徴税額いくらなのよ、あなたの人件費のほうがずっと高いのでは」といいたくなるほどご丁寧な税務調査もあったり。

まあ、そういうときは、「そんな細かいことどうでもいいだろう」などといって刺激することなく、放っておいて気の済むまで調査をしてもらいましょう。

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