【仕事】テスラモデルSに試乗してみたけどこれは乗ってはイカンやつだ
目次
イーロン・マスク率いるテスラモーターズの電気自動車
セダンのモデルSに加え、SUVのモデルXが日本でも発売され、来年300万円台での発売が噂されるモデル3が発表直後に40万台近い予約を受けたと話題になっております。
一方で、最近では自慢のオートパイロット使用中に死亡事故が出て、本当に大丈夫なの?という報道で注目されることのほうが多いようで。
それでも、フェラーリよりも早いという異次元の加速性能や「走るiPhone」とも言われる今までの車とは全く違った操作性に魅了される人も多く、実際に乗っているユーザーの多くが絶賛をしています。
先日、これから購入を検討するという方の付き添いで、私も試乗してきました。(仕事です。辛いです)
結論は「これはヤバイ。乗ってはイカン」というもの。
どんな感じだったのか「運転は大嫌いなのに、事務所にいる時間より車で移動している時間のほうが長い」私が、ご購入を検討している方のためにまとめてみようと思います。
テスラモデルSの真の姿
テスラモデルSについて気になることを調べてみたり、営業の方にきいてみたりしました。
(1)ボディサイズ
全長4,979mm、全幅1,950mm、ホイールベースも2,960mmと想像しているよりもずっと大きいです。
LexusLS460で全長5,090mm、全幅1,875mm、ホイールベース2,970mmですから、ほぼ同じくらいか全幅はむしろ大きいです。
コインパーキングではギチギチでしょう。
ハッチバックでコンパクトなイメージですが、サイズ的には他のメーカーのフラッグシップのラグジュアリーサルーンと同等の大きさなのです。
(2)内装・空間
内装は、シンプルでドイツ車のよう。実はサプライヤーがメルセデスと同じものも多いそうで、全体的に似ている気もします。
収納スペースが少なく、おもてなし感満載のLexusに慣れた人には、価格の割には質素に思えるかもしれません。
空間も無駄な部品がないので広いのかと思いましたが、全体のサイズからすると少し狭い感じが。
ほぼ同じサイズのホイールベースであるLexusLSのほうがむしろ広い感じがしました。
(3)操作性
車の設定に必要な操作は、ほとんど17インチのタッチパネルで行うことができます。
このタッチパネルが思ったよりもデカイ。
なにせ17インチですから。
MacBookProの15インチより一回りデカいノートPCを横に置いて運転しているようなものです。
その操作性は、まさにiPhone。エアサスの高さから、回生ブレーキの強さ、追尾運転の車間などの調整がタッチパネルで操作ができ、はては画面を指でなぞるだけでルーフの開閉までできます。
バックモニターとしても、バックミラー要らずの鮮明さです。
以前はなかったナビもバージョンアップで利用可能に。Googleの地図を使っていて、音声で目的地を指示できるなどLexusよりも操作性は良いのではないかと。
ガジェット好きは、これだけで購入意欲がズンズン刺激されるはずです。
(4)走行距離・充電時間
走行距離は、積んであるバッテリー量によりますが、一番売れ筋の「90D」というタイプで通常の条件で概ね550キロ。スピードや外気温などの諸条件で変わるようですが、意外と高速と一般道ではそれほど差はないそう。むしろ平均スピードを落としたほうが走行距離は伸びるようです。
一番走行距離が短くなるのは、ヒーターを使う場合。冬は走行距離が1-2割減るようです。
電気自動車で最も心配される走行距離ですが、500キロも走れば、大型のガソリン車と変わりはありません。
充電時間については、自宅に設置したシングルチャージャーで満タンにするのに13時間程度。デュアルチャージャーにすれば7時間弱でいけるとのことです。
ただ、実際には空から満タンにするという乗り方はあまりせず、その日に乗って消費した分を充電しておくということになるはずです。すると50キロ走っても1時間位で充電はできてしまいます。
外出先では、最速のスーパーチャージャーなら20分で全体の半分までの充電可能ですし(まだスポットは少ないですが)、3000箇所以上ある公衆スタンドで充電ができるので、ガソリンス車のようにはいきませんが、長距離移動の際でも充電計画さえ立てておけば特に燃料で困るということはなさそうです。
当然、短距離を毎日乗るような人なら、家で毎日帰宅後に充電するだけで問題はないでしょう。
(5)自動運転
いわゆる自動運転には4つのレベルがあります。
レベル1:特定機能の自動化
レベル2:複合機能の自動化
レベル3:半自動運転
レベル4:完全自動運転
(官民ITS構想・ロードマップ2016/高度情報通信ネットワーウ社会推進戦略本部)
テスラの自動運転は、実はレベル2です。決して、ナビで目的地を指示すれば、寝ていても目的地に連れて行ってくれるというものではありません。
現在実用化されている「自動運転」機能は、完全な自動運転ではありません!!(国土交通省)
高速でスピードを固定して走れる「オートクルーズの超進化版」と言ったところでしょう。
具体的にできることは
・一般道でも指定した速度と車間を維持し前の車を追尾する
・ウインカーを出すと適切なタイミングでレーンチェンジをする
・駐車スペースを見つけて駐車をする
といったところ。
実際に乗っていると確かに驚きます。カーブも勝手に曲がるし、前の車が止まれば止まる。信号が変わって前の車が走り出せばまた走り出します。
これは、はじめて乗ると相当衝撃的です。
ただ、これって、すでにメルセデスに装備されている「インテリジェント・ドライブ」でもできます。というかメルセデスのほうが進んでいます。
実は、トヨタもメルセデス同様、自動運転技術では開発予算でもその進捗状況でもテスラ以上に進んでいると言われています。
トヨタが自動運転競争で海外勢からも一歩リード、日産はどう出る?(Readwrite.jp)
トヨタもレベル2でいいから、早く市販車にその機能を搭載して欲しいものです。
なので、テスラの「自動運転」というフレーズは世間で少し過大評価されたところもあり、テスラ独自の技術でもないのです。
「自動運転中に死亡事故が起きた。やっぱり自動運転は危険だ」と一部で自動運転技術に否定的な意見も聞かれますが、そもそも現時点では寝ながら運転できるようにするものでもないし、むしろ自動運転によるサポート機能で事故は減るはず。
各社競争の上、事故防止のためにも自動運転技術の進化に期待しております。
<追記>
2016.11.19に完全自動運転を可能にするハードが今後生産されるすべての車に搭載されるとの発表がされました。
まだ、ソフトウエアも法律も完全自動運転をできるレベルにはなっていませんが、ハードの制約はなくなったので、今後のソフトウエアのアップデートで自動運転のレベルはドンドン完全自動運転に近づいていくことになるでしょう。(この動画のような完全自動運転はまだ無理です)
(7)加速性能
加速性能については、一番パワーのあるP100Dというモデルだと0→100km/hに2.7秒で到達するとのこと。
ガソリン車だと1億円を越えるマクラーレンP1と同等のクラスということだそうです。
加速前に「危ないのでしっかり頭を付けておいてください」と言われて何事かと思ったものの、少し踏んだだけでジェットコースターに乗ったかのような加速感が。
そこまでの加速は不要でも、上り坂でも全くタイムラグなく加速していく感覚は、ガソリン車にはないもので、一度乗るとガソリン車には戻れなくなるかもしれません。
車の市場価値が下がるダウンサイドリスクは想定可能
心配なのは、高額な車を「イノベーター」「アーリーアダプター」として購入してみたものの、数年のうちに一気に価値のないものになっているのではないかということでしょう。
しかし、テスラの車は、まさにiPhoneのようにソフトウエアのアップデートにより、購入後も進化し続けます。
また、車の市場価値が下がったとしても、4年後に走行距離によって本体価格の48-45%の価格での買い取り保証がつけられています。(ローンで購入の場合)
そのため、買った車の市場価値が暴落することのダウンサイドリスクはある程度読めるといえるでしょう。
ということで、試乗してみたら「とりあえず買って4年間乗って見ようか」と言う気持ちに。
その後、ご飯の予約があったのでディーラーをあとにしましたが、そのままだったら危うく購入ボタンをクリックしてたかも。
(テスラはAmazonのようにネット上で購入します。一度も見ないで買っちゃう人もいるようです)
いや本当、危ないです。
試乗したら絶対買いたくなるので、私のように浪費癖のある人は、うっかり試乗などしないようにしましょう。
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