クラウド請求・会計システムの利用で請求書・領収証の原本保存が不要に|クレジットカード・交通系IC・スマホアプリも

電子データ保存のQ&Aが公表に

電子帳簿保存法により一定の要件を満たす「電子取引」については、領収証や請求書等の原本の保存をしなくても良いことになっています。

ただ、その手続きの煩雑さから中小企業では遅々として利用が進んでいませんでした。

しかし、令和2年度の税制改正で、電磁的記録の保存要件を緩和がされることになり、中小企業での利用が促進されそうです。

そこで、今回は、国税庁から公表された「電子帳簿保存法Q&A」の中から、いわゆる「クラウド請求・会計システム」の利用について、まとめておくことにします。

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電子取引として原本保存不要となる取引

令和2年10月1日以降の電磁的記録の保存について、以下の場合の保存要件が緩和されます。

  1. 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された後、その取引情報の授受を行うこと(電子帳簿保存法規則81一)
  2. 次の要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して、その取引情報の授受及びその電磁的記録の保存を行うこと(電子帳簿保存法規則81三)

(1) その電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

(2)その電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。

「クラウド請求・会計システム」は、2に該当するということです。

電子取引に該当する取引

「電子取引」に該当するのは、以下のようなものがあります。

⑴ 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領

⑵ インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等の画面印刷(いわゆるハードコピー)を利用

電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用

クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用

⑸ 特定の取引に係るEDIシステムを利用

⑹ ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用

⑺ 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

これらに該当する取引については、所定の方法により取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)に係るデータが保存されていれば、出力した書面等を保存する必要はなく、また、別途書面の請求書等を授受する必要もありません。

なお、電子メールやネットからダウンロードするデータについては、受け取った側での訂正削除が可能なため、訂正削除がされていないことを証明する「タイムスタンプ」の付与が必要となります。

クラウド請求・会計システムの利用で原本保存不要に

具体的には、

(3)クラウド請求システムを利用した請求書等の発行

(4)クラウド会計システムを利用したクレジットカード・交通系ICカード利用明細からの自動仕訳処理

(4)スマホアプリで領収証を読み取った従業員の立替経費の精算

が電子取引に該当すると考えられます。

つまり、これらのクラウド請求・会計システムを利用した場合、令和2年10月以降は請求書や領収証の原本を保存しなくても良いということです。

これらを利用することで、会計処理の省力化が図れる上に、面倒だった請求書は領収証の原本保存が不要になるのですから、利用のメリットはさらに大きくなります。

ただし、「クラウド請求・会計システム」などを利用した場合は、取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)に係るデータについて、訂正削除の記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムであることが必要です。

逆に、クラウド上で一時的に保存されたデータをダウンロードして保存するようなシステムの場合には、原本保存不要の要件を満たしません。

詳細はまだ明らかになっていない部分もありますが、市場でシェアを獲得しているクラウド請求・会計システムは、間違いなく、この「原本保存不要」の要件は満たすようにしてくるはずです。

やらなければ即淘汰されますので。

ですから、MFクラウドやfreee、弥生などのクラウド請求・会計システムを用いる場合、令和2年10月以降、請求書等を紙ベースで保存をする必要はなくなると考えてよいでしょう。







これで、やっと、税務調査で「クレカ決済した領収証がないから消費税の仕入税額控除が出来ない」などと言われて、「ハァ?じゃあ、好きに更正しろや」という不毛なやり取りはなくなりそうですね。

電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】|国税庁

*令和5年10月以降は、「電子取引」を行った場合に仕入税額控除の適用を受けるためには、軽減税率の対象品目である旨や税率ごとに合計した対価の額など適格請求書等として必要な事項を満たすデータ(電子インボイス)の保存が必要となります。

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